2010-06-05

ご紹介が遅れていた、いただいたご本

すみません、いただいたご本の記事のアップが遅れていて、不義理をしています。読んでから、と思っているうちに発売日を遠く過ぎてしまい……。宣伝にご協力できなくなってしまうので、ここで未読のものも含めて一挙にご紹介!

広島大学教授の有元伸子さんの『三島由紀夫物語る力とジェンダー―「豊饒の海」の世界』(翰林書房)は、三島由紀夫をテーマにした博士論文の『豊穣の海』の章を単行本化したもの。伏見は昨今、三島由紀夫に再び関心を抱いていて、有元先生の博士論文を先般国会図書館で読ませていただき、とても感銘を受けた。このご著書も読み進めているのだが、やはり『豊穣の海』も再読しつつ読み合わせなければと思うと、なかなか時間がかかる。なにせ、三島の遺作は大作だから。

デニス・アルトマン著『ゲイ・アイデンティティ――抑圧と解放』(岩波書店)の刊行はちょっと感慨深い。この本は1971年にオリジナルが出版され、当時のタイトルは『Homosexual』。実は伏見は四半世紀以上前、ゲイリブの先輩から原著を借りて読もうとしたことがあったのだ。でもそのときは英語力が不足していて、数ページで挫折(笑)。あのときにちゃんと読めていたら、その後書くものは違ったのかなあ……。

相澤啓三『冬至の薔薇』は詩集。「死を眼前に凝視する詩人の脳裏を一人の少年がよぎる。スキップして野を行く少年に死の日はまだ遠い。彼は険しい道を辿りどこまでも川を遡ることになるだろう……」。詩がまったくわからない伏見ですが、行間から臭い立つ相澤さんの性への「執念」みたいなものにあてられました。

よりみちパン!セ(理論社)からも相変わらず、面白い本がばんばん出てきますね。写真家の平沼正弘による『世界のシェー (よりみちパン!セ)』は、彼が欧米諸国、アジア、ジンバブエ、ルワンダ、パプアニューギニア……など世界中を回って、現地の人々に「シェー!」のポーズを取ってもらった写真集。「シェー!」って知ってる? 

葬儀と墓といえばこの人、ともいえる書き手となった井上治代さんも『より良く死ぬ日のために (よりみちパン!セ)』という一冊を上梓している。「ーー人がより良く生きるためにある、「死」という営み。いつか、かならず訪れる「その日」の前に学んでおきたい、葬式とお墓のこと」。

加門七海という作家の『「怖い」が、好き! (よりみちパン!セ)』は伏見も興味津々で、早く読みたいと思っている。「怖いとは、何か。どうして、何かを怖いと思うのか。ーーそして、恐怖をおぼえながらも、どうして人は、この世ならざるモノたちに「萌える」のか。私たちには、「お化け」が必要です」。オカルト系のことは現代社会を生きていく上で一度は考えるべきテーマですよね。

伏見とハーヴィー・ミルクの写真集を出版したAC BOOKSさんはこれから文芸方面にも進出するということで、翻訳本を刊行。この夏に米ABCネットワークでドラマ化されるという『ライアーズ1 ひみつ同盟、16 歳の再会』。サラ・シェパードによるガールズ・ミステリー。「イジワル女のみなさま、私はまだいるわよ。そして、何もかも知ってまーす!」オカマ心をくすぐる帯の言葉であります。

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