2008-02-13
ベルリナーレ 2月12日
本日は、ポツダム広場を離れて、ミッテのウンター・デン・リンデンにあるツォイクハウスで上映中の「ルイス・ブニュエル レトロスペクティブ」に行って参りました!
ポツダム広場からは、距離的にはさほど遠くないのですが、歩いて行くのはちょっときつい。
今日から少し冷えてきていますし、風邪を引いたら大変です!
なので、電車でウンター・デン・リンデンまで行き、それからバスに乗りました。
これが外観です。
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ブニュエル監督は、シュールで誰にも真似できない感性の作品を沢山発表しました。
20世紀の鬼才だと思います。
画家のダリとのコラボレーションで生まれた「アンダルシアの犬」は、デビュー作にして強烈な印象を残し、一躍有名になりましたけれども、故郷スペインの時代では不遇なこともあり、順風満帆な監督ではなかったようですね。
でも、玄人には常に人気があったそうで、反骨精神を持ち続けたブニュエル監督の評価は、亡くなってからもずっと高いままです。
そのブニュエル監督の作品を、3本見ました。
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1本目は、1960年作品「若い娘」 The Young One (La joven)
ある島に、わけアリで密かにたどり着いた若い男。
この島には、若い娘が暮らしていた。
その隣の家には、兇暴でがさつな男が一人で暮らしていた。男は、ライフルを持って狩りに出かけ、不審な若者を発見、追跡して発砲するのだった・・・。
・・・と、ストーリィを書いても無意味ですね。
なんせブニュエル監督の作品は本当にシュールなので、意味不明な展開になることもしばしばだからです。
独特のブニュエル的シーンともいえる、動物が唐突に出てくる場面もありました。
動物が無残に殺されたりして、かなりのショック効果がさまざまなシーンにちりばめられていました。
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2本目は、1930年作品「黄金時代」 The Golden Age (L’âge d’or)
ダリとの共作第二弾ですが、ほとんどブニュエルが作ったようです。シュールで詩的な映像。
ドキュメンタリーのように見える冒頭の部分から、かなり危ない(そしてあやしい)過激なシーンのてんこもりでした。
痛烈な社会批判を展開。
ブニュエル監督の持ち味のひとつである、宗教(キリスト教)への反発が見え隠れして、物議をかもしだした作品でもあります。
司教様達が祈りを捧げているかと思えば、突然それが白骨化していたり・・・。
かなりドキドキして頭が混乱する作品になっています。
若さは爆発だ!とばかりがんがん飛ばしているように見える、ブニュエル監督の若かりし頃のちょっと力み過ぎかも?な感じの面白い映画でした。
そういえば、この作品は昔、右翼に上映中爆弾を仕掛けられるという凄まじい事件があったそうで、そのために作品自体が封印されてしまい、以後50年も見られなかったのだそうです。
す、すごいですね・・・鬼汗。
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そしてラストは、1964・65年の作品 「砂漠のシモン」 Simon of the desert (Simón del desierto)
砂漠の中央にある柱。
その上で生活をしている聖人シメオン(歴史上実在していた人物)を描いた作品で、とても人間的なエンディングでした。
とはいえ、とてつもなく荒唐無稽な雰囲気はいつもの通りで、不思議な感覚が残り、脳みそがここにきてシュールな状態になり、ぼ~~っとなってしまいました!笑
柱の下に美しい女性が現れ、聖人を挑発し、誘惑します。
彼女は一体、悪魔か天使か??
あるいは、別に意味がないのか??
ブニュエル監督作品において、意味やストーリィを考えるのは野暮というもの。
この作品なども、キリスト教に反発しているとして批判されているようですが、監督の聖人に向けられたまなざしは、決して冷やかなものではありませんでした。
憎しみは、愛情と表裏一体なのだなぁ、としみじみ思う私・・・。
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以上です!
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今日は、ポツダム広場の話題が何もなかったので、昨日時間がなくて書けなかったことを少し書きますね。
お天気が良い日は、こうしてポツダム広場の駅近くにある、ものすごく長~~いシーソーでみんな遊んでいます。
これ、とっても人気があるようで、子供連れの若い夫妻が楽しそうにぎったんばっこんやっていました。
これは、メイン会場の前に出ていた屋台の風船やさん! 可愛い風船がいっぱい。
今年の水分補給のパートナーは、ゲロールシュタイナー社。どこででもドリンクがいただけるのではなくて、特設エリアや映画館で時間を決めて無料提供してくださいます。
写真は、メイン会場の中にあるプレスセンターの休憩コーナー。
美しいお嬢さんが、ドリンクを優しくプレゼントしてくれました!
ということで、今日はこの辺で!