2007-02-15

2月14日


バレンタインデーの本日、私とぺトラは2本の映画を見ました。
本日は2本のみです。ちょっとメインの仕事が取り込んでいて、もうひとつ別の仕事も重なり、どうにもならなくなって仕方がなく3本目をキャンセルしました。でも、3本目はコンペ外でしたので、それに前評判が悪かったので、よしとしました。

今朝はとても良いことがありました。それは、私がオススメしているドキュメンタリー映画「選挙」が、ベルリンの2大有力新聞のひとつ、ベルリン新聞にてとても大きく取り上げられていたのです!(写真参照)

「日本人は、世界でも有数な知的な人々なのに、選挙に至っては、驚くほどばかばかしい」・・・汗・・・そんなことが書かれていますね・・・。非常に興味を持たれたのは確かです。

本日、1本目の映画を見終わった時、ばったり森山京子さん(映画評論家)にお会いしました。そうしたら、「選挙」のことをとても面白いと想田監督を絶賛していらっしゃいました。
「これから彼は注目を浴びるわね、楽しみね。」とのこと。私も楽しみです!
(ドナータ! 本当に見に行ってよね~! ヴェンダース監督と一緒に・・・。)
ちなみに、想田監督のHPはこちら選挙

あ、それから忘れないうちに・・・昨日、あまりに時間がなくて読み直しもしないで原稿を送ってしまったのですが(変なところがいっぱいあってごめんなさい!)、ショートフィルムの「謝罪」の内容をお知らせしていないことに気づきました!
大変に申し訳ありません!
こちらをご覧ください、とても面白そうです!
日本の形

これは、「日本の形」というDVDの中のひとつのお話で、日本人が、どんな時にどういった「謝罪」をするのか、ということを表現しているのです。ニーズに合わせてお辞儀の仕方が違うワケですね。すごく面白かったです・・・。若干恥ずかしかったですが・・・汗、かなり笑えます。
このDVD、全部見てみたいです!

・・・
ということで、1本目は・・・コンペでJoseph Cender監督の「Beaufort」。イスラエルの作品。朝だったからなのか何なのか、いつもよりずっとジャーナリストの数が少なく、空席が目立ちました。でも、拍手は大きかったです。
レバノン2000年。1982年のレバノン戦からずっと続くあるポイントでの、底辺で支える兵士達の心の動きを追っています。

ぺトラ:
「脚本がとてもよく練られた作品だと思ったわ。上下関係、最も危険にさらされている下の兵士達がしなければならないことなど、いろんな説明がなされていて、とても興味深かった。それにしても、上の人間が全く下の兵士達を顧みないってのは、見ていて辛いわ。そういう態度とか、全く意味のないことまで兵士にさせたり、憤りも感じた。監督がとてもうまくまとめていたと思う。」

淑子:
「そうね、戦争に関わる映画って、反戦を訴えているのに、実際その映画を作るとなれば、戦争シーンを撮るわけでしょう。大掛かりになれば、当然自然破壊も多くすることになってしまうわけで・・・。何だか矛盾しているような気もしないでもないのだけれども、この映画は、もちろん大爆発などのシーンもあるのだけれども、基本は室内劇のようなタッチよね。極力大掛かりにすることを避けていて、それでいながらダイナミズムがあるというか? そこがちょっと面白かったかな。」

ぺトラ:
「そう、音楽で言えば室内楽よね。そういったアンサンブルが知的で良かった。うまく出来ているなぁと感心させられる作品でした。」

・・・
2本目は、やはりコンペ作品で、ドイツの映画。「Yella」(Christian Petzold監督)。主演はNina Hoss, Devid Striesow。
イエラは、旧東の小さな村で暮らしていたが、暴力を振るう夫と旧東の暗い呪縛から逃れるために、あこがれの西へ逃げる。そこでホテルのロビーイストのアシスタントという仕事を、なりゆきで得られることになるのだが、イエラの夫はストーカーとなって、彼女をずっとつけまわすのだった。何かが起こる度に、頭の中から聞こえる恐ろしい騒音。彼女は現実に生きているのか、それとも夢の中なのか・・・。

淑子:
「う~~ん、拍手もあるにはあったよね・・・でも・・・。私はこの作品は、監督と脚本がよくなかったように思った。だってあまりにも疑問に思うシチュエーションや言葉がありすぎて、見ていて何だかあきれてきてしまって・・・。納得いかない映画だったなぁ。女優さんのNina Hossは上手だったし、ロビーイスト役が、アウシュビッツの贋金の偽装映画でSSの将校を演じたDevid Striesowで、この二人はとっても良かったんだけれどもね・・・。残念な印象しか残っていないなぁ。」

ぺトラ:
「気に入らない映画よ!!でも、確かに旧東出身という立場って、今でも問題になっているんだけれどもね。仕事がなかなか見つからなかったり、西の人との給料の差があったりとかね。気持ちの問題もあるしね。手に職がないっていう人も多いし、本当に社会問題なのよね。主演の二人は好演していたよね。女優の方、ニナ・ホスは、本当は金髪でとっても綺麗なのよ! でも、役に合わせて髪をダークブラウンに染めていた。彼女はね、ドイツで最も人気も実力もある女優の一人で、すごく評価が高いの。
私も監督がよくなかったのだと思う。あと構成が最低! ついていかれなかった。理解できない部分もあったし・・・・。
人生が価値あるものかどうか・・。その辺のつっこみをもうちょっとしてもらえたら、映画としてもっと深みのあるものになったのではないかな、と思ったわ。」

・・・
ということで、今日はその後タクシーに乗って、移動中に電話をバイエルンにかけて仕事、下りてからポーランド人デザイナーに会って打ち合わせ+撮影、その後カフェでサルスの仕事とデザイナーの仕事・・・。強行軍でしたので、ベルリナーレの会場に戻ることができませんでした・・・残念!!

明日はどうなりますことやら・・・。

あ、本日の新聞に、マリアンヌ・フェイスフルのことが沢山載っていましたので、ちょこっとご紹介:
今年60歳になるフェイスフル、かっこいいです!そしてチャーミング!かなりジャーナリストの評価が高く、大人気でした。最優秀女優賞を狙えるのではないかとささやかれています。その彼女、本職は歌手ですが、女優の仕事も好きだそうです。「別人になるのって好きだわ。マリアンヌ・フェイスフルでずっといるっていうのは退屈よ、それって長く十分やってきたんだし。演じることって、自分自身から休暇をとることができるでしょ。」
ミック・ジャガーの昔の恋人は、かなり素敵なオーラを放っておりました。