2005-02-16

「Les Mots bleus」ほか3本

ペトラ(以下P):フランス映画、「Les Mots bleus」。Alain Corneau監督作品。
 

Les temps qui changent

Les temps qui changent
「Les temps qui changent」
監督Alain Corneau

 
母と娘の関係と、母と娘の学校の担任の男性との愛情。ちょっと複雑ではあるけれども、娘がまるで口をきかなくなってしまい、それを最後に母親はあることをして娘の心を開こうとする・・。
淑子(以下Y):繊細な話だよね。主演のSylvie Testudはとても人気があったドイツ映画「ビヨンド・サイレンス」の主演でも知られているけれども、彼女はいつも安定した演技をして、難しい役をこなしていたよね。

P:みんなね、どこかしら障害があるのよね。それでいて、それでもなお生きている。障害は困ることじゃない。でもみんなどこかでひきずっている。そういう人々、子供も大人も、一生懸命に自分を見つめるんだけれど。そうしたストーリーには共感できたし、面白いとは思った。でも、あまりにメロドラマ風で入っていかれなかったわ。

Y:最後までちゃんと見たってこともあるけれど(笑)、それに我が家も母子家庭なので、いろいろ身につまされることもあってね。本当に厳しいなって思いながら見ていたわ。私は悪くないって思った。でも、賞取るほどの映画ではないっていう感じだけれども。

P:私から見たら、言葉を話さなくなった子供が、最も大人だったなって思うわ。そういうことを感じさせる映画だった。

P:さて、お次は「The Life Aquatic with Steve Zissou」で、監督は妙な映画を撮ってばかりいる、Wes Anderson。

The Life Aquatic With Steve Zissou
「The Life Aquatic With Steve Zissou」
監督Wes Anderson

アメリカの典型的な、あまりに大げさでばかげた、人工的な映画!! 一体どこが面白いの?どうして見なければならない? 海洋博士のBill Murrayが、いろんな人と水中映画を撮影し、世間に発表しているんだけれども、それがナンだっていうのよ! 途中で海賊に遭ったりして、大変な思いをするんだけれども、それもおどけてコミカルに描いていてね。一体何なのか皆目わからない映画。きらめくスター俳優が出ているにも関わらず、なんと顔が死んでいて、いや〜〜な表情をしていることか! とにかくつまらなかったわ!

Y:でも私達は最後まで映画を見たよね? 良いと思って見ていたというより、良くなるはず、と希望を持って最後まで頑張ってしまったっていう感じなのかなぁ。うん、そうだと思った。

P:アメリカ的ユーモアって、平坦ではーはーはーって感じで軽くて、誰も人の話聞いていないしで、疲れるわ。そんなの作ってどうなるの? なぜかこの監督、有名人俳優を使っての撮影を前もしていて、ちょっと政治的な力を持っているのかしらね。

Y:おぼっちゃんなのかな?

Tian bian yi duo yun

Tian bian yi duo yun
「Tian bian yi duo yun」
監督Tsai Ming Liang

P:そして今日最後の映画は、「Tian Bian Yi Duo Yun」。監督はTsai Ming Liang。
台湾、フランス、中国。何が何だかわからない、ミュージカルしたてなのでしょうが、それも中途半端。まるで思春期の悩める青年の作品。こんなのをコンペに出してはいけないわよ!

Y:でも、2つも受賞したんだよね・・・何故か・・・・。シュン。

P:とにかく、ここで私達は記録を出したよね。スタート30分で出てしまった。

Y:ペトラが、25分で出ようと言った時は、さすがにまだ何だかわからないしもうちょっと待ってって言ったんだけれども、5分たって、変な男が水の中で歌いだした時に、あ、これはいけません〜〜って思って、私もギブアップしてしまった。でも、こういうのがヨーロッパでは案外受けるのね。

P:ベルリンって、新し物好きというか、実験的に新しいことするのが好きでね。ヨーロッパの他の国もある程度そうだしで、やっぱりこういう、アジアの妙なわけのわからないものが、実は意味があるんじゃないかってさぐっていて、面白いと勘違いするっていうのはあるかもしれないわね。

Y:よくわからなかった。表現もかなりエロチックではあるんだけれど、それが下品で湿った感じで、何かこう〜〜よどんでいてね。楽しくなかったわ。
でも、賞をとってしまった・・・。なんだか残念って言い方は変かな・・。