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[第2章●強靱なリファレンス環境の探求] 9… 世界大百科をEPWING化する |
[2004.05.12登録] |
石田豊 |
前にも書いたように、電子辞書のフォーマットは、大別して独自形式と汎用形式があります。平凡社の世界大百科や小学館のスーパーニッポニカは独自形式、つまり閲覧のための専用ソフトとデータがコミになった形です。 いっぽうの汎用形式には電子ブックとEPWINGなどがあり、これらは基本的にはデータと、それを閲覧するソフトが別です。多くのEPWING閲覧ソフトは電子ブック形式も読めます。 閲覧ソフトとしてはWindowsではDDWin(DDwinのページ)、MacではJamming(Jammingホームページ)がお勧めです。DDWinはフリーウエア、Jammingはシェアウエアです。どちらも多数の辞書を串刺し検索することができます。 独自形式と汎用形式のどっちが優れているかといえば、言うまでもなく、汎用形式です。プラットフォームの乗り換えができ、多数の辞書を串刺し検索できる。その2点だけでも独自形式に圧勝です(と、思う)。 平凡社世界大百科にしても、スーパーニッポニカにしても、なんでEPWING形式にしなかったのか、わたしは不思議でなりません。 そりゃ、両者ともEPWINGでは実現できないマルチメディアっぽい諸機能がついていますが、そんなもん、使わないです。私だけかもしれませんが。 私も以前は電子ブック版の日本大百科全書(小学館)と世界大百科(日立デジタル平凡社)を使い分けていました。大辞林や広辞苑、リーダース英和辞典や現代用語の基礎知識などと一緒に串刺し検索が可能な日本大百科全書の方は頻繁に使いましたが、独自ソフトをわざわざ立ち上げなければ使えない世界大百科はついつい敬遠気味になってしまいました。いくらいいコンテンツでも、使用頻度がひくけりゃ、まったく無用の長物です。 しかし、世の中にはすばらしいソフトとそれを作成した人があるもので、世界大百科やスーパーニッポニカをEPWING(正確にはJIS X4081)化するツールが存在します。それがEBStudio(シェアウエア1000円)です。 このツールは、本来は自分で作ったデータをEPWINGまたは電子ブック化するのが目的のものなのですが、スーパーニッポニカや世界大百科を変換するためのツールキットも別途用意されています(上記Webサイトの各種辞書・変換スクリプト集のリンクからたどる)。 まずは「世界大百科事典ツールキット」をダウンロードし、ReadMeの記述に従って、HDにインストールした世界大百科事典のデータを加工(別フォルダに書き出し)します。ReadMeの記述はちょっと敷居が高いのですが、きちんと読めば理解できるはず。 いわば、この作業は前処理だと言えましょう。このツールキットによる前処理が終わったら、それを本体のEBStudioに掛けます。本処理は比較的短時間で終了します。 この作業を行うことで、世界大百科のコンテンツが、まるごとEPWING形式にコンバートされます。できたデータ(フォルダ)をJammingやDDWinなどのEPWING閲覧ソフトを使って利用すればよい。 めでたく串刺し検索が可能になったわけです。 変換作業では、外字のイメージ化も行います。そのため、フォントが入っていなくても大丈夫。 EBStudioはWindows用のソフトですが、それで加工したあとのデータはMacでも読めます。つまり、コンバート作業の時だけにWindows機があればいいわけです。これまた、前回で述べた方法同様、休日の午後にカステラ片手にWindowsを持っている友人宅にでかければいいってことです。 EBStudioのツールキットにはスーパーニッポニカ用のもあります。こっちを使えば、小学館の百科事典もコンバートできます。 百科事典を2セット買うのはバブリーな所業ではありましょうが、それでもライト版なら3万円でおつりがきます。書籍版では大冊50巻。こいつを一気に引いて中身を読み比べる。快感です。 |
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*匿名*さんより [2004-12-04] |
*無題* |
*匿名*さんより [2004-12-25] |
*無題* |
由香さんより [2004-12-25] |
どうもありがとうございます! Windows からMacにスイッチしたばかりなのですが、それまで使っていた辞書・辞典のソフトをどうしようかと思っていました。特に世界大百科辞典はMac版が出ていないうえ、持っているのは第一版なのでJamming でも変換できないらしく、「ネットで百科」という検索もMac には対応していないと言われ、あきらめそうでした。すがる思いで「世界大百科、Mac」で検索したところ、このページにたどりつきました。やった〜という気持ちでした。「Read Me は敷居が高い」といるところで怖じ気づいたのですが、「きちんと読めば理解できるばず」というお言葉を信じてRead Me をプリントアウトし、いざ!と読み始めたのですが「2.Convert. bat をエディタで開き」まででゆきづまってしまいました。とりあえずわからないところはとばして、先を読んでみようとしても敷居ははるか雲の上のようで、現在ぼんやりたたずんでいるところです。もう少し勉強して将来再トライする日まで、Read Me はとっておくことにします。とはいえ、なんとか方法があるということがわかっただけでも光が見えたので、お礼をいいたくて書いています。どうもありがとうございました。 |
V.Yamatoさんより [2005-01-23] |
やってみます いくつかの辞書ソフト、百科辞典を使っていますが、電子ブック、マック、Win98→2000→XP(SP1,2)と使用機種、OSも変わり、ついに動作がおかしくなってしまいました。 天下の平凡社と日立が立ち上げた子会社が解散したからサポートも中止。購入したユーザーはパソコンを新しくすると電子書籍が使えなくなるというお粗末さ。マックでは動作しなかったこともあって、Winマシンに代えたり、仮想CDドライブソフトを購入したり、たびたびバージョンアップしてきたのにこの仕打ちはどういうことか・・・ 救われた思いです。実際にやってみるといろいろ問題もでてくるでしょうが、ありがとうございました。 |
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