2005-03-16

森田健作のオカマ発言とフランス

日本に住むゲイの知人から知らされたのですが、堂本あき子さんが千葉県知事に再選されたそうですね。僅差の勝利ですから、森田健作の「オカマ」発言を聞いて、激怒した人たちによる運動の成果もあったのでは……と思われます。

フランスでは、同性性愛を蔑視する発言を国会議員がした場合、議員辞職を求める声が国会議員の中からあがります。人種差別も同性性愛者差別もともに、恥ずべきものだという認識が浸透しています。シラク大統領も再選の折には、ゲイの人権擁護を主張しました。

フランスでゲイの問題が「政治的争点」(Political Issue)と扱われるようになった要因の一つが、同性性愛者のロビーイングの成果です。日本でも、政治家が性的少数者への蔑視発言をしたときには、声をあげるほうが効果的でしょう。

昨年の米国大統領選挙では、ジョン・ケリー氏が同性愛者の権利擁護を口にしました。「ホモ嫌い」(homophobia)の強いアメリカで公言したわけですから、たいしたものです。2000年だか1996年の大統領選挙の折、民主党よりもはるかにリベラルといわれているラルフ・ネーダー氏ですら、同性愛者の権利について質問をされたら争点ではない……ということから、明言を避けました。ケリー氏はワシントンにどっぷり浸かった老獪な政治家でしょうが、死刑制度についても疑義的ですし(死刑廃止論者でしたが、テロリストについてはこの限りではないと、云いました)、「価値観」(=value)はヨーロッパ的です。

ところで、最近、気になっていること。

フランスではカツラの広告をあまり見かけません。フランス人何人かに「薄毛」について質問したことがあるのですが、日本ほど薄毛へのコンプレックスが強くないようです。薄毛のフランス人に、日本ではバカにされることもあると云ったところ、「じゃあ、私が日本で生活すれば、バカにされるのかな?」と、不思議がっていました。