2010-04-16

シャッターアイランドと痴漢騒動

先週末、女子4人でディカプリオ主演の「シャッターアイランド」を観てきた。
大都会日比谷のおしゃれな映画館にて!

「あなたはこの謎が解けるか?」とか、「結末を知ったら、もう一度初めから観たくなる」とか、
「謎」をキーワードにした宣伝文句が、これでもか、これでもかと流されたこの映画。
客席の600人近くの観客が、ラスト5分の謎解きシーンにまさに集中していたその時、
「この人、痴漢です!」の声が突如館内に響き渡った。
その後も続く、「痴漢です」の声。そして、あたふたと逃げ出す男…。
そして男は、扉へ向かう階段の中程で、2、3人の男性に取り押さえられた。

この騒動に注目していた客席のみんながふと我に返り、スクリーンに目を戻したその時、
画面には、ディカプリオとその相棒が会話するラストシーンが映し出されていた。
そう、肝心の謎解きシーンはすでに終わっていたのだ。

友人の目撃談によると、「最後が分からなかったからお金返してよ」と係員につめよっていた人がいたらしい。
まあ、確かに肝心の「謎」が何だかよく分からなかったけど、私自身は「まっいいか」という気持ちだった。
というのも、そもそもこの映画、「謎解きの映画じゃないじゃん」と思ったのである。
謎というより、この映画に隠された秘密は、映画の中程ぐらいから徐々に推測できちゃうし、
その秘密自体はなんてことはない、使い古されたものなのである。
いろいろな人がネットの感想で、宣伝の方向性が間違っているんじゃない的なことを書いていたが、
私もそう思う。実際、宣伝に期待して「謎解き」に来た多くの人は、
予想と違って落胆するんじゃないかしら?
でもまあ、昨今の邦高洋低の映画界を考えると、謎であおらなかったら初動の観客数を稼げないのかも。
宣伝って難しい…。