2004-04-26

入院20日目・最後の晩餐

朝、すっきりした気分で目覚めました。昨日の夕飯は、5分粥が少し多いようにも思え、自分でもびっくりしました。
断食の威力って本当にすごいのですね。それで、朝から忙しく過ごしました。まず、裸体操をし、洗面し、6時20分から機械室で運動。8時まで行い、先生の診察を受けました。
「うん、今回は本当によく宿便が排泄されましたな、これは大成功ですね。青木さん、本当に良かった!それで、このままベルリンに戻られたら、生菜食Bを来年の入院の時まで、つまり来年の8月まで続けなさい。そうすれば、途中で必ず甲田カーブが起こります。そうなって来年いらしたら、水断食ができる。そして一気に治しましょう。青木さんは必ず治る!」
もう、こんな素晴らしいことを言っていただき、心が満たされました!
うるうるです。感激して、何度もお礼を申し上げました。

「先生、ありがとうございます!! それで、いろいろ迷いながらでも、できるだけ頑張って生菜食を続けさせていただきますが、月に何度かすまし汁断食も行った方がよろしいのでしょうか?」
「いいや、ちゃんと生菜食Bができていれば、他のことはする必要はないです。頑張ってくださいよ~!」

は、はい!! 先生の励ましが心にしみます。でも、私の心の中では、「脱線をした翌日は、やっぱり前に先生がご指導くださったように、すまし汁断食をすべきなんだろうなぁ、先生は、私が全く脱線しない、というシミュレーションをしてお話してくださっているんだから、断食は不要とおっしゃるけれども、脱線をした翌日は、確か断食だったなぁ・・・。」などと、いらないことを考えていました。私にとっては、まだまだ大事な問題なのです、脱線・・・。

さて、その後恒例のお掃除。患者全員で院内のお掃除です。
私は、お世話になった病院へのお礼を込めて、お手洗いのお掃除をさせていただくことにしました。その後、青汁と赤汁を作って飲みました。それから昼の五分粥。身体を動かしてからの食事のなんと美味しいことか!!
感謝していただきました。食事中、Fさんからお話を伺いました。
「私はね、昨日の機械室での甲田先生の講演会に出席したんだけれども、100人くらいの人が全国から集まって来たのよ。テーマは高血圧、心臓、そして糖尿病だったのね。だから、私も甲田先生に言われて、少し前に出てお話させていただいたの。私の隣にいた方は、なんと広島からわざわざいらしたんですって! で、本当は診察を早く受けたいのだけれども、電話がつながらなくて、まだ予約もできない状態だそうなの。それでも、こうして院内の講演に遠路はるばるいらっしゃる。大変なことだと思ったし、それほど甲田先生に診察していただくことは幸運なことなのだと感じたわ。その先生が、私が今のりんご断食をあと1ヶ月、つまり5月いっぱい続けたら、高血圧は完治するっておっしゃったの!!」

まぁ! Fさんは、20年以上も高血圧の薬を飲み続け、これからも、一生飲まなければならないと言われていたのに、甲田先生の診察後、入院されて薬をやめてりんご断食をしているうちに、みるみる血圧は下がってきたのでした。それだけでも大満足なのに、甲田先生は、5月末までりんご断食を続ければ、完治するとおっしゃる!! これはなんて素晴らしいことでしょう!!
私は感激して聞いていました。
「私だったら絶対にやりますよ! 1ヶ月なんて、あっという間じゃないですか! 羨ましい限りです。えりんご断食は、何ヶ月も続けられると聞いているし、昨日の元宿直のA子さんだって、前にりんごを5週間続けてやったことがあるって言っていましたもの。りんご断食さえ続ければ、高血圧がすぐに治るなんて、素敵なことですよ。」
と言いましたら、まだ迷っている感じのFさん。外界に出てから、りんごを続ける自信が今ひとつないようなのです。

その後、亀井さんがギターをかかえてやってきました。約束通り、「小食の歌」を披露してくださるそうです。私達5人の患者は大歓迎いたしました。
その前に、少し亀井さんからいろいろな甲田療法に関する情報をいただきました。Fさんは、自分の今の状況を亀井さんに説明したのですが、亀井さんは、きっぱりと
「それは素晴らしいことですよ! 間をおかずに一気に治してしまうのがいいですね!!」
とアドバイス。亀井さんファン(?)であるFさんは、すっかりやる気になって、
「そうね、そうだわね! じゃあ、やっぱり私、5月末まで頑張るよ! やるしかないよね。そして治ったら、これほど素晴らしいことはないものね!!」
と前向き発言!

良かった~~!! そうですよ、せっかく先生がすぐに治るとおっしゃっているのですから、ここはひとつ、1ヶ月頑張るのがいいです。私も応援していますから、ぜひ完治してください、と言いました。そして、おうちでは、まだお赤飯は炊かないでいてもらった方がいいですね、食べられないから、とも付け加えました。

3時になって、亀井さんの弾き語りが始まりました。ハーフのM子さんも興味シンシン。
まず、私達に、亀井さんから曲の詩のプリントが配られました。「ええ!! す、すごい、この表紙のタイトル! Song of eating less!!」
 一体どんな曲で、どんな詩なのでしょうか!? 全7曲! 6曲が亀井さんの作曲です。そして1曲は、あの、前にご紹介した新井美姫さんの詩!とても前向きな詩なので、ここでご紹介させていただきます:

「花と星 風と君」(作詞:新井美姫)

感じてほしい 自分の中の
きらめいている 生命の芽吹き
励む毎日 大地を肥やす
家族の愛は 緑潤す

自然の恵み さんさんと
ふりそそぐ中 芽は伸びゆくよ
大きく強く 大空めざして
明日は未知 夢みよう
今は小さな 生命だけれど

歩けぬ花は 心なごます
語れぬ星は 空の目印
見えない風は 歌をうたうよ
それで幸せ 生きる喜び

キミの生命は 出会う人
強く優しい 気持ちにするよ
キミだからこそ できることがある
花と星 風とキミ
いらない生命 どこにもないよ

・・・美姫さんは、ご自分がベッドからあまり動けない身体であるにもかかわらず、私が異国でひとりで甲田療法を実践しているからといって、メールをくださり、励ましてくださいました。本当にありがたいことです。どの病気も、いいも悪いもありませんが、少なくても私は、こうして甲田医院に入院させていただけるだけの、自分で動く力はあります。そんな私を、逆に励ましてくださった美姫さん。
本当に素晴らしい方だと思います。どうか回復されますように!
必ず元気になると信じています!!
甲田先生もそうおっしゃったのですもの。 それなら私と一緒です。一緒に健康になりましょうね!! 美姫さん、ありがとう!

さて、その美姫さんの詩に、とってもきれいな旋律をつけたのが亀井さんでした。亀井さんは、ギターを弾きながら、歌を披露してくれました。一同、大感激!! 大拍手!! とってもスペシャルな日曜日!

それから次々にオリジナル楽曲が演奏されました。歌も高音で元気な声、そして前向きな感じが好感度大! 私が特に、個性的だなぁ、と感心したのが、「Red Rose (摂食障害の歌)」!!!
甲田療法をしている亀井さんのいろんな思いと、ラブソングが微妙にブレンドされた歌なのですが、愛を捧げる相手が甲田先生でもあるというところがミソ。ダブルミーニングになっていて、それはそれは独特な雰囲気のある歌でした。
Fさんなどは、感動のあまり、涙さえ浮かべていました。私は、亀井さんの詩に興味を持ちました。苦しい食餌療法をした者だけがわかる世界。う~ん、と唸ってしまいました。さわりをご紹介しますと:

何月何日誓いを立て
決心新たにまた始める
3日もたない 2日もたない
その日の4時にGive up!

どうにもならない しかたがない
雑巾かけても消え去らない
スプレーで真っ赤なバラを描き
ワックスでもかけようか

目にしただけでもうだめね
袋あけたら最後まで
麻薬のような誘惑
甘いものがやめられない
君の笑顔で助けて

・・・・

と、続くのであります。ああ、身につまされる内容!
でも、亀井さんは、すでにこのような状況から脱しているのです。もう、甘い物への執着はあまりないそうです。
もともとなかったのだけれども、高脂肪の肉や油であげたものが好きで、それを断ったことで、代わりになる高カロリーの甘い物をムショウに食べたくなっていた時の詩だったのですね。でも、今はちゃんと玄米粉を食べているのだそうです。

音楽を聴いた後、私達は亀井さんを囲んで、最後の晩餐とばかり、甲田療法のディナーをしました。亀井さんは青汁、赤汁、とうふに持参した玄米粉(黒砂糖入り)。私は五分粥とおとうふ。MさんとY野さんは玄米クリーム、そしてFさんとM子さんはりんご+みかん。限りなく小食のディナーでしたが、大変豊かなひとときでした。

入院最後のディナーは、とてもスペシャルに過ぎていきました。
亀井さん、本当にどうもありがとう!! とっても励まされました!! いつかご恩返しができるような私になりたいと思います。とにかくまずは、私が元気になることですね!! 他の患者さんと共に、健康を取り戻すことを誓ったのでした。

明日は、朝10時には退院します。明日の朝、8時の甲田先生の診察が最後となります。どんなお話をしてくださるのでしょうか?