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[第3章●インターネットはこう使う]
5… 官公庁サイトの検索エンジン
[2003.11.06登録][2003.11.07更新]

石田豊
ishida@pot.co.jp

前々回に書いたように、ここのところ、中央官公庁のwebコンテンツは、いささか混乱気味という感じで、前にはあった情報が今はなくなっていたり、探しにくくなったりしている。これはちょっと困ったことなんだけど、そのうち直ることだろうと、楽観視はしている。

余談になるが、数年前にいくつかの中央官庁のweb担当官にインタビューをしたことがある。その中で経済企画庁の担当者(この人がもっとも「わかって」いた)に、それまで感じてきた疑問をふたつぶつけてみた。ひとつは「インターネットにアップする情報を、どういう手順でオーソライズするのか」。つまりいつどういう内容の情報をアップするかを誰がどのように決めるのか、ってこと。

もうひとつは「なんで一私企業の製品であり、それを持っていない人には見ることのできないファイル−−つまりワードやエクセルですね−−を多用するのか。おかしいんじゃないのか」。

このふたつの疑問は、答えを聞いてみると、じつは元のところでつながっているのだった。

公表/非公表というのは、どこかの部門で一元的に決めているわけではなく、各担当者のところで何をどのように公表するかってのは半ば自動的に決まっているというのだ。だから、それをインターネット上に上げるのは、いわば担当者が勝手におこなう。コンテンツも各担当者が作ってきたそのままであることがほとんどだというのだ。

だから、必然的に、各担当者のパソコンスキルがwebに直接反映してしまう。民間企業だって、平気のへーでワードの書類を送り付けてくるでしょ。べつに彼らはマイクロソフトの走狗であるというわけではなく、たんに無邪気に無知なだけであったのだった。

「理由を述べて使うなと<指導>するようなことでもないですしねえ」

担当官は苦笑とも見えるような表情で答えた。

「そのうち少なくなっていくと思っています」

それから数年。なんか状況はますます悪くなっているように思わないでもない。Webにアップされているコンテンツそのものは、非常に増えてきているのだが、逆にそのことが混乱を生んでいるように思う。いま官公庁に求められているのは、webリテラシーだろうと思う。

とは言うものの、官公庁のサイトには他で得難い情報が多量に含まれているのも、依然として事実である。

しかし、この中央官庁サイトの中のコンテンツは、なぜかGoogleでは検索できないことが多い。そこで、官公庁サイトの検索には専用の検索エンジンを使う。それが電子政府の総合窓口 -ホームページ検索-だ。

官公庁コンテンツの検索システム


いささか古くさい検索システムなんだけど、これを使えばGoogleなどの一般の検索エンジンではひっかからない官公庁サイトのコンテンツが検索できる。

調べものをする際には、ためしにここでも検索を行ってみるといいと思う。

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ひだかさんより
ご意見いただきました

[2003.11.07]

どうでしょうか

世の中の多くの情報がword、excel、pdfになっているのは嘆かわしい限りですが、版元ドットコムやっていると結構資料をexcelで配布、とかよくやっちゃうんですよね。webリテラシーは奈辺にありや。namazuとかだと、こういったファイルの中身は検索可能になっていたような。議論を細密にするのであれば、この問題は「私企業のプラットフォーム依存が悪い」「素直な生テキストでないので再利用が困難である」の2点にわかれると思います。前者については、検索エンジンが内容を読めるようになり、OpenOffice(およびいくつかのオープンソース系Officeスイート)が一応の対応を果たした今、それほど目くじらをたてる問題ではないかな、と。「素直な生テキスト」については……うーん、私の手にはあまります。HTMLって生テキストぢゃないしなあ、もはや。

____

ありがとうございます。うーん。コトバ足らずでしたかね。私企業が何を使おうといいんです。私企業は客を選べるから、版元ドットコムがエクセルデータを使おうと、exeファイルを使おうと、これはなんでもありだとおもう。

しかし、公的な機関は「客を選ぶ」ことができないから、そういうところは神経をつかうべきだとおもうのです。

いっぽうでは総務庁がアクセシビリティ向上のためにいろんな施策をおこなっている(たとえばみんなのウエッブ参照)にもかかわらず、多くの官公庁サイトでは、そのあたりに無神経というのがイカンのやないか、と思うのですね。

アクセシビリティってのは、なんもMacとかLinuxで読めるのかという問題にとどまらず、本筋は点字ブラウザだとか音声ブラウザってのが含まれてくる、ってことになります。

ってことになると、現実的には「すべてのユーザーエージェントをテストすることはできない」わけですから、W3Cのお約束に沿うというのが唯一の対応になってくるとおもうのです。

そんなん、書生論やん。とおっしゃるかもしれない。しかし、そういうトコに機関の姿勢がはしなくも現れてくるわけで、かつての東京都のサイトは非常にそういうことに気を使っていたが、石原都政になってからはxlsファイル遣い放題に替ったということからも、それは見て取れます。

大阪市のサイト(統計情報を見てください)は、いまでもちゃんと配慮しています。同じファイルをxls形式とcsv形式のふたつを並べてアップしてあります。

だから、ね。せめてtableの使用は控えたいねっていうささやかな思いにつながっていくわけ>日高さん(石田)

新井さんより
ご意見いただきました

[2005-10-16]

サイトが変わってます

電子政府の総合窓口 -ホームページ検索-が、リンク切れだったのでGoogleで電子政府で検索したところ一発で当たりました。
http://www.e-gov.go.jp/

添付ファイル形式には確かに汎用ファイルも付けるべきだと思いますが、強者(悪貨)が支配する世の中、仕方ない気もします。気に入らないのは確定申告など政府関連のWEBアプリケーションはWin版しか出さないことが多い。Macユーザとしてはこれらも世の趨勢かと時々自虐的なつぶやきを漏らしています。

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