2008-09-21

間違いだらけの歌

来月渋谷である頭脳警察のライブのチケットをゲット。
頭脳警察は、今月末に関西方面でワンマン、そしてフラワー・トラベリン・バンドとのジョイント・ライブがある。これはとても観たかったんだけど、特にフラワー・トラベリン・バンドとやるやつ、まあでも、諦めて。
それは、いずれ東京でもやるだろうと思っていたからなのだが、東京でのライブの予定が全然発表されない。勘弁してよ関西だけかよとか思っていたら、不意に決まっていた、東京ライブ。
頭脳警察を観るのは、2001年の再結成以来だ。あのときは、野音の復活一発目、そして渋谷AXのワンマンを観にいった。
2001年野音のライブを収めたDVDを見直すと、今年発表されたシングル『時代はサーカスの象にのって』のカップリング曲『間際に放て』が既に披露されている。
そう考えると、そろそろ新曲を「まとめて」…つまりアルバムを、という気持ちになってしまうのだけど。ま、それは、ゆっくり待つと、しよう、かな。

中学の頃、中古屋で頭脳警察のオリジナル・アルバムはメチャ高かった。1枚1万円近くして。あとファーストなんか、もう一生聴けないんだろうなと思っていた。
だから、当時唯一普通に買えたベスト・アルバムと、新宿ディスクユニオンで、デッドストック放出されたセカンドアルバムの再発盤。これを繰り返し聴いていた。
ハードで知的な言葉と、ザラついた音色がたまらなく胸を掻き毟る。
『間違いだらけの歌』の焦燥感が、とてつもなく「リアル」に響く。
『銃をとれ!』のイントロのギターは、それまで聴いたどんな音とも違って聴こえた。うまい・へた。きれい・きたない。これらを超越して届いてきたのだ。あのザラつき感、当時の録音状況もあったんだろうけど、この感じを、あれこれ色んな知識が入ってくる前の、ガキんちょの内に聴くことが出来たのは本当に豊かな経験だった。

90年はじめに再結成。新譜が出て、過去のアルバムもCD化される。
オリジナル・アルバムを聴いていくことで、「過激」とかだけじゃない、繊細だったり、あまりにもシュール過ぎたり、幻想的だったり…イロイロな面を知ることができた。
そして20世紀が終わると、何とファーストがCDに。さらに数年後には70年代のライブの模様を集めたボックス・セットが出た。
頭脳警察のアルバムは、中古屋で普通にCDが千円台とかで買えるようになった。アナログ盤ですらも、まあ常識的な値段で。
これらの顛末、中学の頃の俺に教えてあげたら、泡吹いて死ぬな。確実に。

2001年の6月。野音で観た頭脳警察。ソウル・フラワー・ユニオンなんかが対バンだった。思ったよりはお客さんは入っていなくて、「えぇ?」なんて気分で、6月にしては肌寒い夕刻だったのを覚えている。
ライブが終わって、当時付き合っていた彼女の部屋にいって、メシを食わしてもらった。「ロックファンは何やってんだよ?!」なんて会話したりして。
その翌月に彼女が死んで、その年の夏は、何をしていたのかよく覚えていない。
で、9月になって、AXに頭脳警察を観にいった。記憶にある限りでは、これが外出を再会し出した始まりじゃなかったかな。

俺自身、もう20年も聴きつづけているバンドだ。その間にはまあイロイロあるって話だ。
でも、世界婦人に何度目かのさようならを告げて、俺も30を過ぎた。こうして頭脳警察のライブを観ることができるっていうのは、何だかとっても嬉しいことだと、思う。