2005-01-13
100%ゲイ
フランスに留学すると知人に報告したところ、「健さんの世界を勉強しに行くの?」 と、冷やかされた。健さんとは高倉健さんではなく、『伝説のオカマ』東郷健さんのことであり、健さんの世界とはゲイのこと。彼の半生を綴った『常識 を越えて』(ポット出版)を私が上梓していることにかけて、からかったのだ。
美輪明宏さんやカルーセル麻紀さんといったセクシュアル・マイノリティの芸能人が、パリの華やかさを賞賛していたのをしばしば耳にする。パリをして 「ゲイの都」という人もいる。新宿二丁目よりも華やかで艶やかなゲイ・タウンがパリでは栄えているのだろう……ぐらいの想像力しか、渡仏する前には持ち合わせていなかった。 フランスのエリート養成学校たるグランゼコールの一つ、『リール政治学院』の夏期集中セミナーに参加するため、私は渡仏後、まずフランス北部の都市 リール(Lille)で暮らした。リールの中心街は古い町並みを保存してあり、まるで半世紀前のヨーロッパのモノクロ映画に出てくるような落ち着いた街であった。 時間があれば私はその付近を歩き回り、文化の香りを吸った。
リールで暮らし始めてから何日かたった頃、昼食を終えていつものようにぶらぶら散歩していたときに、『100%ゲイ』と書かれたポスターを見つけ た。よく観察すると、ゲイの出会いを紹介するポスターのようだ。町中で、ゲイの出会い系ポスターが公然と貼られているとは、さすがフランスだなーと感心した。その話を同じセミナーに参加していた知人にしたら、最近リールではゲイパレード”Gay Pride”があったと、彼女はいった。パレードがあったから、ポスターが貼られたというわけではあるまいが(後に確認したら、リールでのパレードは 一ヶ月ほど前の2004年6月5日にあったことが分かったのだが)。
フランスに来たばかりで、心して探検・散策する余裕がなかった為かこのポスター以外に、リールではレズビアン&ゲイの存在を感じることはなかった。
その後、古城が多く存在することで有名なトゥール(Tours)、そしてパリに移り住んでから、日々の生活でレズビアン&ゲイの存在を感じることがままあった。同性性愛者が社会にとけ込んでいる、少なくとも日本よりはゲイなりレズビアンが顕在化しているように思えた。
そのことは追って報告したい。
開店おめでとうございます。今まで私のみが楽しんできた及川君のレポートが広く見られるようになって、私としても喜んでおります。
19世紀の後半から20世紀の前半にかけて、フランスではリアーヌ・ド・プージィという人物が脚光を浴びてました。べルエポック最大の美女と称えられる彼女は娼婦であり、役者でもあり、社交界の華でもありました。
江戸時代ならともかくも、あるいは明治以降、地位が向上した芸者ならともかくも、近代において、このような娼婦が出てくることは日本ではちょっと考えにくく、どうやらその秘密は「クルチザンヌ」という高級娼婦の存在にあるようです。江戸時代の高級遊女「傾城」「花魁」をさらに高級化したようなもののようですが、こういう存在を確立していたフランスというのはなんなのかなと。
私はフランスに行ったことがないのですけど、とても気になる国のひとつです。ゲイのことのついででいいので、売春についても報告してください。