2010-03-19
小池清治著「漢字の本」いよいよ入稿
今年、常用漢字表が改定されることになっている(予定では10月内閣告示)。
で、その改定常用漢字に今度、新しく追加される文字に「那」と「須」が入るらしい。
えー! いままで自分の名字が常用漢字じゃなかったとは、知らなんだですよ。
常用漢字は日常に使う漢字として制限されたものだけど、日常使う漢字にはいれてもらえてなかったとは。
そんな話を、4月に刊行する日本語史研究者の小池清治さんの「漢字の本」ではじめて知りました。
常用漢字には、「プリンシプル」がない、と小池さんは言います。
本では、常用漢字はどういう歴史的背景で生まれたものなのか、
日本語と漢字が出会って、中国で生まれた漢字が、日本ではどのようにその使われ方が変化してきたのか、
などなど漢字の成り立ちから変質までをといていきます。
来週入稿予定で、4月の中旬には書店に並ぶ予定です。
小池さんの話で印象的だったのは、
日本の漢字というのは、ユル文字だということ。
仮名のように一つの文字にひとつの読みとキッチリしているのに比して、
漢字は、名前読みまでいれたら一つの漢字で10個も20個も読みがあって、文字と言葉との関係が常にゆるやかなユル文字である。
漢字というのは読みがいっぱいあって、文脈によっては漢字の読みも意味も変わる。
だから、私たちは、漢字を読んでいるのではなく、漢字を仲立ちにして「ことば」を読んでいるのだ、と。
それにしても、各章末に漢字の練習問題がついているのだが、
私には答えられない問題が多々アリ(汗)……。
みなさんもぜひ本を買って、チャレンジください!