2009-06-14

いただいたご本『僕は運動おんち』

onchi.jpg最近、よくエフメゾにおみえになる枡野浩一さんから新刊をいただいた。お店では「サイコ」「ストーカー」あつかいされている枡野先生であるが(笑)、これはとてもさわやかな青春小説。主人公は運動も勉強もできない男子高校生で(でもチンコはでかい)、彼の友情や恋をちょっと笑えてちょっと切なく描いている。

60年代生まれの思春期が舞台になっているので、伏見にはなつかしい風景だった。「ノストラダムス」とか「ガラスの仮面」といった時代のアイテムも登場して、現在のアラフォー世代には?たまらない。「虚無への供物」などという小説まで導入されていて、伏見的にはニヤリ。男子高校生のたちの性欲と友情のあいだにある情感が、恋愛やセックスよりもよほど切なかった。やはり言葉に定義されない微妙な感情ほど美しいものはない。それが青春だー! 装丁画もとてもいい。

● 枡野浩一『僕は運動おんち』(集英社文庫) 514円+税