2008-10-25
いただいたご本『発達障害 当事者研究』
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● 綾屋紗月+熊谷晋一郎『ケアをひらく発達障害当事者研究-ゆっくりていねいにつながりた』(医学書院)
この本の著者のお二人とは先日対談をして、『精神看護』という雑誌に遠からずそれが掲載されることになっている。内容についてはそこで語り合っているのでそんなに立ち入らないが、「精神医療」にはほとんど関心がなかった伏見にも刺激的な内容だった。
著者の綾屋さんは幼少の頃から他人との関係が上手くいかない、コミュニケーション不全の問題を抱えていて、最近になって「アスペルガー症候群」という言葉にたどり着いた。しかし既存の医学の解釈をそのまま受け取るのではなく、もう一度自分の言葉でそれをとらえ直そうと、熊谷氏との対話を通じて一冊の本を書くことにした。他人の言葉に自分を委ねず、手探りで自分の内面を言語化した知性に感嘆するばかりである。
彼らコンビがここで示したオリジナルな考え方は、「私たち自閉圏の人間は、『意味や行動のまとめあげがゆっくり』なのだというものだ」。本書ではその仮説が正しいかどうか、綾屋さんの内的な過程を分解し構成し記述することで、ていねいに検証している。読者はそれに同伴することで、自分たち自身のコミュニケーションの不思議を逆照射されることになる。そう、この本は、我々のコミュニケーションの独自の形式こそを浮き彫りにしてくれるはずだ。