2009-08-06

山中学写真集『羯諦』出します

本日、早速ofellabutaさんで取り上げていただきましたが、
ポット出版は9月に山中学さんの写真集『羯諦』を出します。

現在、掲載する写真を含めた本文まわりはほぼ出来上がり、函や表紙、本文の用紙についてさまざま検討しているところです。

山中学さんは1959年、兵庫県生まれの写真家で、25年間に亘って「阿羅漢」「不浄観」「羯諦」「童子」「浄土」「無空 茫々然」という6つのシリーズを撮影してきました。今回の写真集『羯諦』はその集大成で、6シリーズから108点を収録します。

序文はカリフォルニアの日本美術研究者、パトリシア・J・グラハム博士。

定価6,000円+税と安くない写真集ですが、
250mm×250mmの大きなサイズで山中さんの写真を堪能していただけると思います。

モノクロで写し取られたそれぞれの被写体の、生き物としての本質をご覧ください。

【目次】
◎序文─パトリシア・J・グラハム博士
●阿羅漢
●不浄観
●羯諦
●童子
●浄土
●無空 茫々然
◎活動歴
※全文、日英対訳付き

【山中学 プロフィール】
1959年生まれ。広告写真家の助手を4年余務める。その後独立、23歳で上京。
コマーシャル写真家の道を歩み始めるが、広告写真と自分の追求したい写真の温度差を感じ、
自らの世界を極めたいと思い、作品の制作を始める。

──私の生まれ育った大阪近郊の尼崎の町は町工場労働者たちの多く住む場所で、
昔から仏教が深く根付き、仏教にまつわるお祭りが多く、住民たちの信仰も厚く浸透していた。
私が小さい頃、交通事故に遭い病院に運ばれ、10日間も意識不明で生死をさまよった事があり、
幸いにも私はこの世に戻ることができ、その身代わりに可愛がっていた犬が死んでしまった出来事があった。
この奇妙な霊験や奇跡的な生還から、生と死、仏教に関心を持つようになった。
作品を通して仏教の真意を視覚的に伝えたいと思っている──

1989年、東京で初めての個展“阿羅漢”を開く。現在は、東京に住みながら、ニューヨークのギャラリーを通して作品を発信し続けている。

山中学の写真(著者のサイト)
※リンク先で公開されている6シリーズの被写体は「ホームレス(阿羅漢)」「動物の死骸(不浄観)」「老婆(羯諦)」「アジアの子ども(童子)」「奇形者(浄土)」「堕胎児(無空 茫々然)」です。

『羯諦』書店FAX(予価7,000円+税とありますが、定価6,000円+税に決定しました)