2007-02-13

2月12日


今日は4本見ました! かなり頑張ったと思います。

その前に、昨日会場で、映画評論家のご夫妻、大久保健一さんと森山京子さんがお声をかけてくださいました。
ありがとうございます!

今回は、とにかく時間がなくてバタバタしていますので、全く見かけないとおっしゃって、わざわざファックスまで送ってくださいました。恐縮しております!

毎回、ものすごい量の映画をご覧になっていて、それで原稿もホテルで書いていらっしゃるようで、本当にプロ中のプロです! それで、本日4本目の「選挙」もご覧になるとのことでしたが、会場でお会いすることができませんでした。

・・・
では1本目。コンペ作品で「When a man falls in the forest」。
ティモシー・ハットンとシャロン・ストーンが主演です。
コミュニケーション不能な人々のお話。アメリカの心の闇を描いています。

淑子:
「心の部分を描いているからといって、優れた作品ってことにならない良い例かも。確かに拍手も多かったし、途中で出る人も少なかったけれども、全体的にけだるくて、う~~ん、つまらないなぁと思い始めると、突然異様な出来事が起きて、それではっとして頭が元に戻るという感じ・・笑。ごつごつしていて滑らかじゃない映画という印象が残りました。」

ぺトラ:
「テーマはアクチュエルよね。現代の病でしょ、他人とうまく関係を持てないっていうのは。それって本当にどこの国でも同じね。自分から事態を変えようとなかなか思わない人々。
自由な精神を自分から捨ててしまっている。でも特に良い作品だとは思わなかったわ。主演は良かった。個人的には息子役
が気に入ったわ・笑」

・・・
2本目、これもコンペです。フランス作品で、Andre Techine監督の「Les Temoins」。ミシェル・ブラン、エマニュエル・ベアール。
ゲイのカップルとヘテロのカップル。そしてゲイの青年の姉。それぞれが感じている微妙な心の揺れ、ひずみを表現。

ぺトラ:
「とてもとてもフランス的。映画の中ですごくしゃべる(台詞が多い)、ほとんど表面的、向かい合って話すシーンが多い。批判というより、私の中のフランス映画ってそういう印象なの。それがしっかりと詰まった作品ね。OK、でも必見映画とは言いがたい。まぁまぁの映画かな、私にとっては。俳優は皆良かった。でも、ベアールって美しいけれども、ピークが過ぎたのかな、という感じがちょっとしたな。」

淑子:
「テシネ監督の映画は、毎回とても気になるのだけれども、いざ見ると手放しで素敵って言えない何かが残るのは何故なのかしら?
でも、ベアールの服が象徴的で良かった。特に黄色のワンピースを最初と最後に着ている意味が興味深い。あと、後半で着ていたちりめんのような生地のワンピースも、何かワケありって感じがして・・・。
ある意味凝った作品なのかな、と思ったわ。」

・・・
3本目はコンペ外作品で、Richard Eyre監督「Notes on a Scandal」。
主演はケイト・ブランシェット、ジュディ・デンチ。
あるハイスクールの教師であるデンチは、友達もいない孤独な老女。
でも、その日の出来事を入念に日記につけて、良い日か悪い日かを、星シールで表していた。ある日、美術の教師ブランェットがやってくる。若く美しい彼女と老女のデンチは、あることをきっかけに友達になるのだが、とんでもないスキャンダルが起こった。二人の関係は・・・。

ぺトラ:
「OK! この映画の中で、二人の女性、つまりブランシェットとデンチはとても上手に演じていたと思う。でも、何故かわからないけれども、心には響かなかったな。特にデンチの役柄、恐ろしいほどの古教師でエゴイストな孤独の老女ってのは、あまりに月並みな設定ではないかしら・・・。」

淑子:
「この映画は、確かにストーリィだけ見ると月並みな感じもしないでもないけれども、音楽が最初からすごく良かったと思う。そうしたら、典型的だったのですぐにわかったけれども、フィリップ・グラスが担当していたのね。話がドキドキする展開になってきた時に、ものすごく緊張感のある音楽が流れて・・・あの音楽がなかったら、ここまで引き込まれなかったと思うほど。」

・・・
そして、本日最後の映画は、日本映画でフォーラム部門の作品、想田和弘監督の「選挙」。ドキュメンタリーです。
文字通り、選挙の模様を追った作品。

ぺトラが先に出てしまったので(汗)、先ずは私の感想から書かせていただきます。

これは面白かったです! 友達のKちゃんがすでに見ていて、面白かったと言っていたし、プレスのドイツ人がかなり笑っていたようだし、前評判は上々でした。日本人として、ちょっと恥ずかしくなるような場面がいくつかあり、そこでまたジャーナリストが笑って・・・。でも私も笑ってしまいました。15人くらいは途中で出てしまったけれども(ぺトラも含めて)、満席の会場で途中でほとんど出て行かなかったのはすごいと思います。
特に私にとっては興味深かったのは、前にも書いたように、選挙区が神奈川県の川崎市宮前区! 何と私の両親が住んでいるのです。
日本に戻れば宮前区にずっと泊っているわけなのですが、奇遇にもその地区の選挙を追った作品だったので、私の知っているところばかり出てきて、いやはやびっくりしました。
ドキュメンタリーというのは、良質であればそれだけでかなりのインパクトがあると思います。想田監督の作品は、最初はドキュメンタリーの王道のようなタッチ(ドキュメンタリー番組を数多く手がけていらっしゃるそうです)で、後半はかなりドラマチックに展開していくので、見ていて飽きなかったし感じるものがありましたね。
ドキュメンタリーの何たるかを知っている監督だけに、コンセプトにブレがなく、初めからずっと楽しめました。ただ、おばさん達のお話がちょっと長かったかな、という印象はありますけれども・・・。

終了してから会場の前で、少しだけ監督にお会いしてお話させていただきましたけれども、とても気さくで誠実そうな、感じの良い若い監督でした。
ドイツの新聞にも掲載予定だそうで、それも楽しみです!
ご成功を心よりお祈りしています!

そして、ぺトラからのコメントはメールでもらいました:

「この映画は、選挙にまつわるストレスと問題を見せてくれたわ。政党からのプレッシャーや俗っぽい感じ、さらに日本人の勤勉さや礼儀正しさも見ることができて、興味深かったけれども、候補者と彼の奥さんが必死になる様は見ていて神経がぴりぴりしてしまう。
私は個人的に候補者の山内さんのことを批判するつもりもないし、むしろ好きだけれども、もう見ていて心が痛んだのね、お気の毒で・・・。
心に圧力がかかってしまう映画だったわ。見ていてかわいそうで辛かった。」

なるほど! そういうふうに外国の人は見るのですね。そうかと思えば、あまりにはちゃめちゃなので大笑いする人もいるし・・・・。
でも、想田監督が示したことは、どういう形であれ、外国の人々に伝わったのではないかな、と思います。

ヴェンダース監督の奥様、写真家のドナータにメールをする用事があったので、このドキュメンタリーをオススメしてみたら、見るわって書いてありました。さて、本当に彼女は見てくれるでしょうか??

このエントリへの反応

  1. 連日お疲れ様です(>_

  2. ありがとです! (^.^)v