2014-09-09

出版社への就職活動

昨日はインターン生の勝見さんとスタッフの食事会でした。
勝見さんがこの先どういったところに就活するのかはわかりませんが、
私が新卒で就職活動した時の話を書いてみます。
ここに出てくる会社はポットではありません。

大学4年(2003年)の冬、偶然朝日新聞の3行広告で
好きな本を出しているマイナーな出版社が求人している事を知りました。

電話で問い合わせし、埼玉近くの市民会館で入社試験を受けました。
就職氷河期だったのもあり試験会場には100人近く会場にいて驚きました。
就職試験は筆記とグループ面接。筆記試験の内容は、
「128×188mm(四六版)192pの本を3000部作る。788×1091mmの紙に本文を印刷する場合何枚必要か」
「以下の例文の中から間違いを見つけて赤字をいれなさい」
のような紙の取都合問題や、文字校正問題と作文でした。

筆記は散々でした。紙の取都合問題は、1枚の紙で裏表ページがとれるという事を忘れて
枚数2倍で回答してました。校正問題は、間違いらしき箇所が見つからない。
どこがまちがっているのかわからないというダメさ。

グループ面接は、10人くらいの学生が社長ともう1人の社員を囲んでやりました。
偶然席が社長から近く、印刷など興味のある分野の話だったので、発言はできた気がします。
それでも、落ちたな、と思いながら帰りました。

驚いたことに1次試験に通り、面接を受けることになりました。
会場を借りて試験をしているくらいだから大きな会社なのだろうと思っていたら、
総勢5人くらいの小さな会社でした。本の在庫が天井までびっしり積まれた倉庫みたいな所に
無理矢理事務机が置いてあって、外に看板が出ていなかったら会社だとは思えない場所でした。

履歴書を見て、学校でやっていること等をちょっと話した所で、
ジャバザハットみたいな社長に「焼酎は飲めるか?」と聞かれました。
「飲めます」と言うと、湯のみで薩摩白波のお湯割が出てきました。面接はなぜか酒盛りに。
社長が学生運動をしていた時の話だの、会社名の由来の話だのを1時間くらい聞いたでしょうか。
当時はお酒に強かったので、グイグイ行ったのが印象良かったのかもしれません。
なぜか、採用されました。

後日、社員さんから、筆記試験の結果がやはり全然ダメだった事を聞きました。
ただ社長が気持ちよく飲めたという理由だけで私は採用されたようでした。
今になって考えると、当時の社長は学歴や能力より、
コイツを入れて社長本人がイヤじゃないかどうか、社風に合うかどうか、
を審査していたんじゃないかと思います。

規模を問わないで出版業界へ入ってみたいということなら、中小の出版社は沢山あります。
求人に応募する正攻法のやり方でなくても、
もぐりこむチャンスは今もいろいろあるんではないでしょうか。