2004-12-03

コラテラル

「コラテラル」パンフより 何だかんだと忙しくて、半月ほど映画館に通えなかった。ようやく落ち着いて、まず観たかったのは『コラテラル』じゃなくて、『オールドボーイ』だったのである。のっけからグチめいてて申し訳ないが、まずはその話から。

その日はちょっと渋谷の雑踏は避けたい気分で、横浜に新しくできたシネコンに行こうと思い立った。駅から近そうだし、みなとみらいのシネコンよりは、きっとすいてるぞ!と。
某情報誌でスケジュールをちゃんと確かめ、15時35分の回を目指して行ったのに、なんと、土・日は朝の回のみの上映となっていた。「まさか!」。
定期があるからタダで行ける渋谷をやめて、わざわざ370円(みなとみらい線ができる前は190円で行けたのに…)払って行ったからには、このまま引き下がるわけには行かないと、チケット購入の長蛇の列に並んで、窓口のお姉ちゃんに文句を言った。すると、そのお姉ちゃんは、おもむろに自社のスケジュール表を出してきて、「こちらに27日と28日は、朝の回以外は休映の▲印がついております」とのたまった。
うわ〜、小さすぎてそんな印、よく見えないじゃん〜。そんなスケジュール表、どこで配ってるんだよ〜。わざわざ、新高島まで370円払ってもらいに行けってこと〜。
…なんて悪態を心の中でつぶやきつつ、しょうがないので『コラテラル』のチケットを購入。最後に「○○(情報誌の名前)には休映なんて書いてありませんでしたよ」と捨てゼリフをはいたら、「それは○○さんのほうに言っていただかないと…」とシラッと言われた。
はいはい、確かにそうです。客の入りによって、上映スケジュールがくるくる替るのが当たり前のシネコンで、単館系の映画を見ようと思った私がバカでした。でも、ひとこと「それは申し訳ありませんでした」と言ってくれれば、こっちの気持ちも大分違うのに、窓口のお姉ちゃんからは「映画愛」を感じるなんのフォローもなかった。「シネコンなんか、やっぱキライだ〜」と思った次第。
横浜では、単館系映画をよく上映していた「ヨコハマ・シネマ・ソサエティ」が、先般の台風で地下の劇場が浸水し、ついに閉館となってしまった。何とも寂しい限りである。

で、前置きがものすごく長くなってしまったが、トム・クルーズが非情な殺し屋に扮した『コラテラル』。夜のロサンゼルスを舞台に、一晩で5人を殺す使命を受けた殺し屋が、偶然乗り合わせたタクシーの運転手を巻き込んで、一夜の壮絶な殺しの狂想曲を繰り広げる。夜の街のクールでスタイリッシュな映像が印象的な作品だ。
トム・クルーズ演じる殺し屋に翻弄されるタクシー運転手に、コメディアンであり、最近は映画出演も多いジェイミー・フォックス。ウィル・スミスの妻、ジェイダ・ピンケット=スミスが出演時間は少ないながら、おいしい役で強い印象を残す。
監督は、男のドラマが得意な、『ヒート』『インサイダー』『マイアミ・バイス』のマイケル・マン監督。

ハードボイルド好きな人なら、あらすじを聞いただけで、よだれが出そうな映画だろう。トム・クルーズも髪を白髪まじりの銀髪にして、頑張って非情な殺し屋に扮している(今度こそのアカデミー賞狙い?)。

しかし、そもそも、純愛、ベタなストーリーが人気の今の日本にあって、非情でスタイリッシュな作品が受ける要素は少ないだろう。実際、その日のシネコンは、家族連れ、カップルでにぎわっていたのに、みんなアニメに流れたのか、『コラテラル』では空席が目立った。
で、映画自体に感銘を受けたのならいいのだけど、「う〜ん、つまらなくはないけど、取り立てて誰かにすすめるほど良くはなかった」というのが正直な感想。トム・クルーズは非情な殺し屋と言うには甘ちゃんに見えるし、背景が一切明かされない殺し屋の生き様が、心の中に深く入り込むまでには至らないという感じだ。

それでも、銃撃シーンや夜のロサンゼルスをタクシーで走るシーンなど、見所は多い。細部にこだわって観れば、また別の楽しみ方がある作品でもある。

このエントリへの反応

  1. シネコンの人ってさ、映画も好きじゃないし接客も好きじゃないって感じの人いますよね。でも、単館だと映画すきそだけど、サービス業っていう自覚ない人いますよねー。
    映画の感想短くないですか?
    僕が「コラテラル」で気になったのは、
    ①トム・クルーズの髪の色
     今回は短髪なんで、髪染めないと相変わらずの優等生面になるのをさけたのかなーと推測しますが、変ですよね。
    ②トム・クルーズが途中まで不死身なこと。
     頭撃たれようが、車が事故ろうが走って行っちゃうんですよね。
    ③トム・クルーズがちょこっとだけ、タクシー運転手に心許すのが、ユルイ。
    でも、音楽のセレクションは良かったですよねー。

  2. コラテラル
    ■ コラテラル
    原題:COLLATERAL
     

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  4. コラテラル
    コラテラル★★★やっぱりトム・クルーズは男前(*^_^*)