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[第8章●地理情報コミュニケーション] 11… Google Mapはすごいぞ |
[2005.07.16登録] |
石田豊 |
ネット上の地図サービスの分野で、ある意味決定版とでもいえるサービスが始まっている。検索エンジンのGoogleによるGoogle マップがそれだ。 まず、上のリンクをクリックすると、日本列島を中心にした白地図が表示される。左側にはゲジゲジのような「スライダー」がついている。この地図をドラッグすると、地図は前後左右に(東西南北に、というべきか)スムーズにスクロールする。 例えば、大阪のところをダブルクリックすると、そこがセンタリングされる。その状態でスライダを上に少し動かす。すると大阪周辺のより大きな地図が表示される。どんどん動かしていくと、どんどん大きくなり、最終的には都市部においては個々の建物の形がはっきりするくらいまで拡大できる。 どのスケールにしても、マウスで左右にドラッグすることで、スムーズにスクロールできる。スクロールはマウスだけではなく、上下左右の矢印キーでも可能だ。どちらかというと、そっちのほうが扱いやすい。拡大縮小もプラスキー、マイナスキーで可能(キーボードによりダメなものもある)。 よくある地図サイトでは、地図画面の領域が小さく限定されているものが多いが、Google Mapはウインドウサイズに応じて大きくなる。大画面モニタを使っているなら、とてもでかい地図を見ることができる。小さいモニタであっても、ブラウザの「文字サイズを小さく」メニューを実行することで、すこしは大きめの地図画面になる。 出自が検索エンジンであるから、例によって、画面最上部には検索窓がある。ここに地名や組織名を入れると、その場所にどんぴしゃジャンプする。こころみに任意の住所を入れられてみよ。 まだまだこれはβ版であるためか、検索結果はときどき「?」なこともあるんだけど、それでもびっくりするほど細かいものもヒットするはずだ。 検索も、今見ている地図と関連させて見ているわけで、たとえば日本全土が見えているような状態で「三越百貨店」と入れてもノーヒットであるが、新宿あたりを表示させている状態で検索すると、都内の三越百貨店(だけでなく小田急とかもひっかかるのはナゾだが)にピンが立つ。 この状態で、「大阪」とすると、もちろん地図は大阪府を表示するようなものにかわるが、そこで同様に「三越百貨店」とすると大阪市内の三越関係が表示される。 今いる場所を表示する。そしてそこで「ガソリンスタンド」と検索すると、ご近所のガソリンスタンドにピンがたち、「レッドロブスター」とか「ロイヤルホスト」ってやると、その店に。 おお、すごい、と、調子こいて「書店」ってやってみると、なぜかはわからないがいきなり「山口県萩市大古魚店町」にジャンプする。なんでやねん。 しかし、これはぼくの操作が間違っている。こういうことをしたい時には、ホントは画面一番上にある「ローカル検索」を使う。地図を出しておいて、ローカル検索で「書店」とやればいい。おんや、こんなところにも本屋があるんか。 ローカル検索はかなり使える。阿佐ヶ谷駅まで来て、せっかくだから若松屋によって行こう。さてどこだっけ。「ローカル検索」を使うと、弊社にハタが立つ。原宿あたりを表示しておいて「ポット」とするとポット出版が。 検索についてはまだまだ言わなきゃならないことはいっぱいある。本気でやったら本一冊分くらいの分量になるかもしれない。今回は「どうやらものすごく革新的なことを考えているようだぞ」というだけに留めておきたい。今後のよりいっそうの深化がとても楽しみだ。 地図右上にある「サテライト」ボタンをクリックすると、今見ている地図が衛星写真に早変わりする。なんだかむちゃくちゃうれしい。 しかし、この地図のもっともすばらしいところは、これが「日本地図」ではないというところだ。スライダを目一杯下に下げると、世界地図になる。世界地図上でヨーロッパやアメリカをダブルクリックして選択し、そこでスライダをあげていくと、その土地のより詳しい地図が表示される。ヨーロッパ、アメリカの主要部なら、渋谷と同じ程度まで詳しく表示される。 残念なことにアフリカやらアジアは大陸の輪郭程度の情報しかない。台湾や韓国、オーストラリアやニュージーランドまで地図が用意されていないのは残念以外のなにものでもない。これも今後の深化が楽しみなところ。それでも衛星写真はある。検索欄に「Sydney」あるいは「Lima」もしくは「北京」とすることで、その場の衛星写真が見れる。 すんげえなあ。 もっともっと進んでいって、世界のどこの街でも同じような精度で地図が表示されるようになればいいのだけれど、これはなかなか難しいだろう。というのも、日本の部分の地図データを提供しているのはゼンリンであるからだ。先立って地図データがなければこのサービスも成立しない。そういう地図データが世界のどの地域でもあるわけではない。どうにかならんか。ま、この件に関しては、ちょっといい話がなくもないんだけど、それはまた別の機会に。 ともあれ、ワンストップでシームレスにワールドワイドの地図を使える環境が作られつつあることに、心から興奮を禁じない。 そのうえ、この地図の興味深さは以上述べた事柄だけにはとどまらない。GoogleMapをカスタマイズして情報発信が可能であるのだ。つまり、この地図はただ「消費者」として眺めるだけではなく「生産の材料」にもなりうる。 LONDON TERRORIST ATTACKS : 7 July 2005というサイトがある。その名前からもわかるように、先日のロンドンでの地下鉄爆破事件を取り扱っているページだ。トップページの真ん中のウインドウには、先ほどからおなじみのGoogleMapのデータが表示され、爆発関連の7カ所にピンがたっている。 大事件が発生すると、このような地図は新聞やテレビに見飽きるほど掲載される。しかし、このページのように、データの元がGoogleMapだと話がまったく違ってくる。なにしろ衛星写真モード、地図モードに切り替えられるだけではなく、近くへぐんぐん寄っていったり、ずんと引いてみたりすることができる。事件の現場がどのような場所であるのかのイメージが全然違ってくる。 この見方は「消費者」のそれである。しかし、こういうページを「生産者」の目で見ると「こんなんできるんか」ということになるでしょ。なにもこれは外国の話だけではない。日本でも同じようなことをやっているサイトはいくつも登場してきている。これを実現するための技術は、そう難しい物ではないようだ。時間が取れたら自分でもやってみたいと思っているんだけど、じゃあ、なにをやるんだというコンテンツが思いつかない。 でも、わくわくするじゃありませんか。 |
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鈴木雄介さんより [2005-07-19] |
すげー まだ10分くらいしか触ってませんが、、、こりゃエライもんが出てきましたな。ただ、衛星写真がちょっと古いか?。中野坂上にはビル二本しか建ってないし、、、。まあ、そんな細かいことはどうでもいいと思えるほどすごい。MapFanNetに年間2000円ばかり払ってますが、ちょっと次の契約更新を思い留まらせるに十分な威力あり。 |
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