2008-05-29
大塚のラブホテル
JR山手線の、巣鴨駅と大塚駅の間を山手線の線路に沿って進む。とある日の23時ごろ。
下り坂が多くて、自転車で通過するには好都合。
巣鴨近辺の呑み屋が並ぶ通りから、住宅街へと入っていく。
と、目についてくるのがラブホテルだ。
場所柄、昔ながらの、とか、くすんだ、とか、そうゆうのを想像しがちだけど、意外と豪壮な建物もあったりする。
つうか何かこの辺って、ラブホテルが多いのな。
JR線でいえば大塚駅。そこからちょっと外れた通り。民家と、あと飲み屋とかが若干ある、ハレかケでいったらケな一帯。ゆるやかなS字型の通りを進んでいくと、あ、またあったよ、ラブホテル。ここにも、そこにも。
街にラブホテルは付き物だけど、うーん、ちょっと多いと思うんだよな。
充実度でいったら池袋以上じゃないか。
この辺り一帯におけるセックスの需要は、いったいどうなっているんだろう。
ひょっとしたら、出張型風俗の利用が多いのかもしれない。
そう、都の条例だか知らないが、店舗型の風俗店が激減したことで、風俗店はホテルへの出張型が多数を占めるようになった。ラブホテルから出てきたカップルで、出てすぐ別れ、そして女の方が携帯を出してどこかに電話をかけ始めたら、ま、出張型風俗だと思って間違いない。
そうそう、新宿・歌舞伎町を裏通りを歩いていたときのこと。通りの真ん中に女が1人立っていた。何だ?と思っていたら、目の前の雑居ビルから男が出てきて、その女と探りあいの微妙に混じった会釈を交わして、2人、手をつないで歩いていった。で、近くのレンタル・ルームに消えていく。
ほお、先に客がホテルにチェックインして、後から女が来るという形態だとモロに風俗とバレてしまう。ホテルの中ではそうゆうのを避けたいこともあるから、こうやって外(それも店の前)で落ち合って、そこからホテルに向かうのか。勉強になった。
て、ま、どうでもいいか。それ以前に、読んでいる人に、まったくもってどうでもいい知識をインプットしているなぁという自覚は勿論ある。事故のようなものだと思って諦めてほしい。
そういえば、最近読んだ本『新・都市論TOKYO』隈研吾・清野由美(集英社新書)。この本は対談形式が多くを占める本なんだけど、その中で隈研吾がラブホテルをラブホと略称で呼んでいたのが、何だかチャーミングだった。
ラブホテルと呑み屋を横目に通りを抜けると、もうJR大塚駅前。都電の線路が路上を横切っている。
駅前のブックオフ。ここで、70年代に新潮社が出していた戯曲シリーズ・書下ろし新潮劇場の『天保12年のシェークスピア』井上ひさし を100円でゲットできて嬉しかったのは、もう5年以上前か。
俺も20代で、殆ど仕事もしてなくて、当時付き合っていた彼女とチャリこいで、ここに来たのだ。
大塚駅から、春日通に出て、池袋の東口を目指す。その途中にあるマンションに、付き合っていた彼女は住んでいた。
そこから歩いていける距離の、池袋の風俗店に勤めていた。
いま思うと、その部屋は店が「寮」として契約していた部屋だったのかな。
7階の部屋から眺める夜景が、結構よかった。
夜景を眺めながら、彼女のはなし、中学生の頃に1人学校も行かず上野駅近辺を歩きタバコでブラブラしていたら補導された、などというコクのあるエピソードに耳を傾けていた。
一応彼女は、平成の女子。上野っていうのが、シブいじゃないか。
でも、そんなコクやシブさ。それを大塚近辺のラブホテル街を見て、その一帯におけるセックス比率に思いわずらってしまう俺のような人間が受け止められるわけがないのかもな、なんて。
そんな、今更ながらの感慨。