2009-01-30
手作りの情報サービス戦略①(たぶん全4回)
最新の情報は、RSSリーダーがあるので比較的収集し易いが、ちょっと前の情報を探そうとなると、これは案外難しい。
例えば「○○について最初に言及したのは誰で、いつだったか?」というのを、文献だけでなくネット上の情報も含めて探そうとなると、意外に手間取る。
2~3年前から、Firefoxのアドオンを使い、Amazonの書籍情報に図書館の所蔵情報を追加するユーザースクリプトが、ネット上で幾つか公開されている。
2005年10月発行の「最新WebサービスAPIエクスプローラ」Software Design編集部(技術評論社)に、Amazonで図書館の蔵書を検索するスクリプトが掲載されたので、それがひとつの契機となって普及したのかもしれない。
一部の図書館関係者は、かなり早い時期にこれに気付いていたが、セキュリティ面で難しい部分があったため、公共性の高い施設で提供するのはリスキーという認識が一般的だったと記憶している。
その後、ブラウザの検索バーからOPACを検索する仕組みが登場しているが、こちらに関しては農林水産研究情報総合センターの林さんがトップランナーだったのではないかと思う。
この「朝焼けの図書館員」に以前書いたiGoogleガジェットもそうけれど、こうした図書館サイト外から直接OPACを検索できる仕組みは、利用者がわざわざ図書館サイトを訪れる手間を省いてくれる。
これは、図書館の窓口を利用者の身近な場所に置くことにもなる。
こうしたことが、特に予算を確保せずとも図書館員自身の手でできるようになっている。
無料貸本屋を脱し、情報サービス機関色をアピールする好機が到来したんじゃないかと個人的には思う。
しかし、そういうことに関心を持っている公共図書館員が、どれくらいいるのだろう?
もちろん別の方向で、次の手を模索しているのだとは思う。
だがそれにしても、学生や研究者、大学・専門図書館の人ばかりがこういった方面で活躍し、公共図書館員がなかなか現れないこの状況は、同じ情報サービス機関として何とも寂しい気がしている。