2006-03-05

RIZE

シャウトする肉体美に
酔いしれる
RIZE

エミネムが主演した「8マイル」のダンス版ドキュメンタリー映画といった感じだ。
舞台はL.A.サウス・セントラル。描かれるのは、早回しかと見まがうほどの「クランプ・ダンス」に自分のすべてを注ぐ若者たちの姿だ。

L.A.サウス・セントラルは、全米で最も危険と言われている地区だそうで、ここで育つ子どもたちには、将来はギャングになって死を意識して生きるか、踊りで自分の存在価値を表現し、RISE→這い上がるという選択肢しかないのだという。

この映画のポスターは、クランプ・ダンスを踊るふたりの男女がメインショットになっている。筋肉増強剤では絶対にできないだろう、とってもきれいな筋肉を持つふたりに目が釘付けになる。映画で見る踊っている姿はもっとスゴイ!
クランプ・ダンスは、ヒップホップダンスの流れから、アフリカの民族ダンスなどが加味されて、さらに発展したダンスのようだけど、この映画では、まさに現在のダンスシーンの最前線をたっぷり見ることができる。

監督は、ファッション・フォトグラファーとして数々の有名人を撮ってきたデヴィッド・ラシャペル。3年間にわたって、L.A.サウス・セントラルで踊る若者たちの姿を映像におさめてきたということだ。
足を高くあげて優雅に踊るクラシック・バレエも素晴らしい芸術だが、この映画で観るダンスは、まさに生きている証とも言うべき強烈さで、目が離せない。太ってても、やせていても、スタイルが悪くても、良くても、体にリズムを感じて踊る姿は、とっても感動的だ。