2006-07-07

日記(その3)

6月30日金曜日。重い気持ちでぺトラと11時にギムナジウム到着。でも、とにかく心をこめて、できるだけ先生に理解していただくように、母親として頑張ろうと決心して挑みました。先ずは息子が授業をひとつ終えて合流。すぐに体育の先生に息子自身の怠慢を謝らせました。息子は本当にj自分だけが悪いとはまだ思っていないものの、でも自分だけが正しいとも思えなくなっていて(いろいろ証拠も出てきてしまっていますし・・・)、半分は納得して少しだけ反省して、ごめんなさいと言っていました。先生は、ぺトラや私から見たら、とても感じの良い方でしたが、息子の様子を真剣な顔をして黙って見つめていました。

息子は次の授業に出るために消えました。そして残った私たち3人で本題に・・・・・。
私は全身全霊で説明しました。本当に怪我をして診断書もちゃんと提出しているはずだし、何かの誤解で体育の成績が落第点になってしまっている。これを回避できないと息子は追試も受けることができずに落第になってしまうのです、と正直に話しました。

体育の先生はびっくりしていて、「え、そうなんですか・・。つまり僕の体育によって、随分これからのことが変わってしまうんですね、それは知らなかった・・・。う〜ん、でも、彼は僕に全ての診断書を見せたわけではないのですよ。だから2回分が理由のない欠席になっていて、それで落第点がついてしまったのです。持っていらしている診断書を全て見せていただけますか?」

もちろん、先生に渡すために全ての診断書を持って行っていましたので、すぐに提出しました。

「うん、ここにあるうちの2枚は僕は見ていませんね。彼がきっと怠惰にも、僕に見せずにそのままにしていたのでしょう。本来ならば、こういうことは許されません。ちゃんと提示する必要がある。でも、見せた見せてないという論議は無駄なことですね、証拠もなにもないのだし・・。実際は、おそらく彼の怠慢でしょう。でもいいですよ、これからしっかりとやるべきことをしてくれるというのであれば、僕は彼を助けたい。せっかくここまでお母さんが一生懸命なのだしね、気持ちはよくわかります。」そう言って、全ての診断書をチェックしてくださいました。

「これにて、彼は後期の授業を6週間以下しか受けていないので、成績はつきません。ついても落第点にはなりません。ですから、成績を変えますよ。」

あ〜〜!!!! よかったです〜〜!!! ぺトラと二人で大喜び!! 本当に本当によかった!!!
先生に、心からお礼を申し上げました。もっとも私の中には、そういう状況ができてしまったことで、例えばこんなことになる前に、一度でも先生が息子に「診断書が足りないよ。」とおっしゃってくださることはできなかったのだろうか、とも思います。もしもこれが日本の学校だったら絶対にそういう話があるでしょう。でもここはドイツ、しかも息子はずっとどの先生に対しても反抗していたわけですから、誰も好意的に助けようとはしなかったということなのですね・・・。これは本当に、息子にとっては苦い苦い経験になりました。

「でも、先ずは校長と話さないとなりませんから、それは今日午後にできると思うので、その後お電話してもよろしいでしょうか?」とても大事なお話になるので、私が万が一聞き逃してしまっては大変です。なので、ぺトラのところに電話を入れてもらうようにしました。

本当にほっとしました! ぺトラと二人で、帰り道に嬉々として話し合いの成功を喜び、抱き合いました。「でもね淑子、100%確実になってからじゃないと、あの子に何も言っては駄目よ!」とぺトラ。帰りのバスの中でも、息子が心配して携帯にSMSを送ってきましたが、「まだはっきりわからない。」とだけ書いておきました。少しは心配させないと、またなまけ癖が出てしまうかもしれないですし、お灸をすえる意味でも伝えないでおきました。

3時過ぎ・・・。息子が帰宅しました。「お母さん、どう? 先生から電話きた? どうなったかな? あ〜〜、本当に追試を受けさせてくれれば、俺は本当に心を入れ替えて勉強するからね! お母さん、今までごめんね!」などと言っていたら、電話が!!!!

ぺトラからでした。「ぺトラ!! どうだった? 体育の先生から電話があったのね?」「ええ、でも留守番電話だったのよ。それに・・・駄目なんですって、落第だって言っているの・・・・。」

え〜〜!!!!!!!

どうして、どうして?????

「それがね、留守電によると、体育の先生は成績を変更したいと校長に伝えたんだけれども、校長と再び診断書を全てチェックしたら、やはり1枚だけどうしてもドクターの日付けがあまりに遅いものがあり、それは体育の先生はオーケーなんだけれども、校長がそれは絶対に受理できないっておっしゃるんですって。なのでそれにより落第が決定で、体育の成績は変更なしだそうなの・・・。淑子、ごめんなさいね、お役に立てなくて・・・。」暗い声でぺトラが残念そうに言いました。

・・・・どうしたらいいのでしょうか・・・・・。息子の進級の道は、閉ざされてしまったのです・・・。息子も大ショック!!!