2006-07-07

日記(その6)

土曜日。母子共に心身をかなり疲労していました。ミュンヘンもパリもキャンセルして、なおかつ落第も決定的になっている・・・・。この最悪な状態から、少し離れる必要があります。二人とも小食どころか、ほとんど何も食べられない状態。(でも息子はそんな中で、それなりにつまんでいましたけれど・・。心配しながらも、楽観的ではあります。)先ずはVertraunslehrerという、生徒が信頼をしている先生の代表に電話をしてお話を聞いてもらうことになりました。ドイツには、こういったシステムがあるのですね、面白いと思いました。生徒の相談に、必ず乗ってくださる役目の先生がいらっしゃるのです。息子の学校のこの先生は、なんと偶然にも別のクラスの体育の先生でした。しかもその先生と息子の先生の授業はいつも一緒に行われていたので、息子のことも知っていたのです。

息子が直接その先生と話をしました。「うん、なるほど。私も校長と話し合ってみるけれども、そういう場合は、Shulrat(学校監督官庁の人)に話を聞いてもらい、書面で校長に意義申し立てをするのが良いかもしれない。実際君は体育を怪我で休んでいたのだし、それは私も知っているよ。君の体育の先生が成績の変更をするのは正しいし、そうでなければならない。でも、いったん校長の耳に入ったら、全ては完璧にコレクトでなければならないんだ。それはお役所仕事だからね。でも、もちろん校長の一存でオーケーになることもある。ケースバイケースだけれども、今回の場合は、校長だけが今の時点で駄目だと言っているんだね。学校というのは、校長が駄目と言ったらだめなんだよ。だからやはり、なんらかの方法で異議申し立てを学校にする必要がある。」とのこと。とても親切に助言してくださいました。

アンドレアと話し合い、とにかく今回のことは、(かなり校長先生は生徒の親の間でも評判が悪いそうです・・・)方向性によっては人種差別とか身体障害者差別(これは私のことですね、聴覚障害があるのに、担任が重要な知らせを書面で私にすることを怠っているという意味です)にも発展しかねないことだから、もしも私が弁護士を立てて訴訟を起こしたら、校長は教育委員会でこれらのことを報告する義務があるから、そうなるとかえって校長には不利な話になるのではないか、と言うのです。「だからね、とにかくやってみましょうね。兄が良い人を見つけてくれたから、月曜日にその弁護士に電話してみるわ、すぐにでもアポもらえるようだったら行ってみてね、私の事務所と近いから、一緒に行ってもいいし。で、料金は急ぎのこともあるので、全てで600ユーロ(9万円くらいですね・・・)、でもこちらの申し立てが受け入れられたら、全額ドイツが支払うので、それは問題ないわ。ただ一度アポもらって話を聞いてもらい、アドバイスを受けるだけだったら、もっと安いしね。」

週末にできることは全て行い、アンドレアにも感謝して少し先が見えてきました。息子は追試を受けられるかどうかの瀬戸際ですから、まだまだ落ち着きません。「お母さん、俺試験受けさせてもらえるよね?大丈夫だよね?」と心配そう。
「君が全てまいた種だから、君は本当に心から反省すべきよ。もっとちゃんと勉強をしていれば、それなりに落第なんてところまで追い込まれずに済んだのだから。でも、とにかく体育の先生が好意的でいらっしゃったので、後は校長先生にご理解いただくってことね。こちらの主張は間違っているわけではないので、後は何とかするしかない。ことを荒立てなくないけれども、もしも月曜日に校長がそれでも君に追試を受けさせないってことだったら、お母さんは断固戦います。だから心配せずに、君は試験受けるにしても受けないにしても、先ずはできるだけ自主的に勉強することです!それが君の役目。」

こうしていろいろなことが進み始めました。私たちは電車チケットのキャンセルをしに中央駅まで行って、その後いつものすしバーに寄り、久しぶりのお寿司を堪能しました。いきつけのお店なので、またまたとっても素敵なおまけがいっぱい!息子も私も大喜び!! 私はあまり食べられませんでしたが、息子はすごく嬉しそうにほお張っていました。ちょっとほっとしました。

少しだけ気分転換ができ、月曜日の大事な校長との話し合いに向けて、エネルギーが再び満たされたようでした。