2005-03-15

シラク大統領と相撲

相撲といえば、フランス共和国のシラク大統領! いずれ、このブログで詳しく書くかもしれませんが、シラク大統領の日本への傾倒は相当なものです。日本文化への造詣は深く、もしも

「今年は松尾芭蕉の没後から何年か」
「縄文土器と弥生土器の大きな違いは何か?」
「元寇の折、日本が二度、勝利したのは、はたして、神風のためか」

 という質問に答えられないようであれば、シラク氏に日本文化の知識をひけらかすことはやめたほうがいいでしょう。某テレビ局の在仏・日本人ジャーナリストに聞いたところ、日本の政治家・大臣がシラク氏と会う場合に、在仏大使から、

「日本文化の話をふらないほうがいいですよ」

 と警告されるとか。生半可なことをいえば間違いを指摘され恥をかくだけだ……ということから、やめろというんだそうです。

 日本の美術品がパリで展示されシラク大統領が視察するとき、日本大使館職員が同行するのですが、質問があまりにも専門的すぎるため、大使館員が答えに窮することもあるそうです。
 
 シラク大統領の来日回数は44回です。これまで、公式訪問として記録されているのは、

・ 1976年 公賓(首相)
・ 1986年 東京サミット(首相)
・ 1994年 横浜エイズ会議(8月)、高松宮殿下記念世界文化賞授与式(10月)
・ 1996年 国賓(大統領)
・ 1998年 「フランス年」のため公式に訪問
・ 2000年 九州・沖縄サミットで訪日

 の7回ですから、37回はプライベートな訪問といえます。若かりし頃から政界の出世街道を歩いている多忙のシラクさんが遠い島国に44回も来る機会がよくあったものです。

 大統領に就任する一年前の94年には、お忍びで一ヶ月間も日本に滞在しています。その際、江ノ島に滞在したり、松尾芭蕉の「奥の細道」のあとをたどったりしたそうです。
 なぜかくも多く訪日するのか、何か特別な理由があるのでは?と前々からいわれておりまして、「日本人に隠し子がいる」という噂が繰り返し流されており、しかし噂されてもフランスのジャーナリズムでは、誰も追おうとしないため噂のまま終わっております。いや、在仏の日本人ジャーナリストの間では噂は事実だといわれていますから、フランス人の記者は知っていて、報道しないだけなのかも知れません。ミッテラン前大統領に隠し子がいたことは大統領就任の1981年の時点でジャーナリストに知らされており(本人が記者の質問に答えて認めた)、しかしながら、国民が知ったのはそれから13年の1994年、『Paris Match』誌が暴露したためです。

 ちなみに、硬派系経済雑誌「L’EXPRESS」誌の05年2月14日・発売号で「シラクの秘密」と題された特集が組まれており、「日本に息子がいる」噂について、紹介しています(同誌31頁)。

 さて今月、シラク大統領は来日します。3月26日〜28日から「公式日程として!」滞在すると発表されています。愛知万博を視察するのですが、相撲を見るのも楽しみにしているとか。シラク氏の「相撲狂」ぶりは日仏で広く知られております。大統領府には相撲の結果がほぼリアル・タイムで届けられているそうです。

このエントリへの反応

  1. その後に来日予定のダライラマ氏と会合をするのかもしれませんね。

  2. シラク大統領の日本好きがここまでだとは知りませんでした。