2006-08-25

佐藤B作の想像力

日テレの「ダウンタウンDX」という番組で、俳優の佐藤B作がこんなネタを披露していた。同窓会の後で幼なじみの男性と二人で山に登ったとき、ふいに愛を告白され、迫られた。気持ち悪く、「怖かった!」

その話しぶりにまったく友情も憐憫もなく、ただ同性愛への嘲笑しかないことに、すごく不愉快になった。いっしょに笑うだけだった周囲のタレントに対しても、憤慨している。

その幼なじみだって、本当に佐藤のことが好きで、思いあまって気持ちを告白し、ノンケの男性が女の子にするのと同様に迫っただけだろうに……。まあ、気持ち悪く感じてしまったことを責める気はないが(それは人それぞれの感性だから)、でも、そのことで友人を世間の笑い者にし、少なくとも佐藤の旧友たちには個人が特定できるようなディテールまで公開し、「それ以来会ってない」などと斬り捨ててしまうのは、ひどすぎる。

こういう番組を放送することは、差別語を不用意に口にしてしまうことより、よほど悪質だ。人権とか差別とか以前に、人間としての想像力ややさしさのかけらもない。俳優業をしていればゲイのひとりやふたり知人にいるだろうに、そういう人たちへの配慮はないのか。そんなことで役者ってできる商売なのか。

http://www.ytv.co.jp/dtdx/contents/midokoro/midokoro.html