2009-06-05
いただいたご本『きみが選んだ死刑のスイッチ』
「ホームルーム、裁判員制度、死刑。この三つに共通する、最大の注意点はなんでしょう? 答えは、この本のなかにあります。「思考停止」を乗り越え、手遅れになる前にじっくりと考えるための、入魂の一冊。」
裁判員制度がはじまるにあたって、この本は、日本国民なら誰しも読んでおくべき一冊かもしれない。議論を法とか民主主義の成り立ちから掘り起こしていて、私たちの社会の根幹を振り返るのにとても有意義。伏見は死刑制度に関しては、「やっぱあったほうがいいんじゃない?」というくらいの情緒的な立場なのだが(要するにあまりちゃんと考えていない)、本書を読んでうーむと考え込んでしまった。というのも、死刑囚がどのように殺されるのかが詳細に記述されていて、その臨場感を共有することで、それまでふたをしてきたものを開けられたような気がしたのだ。
だけど、「あんたは人を殺せるの? 殺していいの?」と畳み掛けられるようで(意図してそうした書き方にしているのだろうけど)、その倫理主義的な物言いが逆に説得力を失わせてしまうような気もした。あと、小泉の新自由主義が諸悪の根源!みたいな断定は、どんなものかなあと……。ともかく、本書がとても良いテキストであることは間違いなく、死刑について考えたことがない人は一度手に取ってみるのがいい。
よりみちパン!セシリーズの『阿修羅のジュエリー (よりみちパン!セ シリーズ44)』はまだ読めずにいる。面白そうな気もするのだが、伏見にとってジュエリーは「豚に真珠」なので、興味がわかずごめんなさい。……「国宝「阿修羅像」は、キラキラでエキゾティックなジュエリーをまとった、天平のファッションリーダーだった! そしてあまりにも有名なこの少年顔の鬼神の装飾には、現代のアクセサリーや携帯ストラップの持つ秘密が隠されていたのです。」