2019-08-26

電子書籍の書誌情報

ポット出版は、版元ドットコムという出版社団体のいち員で、役員社としても活動しています。

出版界では、最近、電子書籍情報を、一般に公開もするためにも、収集活動を本格化しました。
その「お知らせ」が出版界で公開されたのですが、
版元ドットコム参加会員社(323社、201908現在)に、補足説明の文書を書きました。

2019年8月1日付でJPO・JPROから「「JPRO電子出版物登録無料キャンペーン!」のお知らせ」が発表されました。
また電子取次のメディアドゥから、取引版元にも、同様のお知らせがメールで送られていると思います。
 →お知らせ 下に全文貼ってあります(下記と同内容です)
 →お知らせ https://jpro2.jpo.or.jp/news/detail?seq=133&kind=0
 →出版情報登録センター(JPRO)の活動・書誌情報の流れは
 https://jpro2.jpo.or.jp/documents/JPROパンフweb用見開き_201904V21.pdf

版元ドットコムは、JPO(日本出版インフラセンター)の会員となり、
出版情報登録センター(JPRO)管理委員会に、組合員の沢辺(ポット出版)を派遣しています。
この電子書籍書誌情報のWGのメンバーにもなっているので、この「お知らせ」についての補足説明をしておきます。

●これまでの電子書籍の書誌情報のながれ
電子書籍の書誌情報のながれは、これまで二つながれがありました。
(紙の本の場合とほぼ同じです)
◯電子書店(アマゾンKindleや楽天コボやhontoなどなど)での販売のための書誌・書影
電子取次(MBJ・メディアドゥなど)に納品する際に、EPUB(電子書籍の本体ですね)+書誌情報+書影を
セットにして納品しています。この書誌情報は、電子取次を経由して、電子書店でサイトでの表示などに使われます。
この書誌情報は、電子取次ごとに必要な項目が違っていて、版元は、電子取次の決めたフォーマットにあわせて、取引先の数だけつくって
それぞれに納品しているわけです。

◯情報として収集・蓄積・(活用?)
・この「取引先の数だけ」つくることを一つにまとめられないか? 
・そもそも電子書籍の書誌情報を網羅的に、業界で収集・蓄積しておけないか?
といったことを目的の一つとして「出版デジタル機構」が出版業界で設立されました。
版元ドットコムもこれに100万円出資して、参加しました。
こうしてつくられたのが「共通書誌情報システム」で、開発・運営は出版デジタル機構がおこなっていました。
(出版デジタル機構は、のちにメディアドゥが買収)
しかし、共通書誌情報システムへの登録しても、相変わらず電子取次などへの書誌情報を含んだ「セット」が必要だったことから、
中途半端な状態のままでした。
また、JPO(日本出版インフラセンター)傘下の、出版情報登録センター(略称JPRO・じぇいぷろ)は、
この共通書誌情報システムから、登録情報の提供をうけて、データの蓄積(だけで未活用でした)をしていました。
共通書誌情報システム経由の、JPROへの登録料金は、新刊一冊について500円(紙の本の登録料は1,000円)。

●「お知らせ」の要点と、これからの書誌・書影情報のながれ
8月1日付の「お知らせ」の要点は
・メディアドゥ(旧出版デジタル機構)は、共通書誌情報システムの運営をやめる
・その後は、直接JPO・JPROが収集・管理する(従来は版元→共通書誌情報システム→JPRO)
・実際の収集は、版元が電子取次(MBJやメディアドゥ)に納品した書誌・書影を、電子取次からJPO・JPROが集める
 そのため、版元は、JPROが電子書籍書誌情報を、取次から集めることに同意して
 また、その際、MBJ経由がいいか、メディアドゥ経由がいいか希望を連絡して
・登録料は、新刊1冊につき、500円→200円に値下げする(紙の本の登録料は1冊1,000円で両方出版すると1,200円になる)
・これまで、共通書誌情報システムに登録していなかった版元も、10月1日〜12月31日までであれば、
 既刊の書誌情報をまとめて登録しても200円が無料で登録できるし、その期間の新刊の登録も無料だ

●版元ドットコム会員版元はどうするのが良いか?
書誌・書影情報の整備・保存は大切です。売る製品の情報があって、はじめてお客が購入できるからです。

 電子書籍をこれまで制作・販売したことがある版元であれば、
・JPROに「これからJPROにも登録」
 あるいは共通書誌DBに登録申し込みをしてある版元なら「ひきつづき登録しますよ」と申し込む
・電子取次(MBJ・メディアドゥ)のどちらから書誌情報を流してもらうかは、どちらを選択しても構わない
 ただ、個人的にはMBJ経由を推奨します。版元ドットコムはこの間MBJと良い協力関係を作れてきたので、
 今後なにかあれば相談して改善などしやすい相手だからです
・申し込み方法は、下記にある「申込み書」をJPO・出版情報登録センターに、各社、メールでおくってください

●具体的な手続きについて
◯電子書籍を過去に発行したことがある版元 で、
・共通書誌情報システムをすでに利用している版元
 →申し込みが必要です。下記にある「申込み書」をJPO・出版情報登録センターに、各社、メールでおくってください
・共通書誌情報システムを利用していない版元
 →今回を機会に、電子書籍のJPROへの登録の申し込みをするのがいいです。
  また、電子取次にある書誌情報を活用できるというメリットもあります。
  下記にある「申込み書」をJPO・出版情報登録センターに、各社、メールでおくってください
◯過去に発行したことがないが、これから発行を計画している版元
 →電子書籍書誌情報の、JPROへの登録をおすすめします。
  下記にある「申込み書」をJPO・出版情報登録センターに、各社、メールでおくってください
◯過去に発行したことがないし、今後の発行もまだ未定の版元
 →今は何もすることはないです
  電子書籍の制作・販売をはじめることにしたら、版元ドットコム事務局に問合せください。
  その時点での対応策についてアドバイスできると思います。

●版元ドットコムシステムでの、電子書籍対応について
現在、電子書籍の書誌情報の登録などができるように、エンジニアが開発中です。
開発中のシステムは、次の通り
・版元ドットコムシステムに、
 紙の本の情報を活用しながら(同じ項目は流用できる) 
 電子書籍情報も登録できるようにます
 版元ドットコムサイトでも表示します (「この本は電子書籍もあります」といった関連を示せるようにする)
・登録された情報をもとに、電子取次(MBJ・メディアドゥ)向けの書誌情報ファイル(納品時に利用できるもの)
 をダウンロードできるようにする
 ダウンロードした書誌情報ファイルは、EPUB(電子書籍本体)と書影とを一緒に、電子取次に納品するファイルとして使えるものにする

以上が補足説明です。
これでも、不明な点があると思います。
不明な点は、このメーリングリストに、質問を投稿してください。
返事をします。
メーリングリストであれば、同じような疑問を持っている方の参考にもなると思います。
ぜひ協力ください。

よろしくおねがいします。
(沢辺均 版元ドットコム組合員/ポット出版)

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「JPRO電子出版物登録無料キャンペーン!」のお知らせ

2019年8月1

一般社団法人 日本出版インフラセンター(JPO)代表理事 相賀昌

出版情報登録センター(JPRO)管理委員会委員長 柳本重

「JPROへの電子出版物登録方法がより簡単に登録料も安価(一部無料)になりま
す!」

利用社各位

出版情報登録センター(JPRO)は、6月現在、登録が235万点を超え、物流・仕入・
選書・予約・注文で活用される業界に不可欠の情報インフラとなりました。
今後は、電子出版物の登録をさらに進め、紙と電子を合わせた
「日本初の出版物総合データベース」のより一層の充実を目指しています。

この度、業界の公的インフラ(共通書誌情報システム)の運営を引き継いだ
電子取次会社メディアドゥのご協力により、電子出版物の登録方法をより簡便に
できることとなりました。そこで、登録点数を増やして、より強固な総合DBとして
いくために、無料キャンペーンを実施しかつ登録料を値下げすることになりました
ので、ご案内いたします。

■ 登録方法がシンプルになります!
・貴社のご承認がいただければ、貴社がメディアドゥ社に販売委託している
電子出版物の書誌情報のうち登録に必要な項目(コンテンツデータは含みませ
ん)
をJPROに取り込みJPROが登録作業を行います。
・メディアドゥ社とお取引のない出版社様で、主取引がモバイルブック・ジェー
ピー社
の出版社様や、JPROへの直接登録を希望される出版社様は、
JPRO事務局にお申し出ください。

■ 電子取次事業者経由で登録するメリット
・貴社のスタッフの手間を増やさずに自動的に電子出版物の書誌情報が登録さ
れ、
紙の底本情報と紐づけることができます。
・電子取次会社がクリーニングしたデータを取り込むので、正確な書誌情報が
登録できます。
・必要な項目のみが登録されます。
(お取引条件や特定書店向けの情報等は一切登録されません)
・価格変更等の情報修正があった場合も、電子取次会社経由でJPROに反映されま
す。
・従来、共通書誌情報システム経由でJPROに登録していた出版社様も作業の手間
が省けます。
・共通書誌情報システムの利用ができずに登録を見送っていた出版社様も、
電子出版物の書誌情報の登録が簡便にできるようになります。

■ JPROに電子出版物情報を登録するメリット
・電子出版物の出版権(電子出版権)情報の公示が可能になります!
2015年の著作権法改正により、著作権者から電子出版権の設定を受けた出版社

公衆送信を行う権利を専有し、インターネットを用いた無断送信(インター
ネッ
ト上の海賊版)を自ら差し止めることができるようになりました。
JPROに電子出版物を登録すると、電子出版権情報も任意で付与でき、
「正規版」として電子出版権が設定されている場合にはJPRO出版権検索にて
公示することが出来ます。
(JPRO出版権検索:https://jpro2.jpo.or.jp/limit/pubrights/captchainput

・JPROの検索サイト「出版書誌データベース(略称:Pub DB)」
( https://www.books.or.jp/ )に「電子版あり」と表示されます。
読者には紙版が入手困難となっても電子版という選択肢を示すことができま
す。
また著者に対しても電子で出版を継続する出版者として意思表明することに
つながります。

■ 登録無料キャンペーンと登録料の値下げ
→ 電子出版物の登録「無料キャンペーン期間」を設けます。
→ 本年10月1日から12月31日までを制度切り換え期間として、それまでの既刊で
未登録のもの及び期間中に発行の電子出版物は登録無料とします。
→ JPROの新登録料
☆ 現行の登録料は、紙1,000円、電子500円で合計1,500円
☆ 2020年1月1日からの登録料は、紙1,000円、電子200円で合計1,200円
*電子出版物でコミックの「一話もの」等のマイクロコンテンツは
個々に課金せず、当面は紙の本と1対1で紐づけて「1 ISBNで1,200円」と
算定します。


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以上を踏まえ、ご承認をいただける場合は以下、必要事項をご記入いただき
このメールにご返信ください。

出版社名:_________________________ ご担当者名:__________________________

メールアドレス:_____________________ 電話番号:__________________________

電子出版物の登録方法を①~③からひとつご選択のうえ番号を記入してください
〔  〕

① メディアドゥを介して登録する
② 出版社ご自身で登録する(メディアドゥとお取引のない場合)
③ その他モバイルブック・ジェーピー等を介して登録する(メディアドゥとお取引
のない場合)

*本年10月1日から12月31日までを制度切り換え期間として、それまでの既刊で
未登録のもの及び期間中に発行の電子出版物は登録無料とします。

*ご不明な点などございましたら以下までお問い合わせください。
<問合せ先>
一般社団法人 日本出版インフラセンター 出版情報登録センター 事務局
メールアドレス:jprouketsuke@jpo.or.jp

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