2005-12-18

夫婦に見えますか?

mother_1.jpg「伏見さん、一度アップロードしていたはずの記事が見つかりません。また読みたいのに、どうして消しちゃってるんですか。残念です」

というメールをいただいたのだけど、だから、この日記は「うたかた日記」なの。あぶくのように消えていくもの。まあ、メモ書きのつもりで書いているので、ネタはあとで伏見のエッセイ、小説などなどに再利用されることがあるかもしれませんが。

だいたいあんた、ただで読んでいて文句言うんじゃないわよ! クレームは来年、有料メルマガ化したときに会員になってから言ってちょーだい(募集がはじまったらすぐに申し込むこと)。

まあ、記事を消してるのは大した理由があるわけじゃないんだけどね(イーホームズの藤田社長への気持ちが萎えたとか、そんなもんで)。ただ一つ、「母は、まだ82歳」という記事だけは、「えっ……まさか……やばいかも……」という気持ちが生じ、こそこそ隠れるように削除した。

あれは、病院の待ち合い室で伏見と並んで座っていた母が、看護婦さんに「奥さん」と呼ばれたことで、自分が息子と夫婦に間違えられたのだと勘違いした、という話。でもさすがに年齢差のある二人が夫婦には見間違えられないだろ、っていうオチだったのだが、それに異論、反論が寄せられたのだ。

遠方で暮らす相棒から、「えー、きっと看護婦さんは本当に夫婦だと思ったんだよ。えい子さん(うちの母の名)だったらそう思われてもおかしくないよ」とのコメント。そして、もうひとり、ポット出版の「心のない編集者」として著名な(←伏見が吹聴しているだけ)サトウ幹部から、「ブログに書かれていた、お母様との病院でのエピソード、私も『えー、夫婦に見られたの?!』と読んでおりました」とわざわざのご指摘。ふたりは共に、うちの母と伏見の両方を知っていてそう思ったのだ。とすると……

それでちょっと不安と恐怖にかられて消したのよね。あぁ、本当にあの看護婦ときたら、オカマの伏見を、よりにもよって40歳も年上の実母の夫だと思ったというの? いくら年下の夫ブームだからって……。そんなことを許す社会は間違っています!! 

ということで、以下に再度アップしておきます。フン。写真は、とある新聞に親子取材されたときに、自宅近くで撮ってもらったもの。ねえ、夫婦に見えますか?

「母は、まだ82歳」

予防接種を受けるために、近所の病院の待合室で母と座っていた。しばらくすると、看護婦さんが「伏見さーん、入ってください」。思わず二人同時に立ち上がろうとする。顔を見合わせると、看護婦さんが「あ、奥さんのほうから入ってください」と言い直し、母が先に注射を受けた。

家に帰ってくると、母は、妙に嬉しそうに、「あの看護婦さんも、いやよねえ、いくらなんでもこの歳で奥さんなんて」と話す。「いいんじゃない? おばあちゃんとか呼ぶのは失礼だって思っただけでしょ」と僕が返すと、「えっ! 名字がいっしょだから、夫婦と間違えたんじゃないの?」と絶句。

絶句するのはこっちだっつーの! いくら母が82歳にしては少し若く見えるといっても、はたまた僕が42歳というには年寄りに見えたとしても、40歳も年齢差があって誰も夫婦とは思わないって!! だいたいアンタは高齢出産で僕を産んだんでしょーが。もうあきれてしまった。でも、まあ、そういう現役感があるから、まだ寝込みもせずに元気でいてくれているんだけどね。

僕は、母と母のボーイフレンド(母と同い年)をモデルに、『魔女の息子』という小説を書いている。小説では彼氏のほうは惚けて入院してしまう結末になってるんだけど、実際は、まだ二人の恋愛?関係は継続中なのだ(←彼氏にとても失礼なことをしている)。今度の正月も連れだって旅行に行く予定になっている。僕が「なんで暇な老人が、わざわざ混んでいて値段が高いときに京都旅行なんてするのさ」と嫌みを言うと、「だって、お正月の雰囲気は格別でしょ。それに…もう今度が最後の旅行になるかもしれないし……」としおらしいことを言う。

だけど、去年もおととしも同じことを言って正月旅行に行ってるんだけどねえ。