2003-09-26

第5回 広告効果の測定

●自分の仕事をきちんと説明する責任
 
この連載を始めるにあたって書いた「まえがき」でも触れたように、自分の仕事についてきちんと説明するのは重要な仕事だと考えています。それもできれば主観だけではなく、なんらかの客観的なデータなどを提示すべきであると思います。大げさなことが出来るわけではないのですが、広告の効果をきちんと測定するというのはそういう意味でも重要な仕事であると思っています。
 
 
●広告効果の測定は必要か
 
少ない予算でより効果的な広告媒体や原稿を押さえていくために、何らかの方法で効果を測定することは必須だと思っています。販売促進活動や媒体費の発生しない広報活動についても同様の検証が必要だとは思いますが、今回は、広告=何らかの媒体に費用を支払って掲載してもらうもの、についての効果を弊社ではどういう資料を使って判断しているのか、具体的な方法についてまとめてみます。
 
 
●広告効果の測定は可能か
 
「広告効果はわからない」という方もいますが、それでは何も始まらないと思います。確かにマーケティングのプロがやるようなことは出来ない(し、する必要もない)と思いますが、出来得る範囲で、無理のない程度のことはやっておきたいと考えています。ただし、この手の仕事は「手段と目的」が混乱しがちなので、効果を測定することが目的にならないように常に注意しています。
 
 
●具体的な方法の前に
 
もし非常に効果の高い広告を打つことができれば、いちいち効果の測定などに頭を悩ます必要はないと思います。そういう広告であれば電話もかかってきますしFAXもどんどん流れてきます。ですので、効果で悩むのはあくまでそこまでの効果がなかった、もしくは効果はあったが微妙な感じ、である場合になるかと思いますので、その辺はご理解ください。
 
 
●具体的な方法1 実売データ(日次)
 
Publine・WeBRAINなどの日次で取れる実売(POS)データは、広告効果測定には最適だと思います。Publineについては、立ち上げから1年後に行なわれたイベントで草思社の渡辺さんが広告効果測定に使われている具体的な事例を発表されました。それの受け売りですが、単純に日次の実売累計をグラフにしていくだけでも変化は明瞭にわかります。非常に役に立ちます。
 
 
●具体的な方法2 実売データ(月次)
 
P-Netなど月次で取れるデータは、ピンポイントでの効果測定には向きませんが、それでも役に立ちます。大きな影響のあった広告であれば月次単位でもその変化はわかります。
 
 
●具体的な方法3 Webのアクセスログ
 
弊社ではASAHIネットの「独自ドメインサービス」というホスティングサービスを使っているんですが、ここで提供される生ログをダウンロードしてanalog(解析用フリーソフト)で簡単な解析を行なっていました。が、残念なことに、ここで提供される生ログにはリファラ(アクセス元)の情報が含まれていません。アクセス数の増減だけでも広告の効果を測定できると思いましたが、プレスリリースなどを流すようになってから「どこからアクセスされているのか」をリアルタイムで知りたいと思い、アクセス刑事(というソフト名です)を導入しました。無料のサービスですが、アクセス元がしっかり、しかもリアルタイムで確認できるため、特にネット上での広告活動などの効果測定について効果的です。ネット上での広告・販促活動についての効果測定は、やはりログの解析に勝るものはないように思います。
 
 
●具体的な方法4 オンラインでの注文数
 
弊社でも一応オンライン注文を受けつけておりますが、新聞広告などで上手く効果が上がると注文がどっと増えます。ただし、最近は専業のオンライン書店に流れるお客さまが多いようで、弊社への注文が大きく変化するということは減ってきました。最近はアマゾンでの自社商品の売行きランクをチェックしています。このランクは1時間おきに更新されているようなので、ある程度のスパンでチェックしていれば広告の効果測定にもなると思います。
 
 
●具体的な方法5 書店からのリアクション
 
古典的ですが、本当に効果のある広告の場合、FAXや電話など書店の反応は非常に早いものがあります。さらに、営業に行った書店さんで「この前の広告、見たよ」などと言われるとやはり単純に嬉しいですが、なかなかそういう機会はありません。
 
 
●具体的な方法6 納品数
 
かなり時間がたってからになりますが、じわっと効いてくるような広告の場合、月単位での納品数などに変化が現れる場合も多いようです。弊社の場合、取次各社さんに在庫を持っていただいているんですが、効果のあった(と思われる)広告の場合、直後の在庫分の発注は増える傾向にあるようです。
 
 
●具体的な方法7 バナー広告の表示数
 
これはつい最近までやっていましたが、そろそろやめようと思っている方法です。
弊社ではバリュークリック社のバナー広告を掲載していました。あわよくば広告収入、と思っていたのですが、現実はそんなに甘くなく、いつまでたっても支払い金額に達しない日々が続いていました。このバナー広告のシステムは良く出来ていて、バナーの表示回数を簡単に調べられます。つまり、表示回数が多ければ多いほどWebへのアクセス数も多い、ということになるわけで、これを利用して効果測定も可能でした。が、最近はページを覆うようなタイプの広告が増えてきており、少々うるさく感じていました。ようやく最近支払い金額に達したので、これを機にバナー広告の掲載は止めようと思っています。
 
 
●変化が重要
 
日次の実売データなどを見てみると良くわかりますが、月次の合計が同じであっても日次の売れかたは全く違う場合があります。そういった変化を発見すると同時にその変化のきっかけを確認するという作業が「効果の測定」であると考えています。もちろん広告ではない他の要素が変化を起こす場合もあります。変化の原因がなんなのか(広告宣伝や販促など自分達の営業活動の影響なのか、それともその他の外部要因なのか)で、その後の打つ手は変ります。ですので、小なりと言ってもきちんとした効果測定には気をつけているつもりです。