2006-06-24

いただいたご本『インド 第三の性を生きる』

india.jpg青 土社の大親友(←メルマガ購読者の意味)のH女史が、インドの第三の性、ヒジュラを写真と文章で紹介する新刊を送ってくれた。『同性婚』以上にマニアック な 内容に 青土社の蛮勇を思い知った気がしたが(笑)、これまでヒジュラものといえば、研究者とか写真家が「観察」したものが主だったので、こうした肉声が聴ける本 は重要かもしれない。

なにせ、ぼくらは、ヒジュラと言われればヒジュラを十把一絡げで見てしまうし、オカマと言われれ ばオカマをのっぺ らぼうに理解しがち。 そこに属 する個々人の言葉に接しないかぎり本当のリアリティは得られない。この本に主人公として登場するモナ・アハメドさんは、ヒジュラ以前にご本人が ずいぶん個性的な様子。なんたって60代で仲間との生活を捨てて、墓場でのひとり暮らしを選んだのだから……。

● モナ・アハメド/ダヤニタ・シン『インド 第三の性を生きる』
(関根光宏 訳/青土社/2600円+税)