2007-02-11
2月10日
本日は3本見ました。それぞれとても良かったです!
素晴らしい作品に出会うと嬉しくなりますね。ぺトラも気分が良いようです。
あ、いつも書き忘れていますが、写真はクリックしていただきますと、大きくなります。ぜひご覧くださいませ。
(ポット出版さんの石塚さんがちゃんとアップしてくださっています。ありがとうございます!)
それから、私はほとんどコンペ作品を中心に見ていますが、今回は日本の作品がコンペに入っていないということもあり、他の部門で日本の作品を少し見ることにしています。
「さくらん」は、ベルリナーレ・スペシャルという部門でした。
この枠の作品は、かなり面白いものがあるので、今回は他にも見たい映画があります。でも・・・時間がなくて無理か・・。
・・・
今日は3本全てコンペの作品です。
1本目は、中国の作品。Wang Quam’an監督で、「Tu Ya De Hun Shi」。
ツヤという女性の結婚にまつわる話です。どの男性を選ぶのか・・・。
モンゴル北西部の、自然の中で羊飼いをして暮らすツヤの生活、心の動き、愛・・・。
ぺトラ:
「この作品、どう思った?」
淑子:
「良かったな! 監督がすごくいいと思った。うまくスタッフや役者を動かして、とても上手に作ったと思うわ。」
ぺトラ:
「私も良かったと思う。静かでゆるやかな流れの中で、それでもものすごくテンションが高くてね。風景もよくて、音楽も素晴らしかった。役者、監督、音楽の全てが良かった。ひとつ言わせてもらうけれども、<どこの国でも男性というのは問題を作り、女性はそういう男性からの問題を抱えて生きているもんだなぁ>ということ。笑
そして、最後がただのハッピーエンドじゃないってところも気に入ったわ。」
淑子:
「そうね、それにしても、自然と大地の風景があると、画面はダイナミックになるものね。それだけでも見る価値があると思ったわ。拍手もあったよね。」
ぺトラ:
「本当は、記者会見にも行ってみたかったよね。でも、次の作品との間が1時間しかなくて、それもロバート・デニーロの監督作品だから、会場が混雑することが予想されていたし、もたもたできなかったのよね。ちょっとトイレに行ったらもう次のために会場の入り口で並ばないとならくて・・・。なので、残念だったけれども、記者会見はパスしたのよね。」
・・・・
2本目は、上記のように、俳優のロバート・デニーロが監督した167分もある作品「The good Shepherd」。
CIAの頭脳、「Mother」と呼ばれる男の話。これは、あまり書いてしまうとつまらなくなってしまうので、それだけにしておきますが、主演はマット・デイモン。
デニーロも役者として出演しています。その他、アンジェリーナ・ジョリーなど、豪華な顔ぶれ。
淑子:
「すごかったよね! これ、私は全く期待していなかったのだけれども、びっくりするほど良かったね。長さを感じさせないほどよい緊張感が漂っていて、知的でカメラワークも素敵で、デニーロという俳優さんに興味がわいたわ。」
ぺトラ:
「うん、私も気に入ったわ。良かったわ~。素晴しい! インテリジェンスにあふれ、構成もカメラも全てよく、安心して見ていられた。安心って言葉はちょっと語弊があるかもしれないけれども、つまり駄作じゃないってことが、ちょっと見てすぐ感じることができたもの。またこのマット・デイモンが上手よね~。」
淑子:
「そう、彼は本当に演技派だなぁ。最高だった!キャスティングも良かったよね。」
ぺトラ:
「スタッフの信頼関係がちゃんとあったのでしょうね。俳優としてのキャリアがしっかりと反映されて、より良い作品作りができているケースではないかな。
かなり拍手があったよね。納得の拍手でした。」
・・・
3本目は、お待ちかねのドイツ作品。Stefan Ruzowitzky監督の「Die Faelscher」。
淑子:
「私達の好きな俳優、アウグスト・ディールが準主役なのよね。この作品は、アウシュビッツに強制送還されたユダヤ人の中で、紙幣の偽造をナチ側の命令で行うことになった、印刷技術を持つ男性の話。特筆すべきことは、1936年の戦争終結の少し前に起こった本当の話だということと、この若きアウグスト・ディール演じる印刷職人、アドルフ・ブルガー氏が生き残って現在89歳でいらっしゃるってこと。ブルガー氏の話を忠実に再現したとされる作品なのよね。圧倒されました。」
ぺトラ:
「この作品、私も良かったと思う。表面的ではなく、事実を本人からちゃんと聞いて表現しているから、ある意味生々しいのだけれども、どこかしら異様で芯があるというか。俳優陣も良くて、皆好演していたと思う。ドイツ人の私にとっては、いつもいつもこれでもかって繰り返されるナチスと強制収容所の話は、本当に厳しいものだけれどもね・・・。」
淑子:
「でも、随分ベルリナーレは雰囲気が変わってきたと思う。ここ数年で、つまりコスリック氏がディレクターになってからというもの、コンペ作品が前よりずっと良くなったし、見て損したという気持ちはどんどん少なくなってきているなぁ。」
ぺトラ:
「で、淑子は用事があったので、私だけが記者会見に行ってきたのよね。すごく退屈だった!」
淑子:
「え、そうなの? 生アウグスト・ディールは素敵じゃなかった?」
ぺトラ:
「素敵よ。映画で見るよりずっとずっと素敵だったわよ! でもね、だからといって見られてラッキーと思うような私ではないので、あの記者会見の雰囲気は不満足。ジャーナリスト達が、あまりにアホな質問ばかりするんだものー。参ったわ。」
淑子:
「どんななの?」
ぺトラ:
「うん、時間のムダだから、くだらない質問は無視して、ちょっと興味深かったのはね、
ベルリンにあるバベルスベルクのスタジオを、すっかり当時の収容所を再現したそうなんだけれども、そこにブルガー氏が訪ねていらしたと。そうしたら、その収容所の撮影の雰囲気が全く違うものになったんですって。」
淑子:
「この映画については、もっと言いたいことがあるの。だって朝ね、映画祭に向う電車の中で新聞を読んでいるんだけれども、今日は1ページ使ってブルガー氏のことが出ていて・・・。私は電車の中で、それを読んで思わず泣いてしまいました。
ある意味、映画よりその新聞の内容の方が衝撃的だったかも。とにかく、私が読んだ内容をぜひこのブログでご紹介したいと思います。総括でゆっくりと書かせてくださいね!」
・・・
ということで、今日はこの辺で!
明日も頑張って3本見ます~~!
青木さん、連日本当にお疲れ様です。
今回の3本は私がみたいと思っていた作品なので
とても興味深く読ませていただきました。
日本で上映される日を楽しみに待ちたいと思います。
一番みたいのは”Tu Ya De Hun Shi”です。
モンゴルが舞台ということで非常に楽しみです。
PS
お忙しいのに毎回レスをいただき恐縮しています。
どうか無理しないでください。
読ませていただくだけで十分満足していますから。
お体が心配です。
seikoさま!
優しいコメントをありがとうございます!
皆様からのコメントが励みになりますので、ちっとも
大変じゃないですよ! 嬉しいです。感謝しています。
それに、結構元気なのです・笑。
楽しいこと、好きなことをするのは、体にもとても良い
のでしょうね。
明日の月曜日は4本の予定です。どうなりますか・・
お楽しみに!