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[第3章●インターネットはこう使う]
1… ブックマークをメモ付きテキストファイルに
[2003.09.18登録][2004.07.19更新]

石田豊
ishida@pot.co.jp

どんなことにも不満は生じる。ブラウザの「ブックマーク」でも、そうだ。

検索の結果遭遇したり、リンクからたどってきて見つけたりした「今後もまた見るべきだ」と感じたページを「ブックマーク」する。ブラウザによっては「お気に入り」と呼んでいる場合もある。

ブックマークは便利である。というより、これがなければ、Webの有用性はがた落ちになってしまう。

しかし、このブックマーク機能にもまた不満がないわけではない。私の感じる不満はおもにふたつある。まず(1)メニューがあまりにも長大化して取り扱いが不便になってくること。そしてそれぞれのブックマークが(2)いつ何のために登録したんだかよくわからなくなってしまうことである。

ページをブックマークする「契機」は私の場合3つのケースがある。(A)ページを常用するためにブックマークする場合。たとえばニュースサイトだとか新聞だとか、その他毎日のように見る、もしくはこれから見ようというようなページ。または時刻表とか用語辞典のように、頻繁に使う(であろう)ページ。これがもっともオーソドックスなブックマークの動機だと思う。

(B)後でもういちど読もうと考えたページ、も取りあえずブックマークしておく。他の目的でWebサーフィンを行っている途中で見つけたページなどで、今は目的が違うとか時間がないとかでちゃんとは読めないけど、後でじっくり読んで見たいと思わせるものがある。これは読んだらブックマークから削除しておくのがスジなんだろうが、それは面倒なので、ついつい怠りがちになる。こういうのがたまることでブックマークメニューがどんどん使いにくくなる。

あるひとつの興味関心でいろいろなwebページを検索して読むことがある。シゴトのために始めることもあれば、私的な関心で行うこともある。たとえばある人物に関心を持って、その人物名で検索を行うことからはじめる。あっという間にいくつもの興味深いページにぶつかる。略伝が記されたページもあるだろうし、関連書籍のリストが完備しているページもあるだろう。また写真が掲載されているページも見つかるかもしれないし、直接は関係ないけど、周辺の珍しい話題が含まれているページもあるかもしれない。こういう調査の過程で見つけたページはブックマークの中にフォルダを作ってその中にいれることになる。つまり(C)特定の調査の過程で見つけた一連のページのブックマークだ。

この「動機」のAとBが、本来のブックマークの使い方であるのだろう。つまり、常用のものと読みかけのもの。読みかけのものは読了後にはブックマークリストから削除しておくのが嗜みであるのだろうと思う。

問題はCだ。

これをどうするか。

ブックマークリストには、ページのタイトルとURLだけしか記述されないので、しばらくたつと、そのページの内容がどうであったのか、まったくわからなくなる。テーマ別にサブメニュー化してあるが、それでも、さっぱりだ。

要は、日付と簡単な内容メモがついたブックマークリストがあればいい。ブラウザ側にその機能がないなら、作るしかない。

しかたがないので、下記のようなAppleScriptを作った。AppleScriptは「スクリプトでアプリケーションの動作を操れる」というMacのシカケである。DOSのバッチファイルのようなものと言えば、オールドボーイのみなさまには理解していただけるかもしれない。その上、どんなことでもできる、わけじゃなく、アプリケーション側があらかじめ準備してある機能・操作しか操れないし、もとよりMacだけでしか使えない。

ともあれ、こういうの

tell application "Internet Explorer"
set urlInfo to GetWindowInfo -1
end tell
tell application "Jedit4"
activate
insert return at document 1
insert "◆" at document 1
insert item 2 of urlInfo at document 1
insert return at document 1
insert item 1 of urlInfo at document 1
insert return at document 1
end tell


このスクリプトをMac OSに付属している「スクリプトエディタ」というアプリケーションで書き、実行可能形式で保存しておく。で、ブラウザ(この場合はInternet Explorer、しかもMac OS X版)でとあるページを見ているとする。そこでDockに登録したこのアイコンをクリックしてやると、日本語エディタJEdit(私の場合、このソフトはほぼ常時起動している)の一番上にでている書類にページのタイトルとURLがニュニュと書き込まれる(つまり、動作がトロいのである)。すかさず手動でメモを書き足す。たとえば「しっかりした年譜あり」なんて具合。

ひとつのテーマにそってWebサーフィンを行っている場合は、次々と同じテーマに関連するページを見ていく訳だから、どうしても混乱してしまう。そうかといって、ページ毎に詳細なメモを取っていくのも非合理だ。そこで、見たページを端からひとつの書類にこれを使って列記していく。Webサーフィンが一段落した時には同時に「簡易リンク集」が完成していることになる。

記憶の熱いうちに、不要行を消したり、メモに追記したりして保存。現在の私の場合、ファイルとして保存するわけではなく、文面全体を12章で書きつつある「なんでも個人データベース」に剪貼(中国語でコピペのこと。こぴぺというより、ちょっと上品でしょ。なお、読みはジャンテーだと思う。違うかもしれない)している。

でき上がったテキストファイルは、たとえばこのような感じになる。

Webサーフィンをしながら適宜アイコンをクリックし、メモを書き込んでこういう書類を作る


ある本を読んでいたら、味噌の源流ともいうべき発酵調味料「未醤」のことがでていた。私にとっては初めて知るコトバであった。辞書を引いてみたけど、出ていない。やおら好奇心を刺激され、チョコチョコっとWeb検索をかけてみた。

私は記憶力が極悪なので、こうでもしておかないと、端から忘れていく。しかし、これで万全。ま、未醤のことなら何でも聞いてくれたまえ。

上のスクリプトはMac OS X Jeditの組み合わせ時。これを教えてあげたところ、POT出版の日高氏はMac OS 9 mi環境で使うため、次のように書き直した。

tell application "Internet Explorer"
set MyTarget to GetWindowInfo -1
end tell
tell application "mi "
activate
make new paragraph at after last word of document 1 ツ
with data "●" & item 2 of MyTarget
make new paragraph at after last word of document 1 ツ
with data item 1 of MyTarget
end tell


何も変数名まで書き換えなくてもいいじゃないか、と思うが、彼はそういう男なのである。

なお、Mac OS Xに移行する前に使っていたMac OS 9 Jeditのバージョンは以下の通り。

tell application "Internet Explorer"
set nowInfo to GetWindowInfo -1
end tell
tell application "Jedit4"
activate
insert return at after last paragraph of document 1
insert "***********************" at document 1
insert return at document 1
insert item 2 of nowInfo at after last paragraph of document 1
insert return at document 1
insert item 1 of nowInfo at document 1
end tell

おそらくこのスクリプトがMac OS Xで動かないので書き換えたのだと思うが、理由その他はぜんぶ忘れてしまった。メモをしていなかったからである。

今回はMacを使っている方にのみしか役に立たない情報になってしまった。

しかし、不思議なのは、こういうことを行うソフトが見当たらないこと。少なくとも寡聞にして私はひとつも知らない。

ニーズがないとは思えないのだが。

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ポストイッターさんより
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[2003.09.20]

役に立ちそうです

Applescriptをシャーロック2で検索。石田さんではなく日高氏のスクリプトを「剪貼」して使ってみました。空白行の入り込みで可動まで多少手間取りましたが、実際にアドレスが書き込まれるさまを見て感動しました。いままでお気に入りに追加するだけで記憶の彼方に消えて「これなんのページだっけ?」ということが多かっただけに、このプログラムは役に立ちそうです。ありがとうございました。

____

お役にたてればこんなうれしいことはありません。出来上がりファイルを直接DLできるようにしました。(石田)

木下充矢さんより
ご意見いただきました

[2003.09.20]

超漢字の標準ブラウザでは

[技術]TRON(超漢字4)の標準ブラウザは、ブックマーク管理の仕掛けを内蔵しておらず、ショートカットアイコンとして外部(フォルダ・テキスト・表計算用紙等)にブックマークを保管するようになっています。(http://www.chokanji.com/ck4/primer/ckinet3.html)

このような異常な仕様(笑)では、とても使いものにはならないだろう、と最初は思ったのですが、ブックマークが二次元で一覧できる、という便利さが思いの外大きく、低機能(SSLもフレームもJava Scriptも未対応)ゆえの動作の軽さもあって、最近は趣味のweb閲覧はほとんど超漢字ブラウザで間に合わせるようになってしまいました。

[意見]目当てのブックマークがすぐに画面からはみ出してスクロール三昧になってしまうことに、いつもストレスを感じていました。深く同意します。ブックマークにコメントを打ち込むのはなかなか便利そうなので、超漢字でぜひ試してみようと思います。使いやすいhtmlエディタがあれば、似た機能が実現できそうですね。

____

ご意見ありがとうございます。この記事は対象環境が特殊であり、かつ、一般の方向けにはずいぶん遠いものであるだろうとはわかってはいたのですが、いわば確信犯的に強行して書きました。

お二方続けて反応をいただけたことは心強いばかりです(今後はあまり突出しないように心がけますが)。

それにしても、なぜにブックマークはああいう形になっているんでしょうかね。不思議でなりません。(石田)

会社員さんより
ご意見いただきました

[2004.07.19]

MLを作ってそこに送る

私はこうしています。あらかじめ適当なMLサービスで、メモ用のMLを用意しておきます。

1) JavaScriptで書いたbookmarkletで、TitleとURLを半自動コピーする。
2) メールソフトにペーストして適宜コメントを書き添えて、MLに送信。
3) MLから配信されたメールを受信して、特定のフォルダに振り分ける。

こうすると、電子メールの形式でメモが特定のフォルダにたまっていきます。MLに自宅と勤務先の両方のメールアドレスを登録しておけば、どちらの場所でもメモを参照できて便利です。
手順を見るとややこしそうですが、やってみると意外と楽なので、ここ数年続いています。

「文系者がコンピュータを活用するための情報」として興味深く読ませていただきました。正規表現の章もいいですね。私もいわゆる文系の会社員ですが、Unix環境を使って楽をしています。

____

メールソフトを情報のいっかつ受け入れ口にされている方は多いですね。それがもしかすると、いちばん、シンプルかつ明快な処理方法なのかもと、最近は思います。(石田)

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