2012-10-30

祖母からもらったもの

私の名前の最後には「子」という字がついています。
これは、母の案「真理」に祖母から “待った!”がかかり、与えられたものです。
というのも祖母世代、つまり明治・大正生まれの女性名はだいたいが「◯◯」(ひらがな2文字またはカタカナ2文字の構成。例:せい、りつ、たき)なので、「子」がつく名前は超!ハイカラで憧れなのだそう。(実際、祖母を含む四姉妹はお互いを「◯◯子」と通称で呼び合ったり、大事な書類以外はすべて「◯◯子」で通したりしています)
なのに祖母は「子」をつけて私の名を呼んだ事は一度もありません。どういうこと…?

大学時代、たまに校舎の喫煙所にいる正体不明のおじさんにおしえてもらったことがあります。
(そのおじさんはいつも黒の上品なジャケットを着ていて胸にライカをぶら下げていてショートホープを吸っていた)
たとえば自分の子どもが不治の病気だとしても、自分はどうやったって代わってあげられない。ひとりきり。その孤独を知れ。じゃないといいものは作れないよ、と。

まだわかんないなぁー。
祖母が意識を失ってから、さらにそれを取り巻く家族の動きを見てからというもの、
みんなひとりきりだなぁと感じているのはたしかなんですが、わかんないなぁーと思います。
まだ呑気なことに、ひとりじゃないような気でいるんです。
ただ、今の祖母の前に立ったときだけ、わかるような気もするんです。
最近はSNSからもめっきり遠ざかっていて、友人はそれを「今は言いたいことは何もないし、聞きたいことも何もない状態なんダヨネ☆」と言っていました。
なるほどそうかも。大事な時間をもらっているのかも。