2005-12-07
映画『オープン・ウォーター』
試写状をもらったときからすごく観たかった映画『オープン・ウォーター』。が、なにせ出不精ゆえ、試写の日程はいつのまにかすぎ、気づけばロードショーさえ終わっていた。そしてやっとDVDになって観ることができた。
ツアーガイドのミスで海上に取り残された観光客ダイバー。大海にただ浮いて救助を待つ恋人同士に、運命は厳しかった。近くを通りかかった船には、手を振っても気づいてもらえない。サメは姿を見せる。刻々と時間は過ぎていく。いつしかサメの群れに囲まれ、足を喰いつかれ、出血しながら力尽きていく男性。恋人の遺骸を海に放し、ついにそのときを覚悟する女性……。
『ジョーズ』のように絶叫する怖さではないが、観終わった後、しんしんと恐怖が効いてくる。ラストの、女性の絶望とあきらめの表情が、脳裏を離れない。こんな特殊なケースでなくとも、いつか自分にも訪れる「それを受け入れる瞬間」。その痛みが重なり合わさって、いっそうリアルに迫ってくる。