2005-03-02

少年達の頭の中

いやはや、すっかり振り回されてしまいました。13歳の我が息子、毎週月曜日は学校の後、昼食を家でしてからギターの個人レッスンに通いっています。それはとても良いことだと喜んで、今回もにこやかに送り出したのですが、床屋に寄ってから帰るからちょっと遅くなるよ、と出て行ったのに、早く戻って来ました。私はその日、電話の安い局番(01015)が、なんと日本への通話料金無料という大キャンペーンを実施していたので、嬉々として日本に電話をかけまくっていました。「ガチャン!」ものすごい音と共に息子が戻って来たのでびっくり。電話をかけながら、「あら、どうしたの? 早いね。ギターの後、床屋に行くんじゃなかったの?」と聞くと、ものすごい剣幕で「お母さんがいけないんだ!」と叫び、トイレにかけこんだのです。何だかわからないけれども、トラブル発生のようなので、仕方なく電話を切り、トイレに近づいて「どうしたの?」と聞くと、どうやらお腹の調子が悪くなったようなのです。要するに、お母さんが悪い物を作って自分に食べさせたんじゃないか、という怒りだったのですね。信じられない暴言です! 息子はベルリンに来てからずっと、ほとんど病気らしい病気をしたことがありません。おかげさまでとても元気に暮らしています。風邪もほとんど引かない健康体なのです。ですから、少し下痢状態になっただけでも、逆に彼にとっては特別なことなので、妙なパニックになるらしいのですね。思春期で親に反抗してばかりいる、心身のバランスの悪いこの時期は、「下痢をしたのはお母さんのせいだ!」となるわけです。とんでもないおばかさんな息子・・・。原因を突きとめましたが、ギターの帰りにお菓子を買い食いしたようです。それに外はマイナス5度の寒さ! ふらふらしていれば、風邪気味にもなるでしょうし、お菓子など食べている場合ではありません。

風が吹くと桶やが儲かる、じゃないですが、息子の頭の中は、何か悪いことがあれば、それは全てお母さんのせいだ、という論法になるのです。台所のテーブルの花瓶を倒して床が水浸しになったのも、「そんな所に花瓶を置いたお母さんが悪い」となり、自分でピザを焼くのにオーブンの火がなかなかつかないのも、「ちゃんとやり方を伝授してくれなかったお母さんが悪い」となるのです。あーとんでもないこと! あの、可愛く優しい小学校までの息子は、一体どこに行ってしまったのでしょうか・・・。大丈夫よ、思春期なのだから、と妹や友だちは言いますが、こんなに凄いものなのでしょうか? うちの息子は特にひどいのでは、と不安になってきます。まぁ、最後には言いすぎたと反省し、擦り寄ってきて「ごめんなさい」と小さな声で言うんですけれども・・・。

さて、そして火曜日。どうやらお腹の調子は今ひとつのようなのですが、風邪ということも考えられるし、本人も手をくじいた上にお腹に力が入らないからということで、学校へは行ったのですが、体育はお休みしました。なので息子は学校からまじめに帰宅して、少しはおとなしくするだろうと私は予想を立て、まだ続いている日本への通話無料キャンペーンをフルに活用し、日本の友だちとルンルン気分で話をしていましたら、ドヤドヤ騒がしい音が玄関から聞こえてきました。慌てて電話を切り、玄関に行くと・・・。なんと、息子の友だちのドイツ人少年が4人もいるではありませんか! 「ど、どうしたの? なんでこんなにいるの?」想定外の状況にうろたえる私・・・。ひとりなど、かな〜〜り大柄で、オジサンみたいな風貌。中学1年くらいになると、もうあまり可愛いという雰囲気はありません・・・。狭い我が家に4人も少年が突然やって来て、息子と計5人で一体何をするのかと思ったら・・・・。

「お母さんのジューサーで、フルーツジュースを作ってみんなで飲む」というコンセプトで集まったとのこと。

それ何? 新種の遊び? 訳がわからず、仕事部屋に退散。でもあまりに騒がしく、これではまた隣のオバさんにうるさいと文句を言われると思って、注意をしに行ったら、台所でジュースを作っている最中でした。見たくないほど散らかっていて、それはそれは悲惨なキッチン・・・。「君達、使った食器やジューサーは、ちゃ〜〜んときれいに洗ってね。」と言って再び仕事部屋に戻りました。でも・・・やっと少年達が帰り、静かになった台所を見たら、何も片付いてはいませんでした・・・。どっと肩に疲労がのしかかり、「これ、どういうことなのかな?」と息子に聞くと、「だって、ジューサーとか洗い方をお母さんが教えてくれなかったからできなかったんだよ!」と再び私のせいに。息子の友だちは、ひとりとして私にあいさつせずにこそこそと帰ってしまいました。よっぽどみんなマズイと思ったのでしょうね・・・。それにしても、何故にフルーツジュース・・・。楽しそうな声は聞こえてきましたが・・・。勉強もせずにジュース作り・・・。だったら青汁作ってよ! と私は息子に言いたい!
「でも、どうしてウチじゃないといけないの? 他の家の台所の方がもっとずっと大きいでしょう。なんでよりにもよってウチなの?」と聞くと、「だって、甲田療法で毎日青汁作っているお母さんのジューサーは強力で、そんなすごいジューサー持っている家なんてないんだもの。だからみんなでウチがいいって話していたんだよ。」

少年達の頭の中・・・考えると疲れます。

その後、ジュースを飲みすぎた息子はお腹を完全にこわし、夜中何度もトイレにかけこむことになり、さすがにお母さんのせい、とは言えず、「お母さん、ごめん、言うこときかなくて・・・お腹痛いから学校休むよ。」とつらそうな顔でやっとのことで言葉を吐き出し、寝込んでおります・・・。

今日は息子の青汁はいらないですね・・・。

本日のオーガニック・ライフ・イン・ジャーマニィは:

クリスタルソルト

このエントリへの反応

  1. こんにちわ。
    フルーツジュース作り・・息子さんのお母さん自慢?
    とも考えられますね。青汁作ってくれれば最高ですが・・。
    私も一昨日くらいにお腹をこわしました。だれかに罪をなすりつけたかったのですが、私が作ったものを私が食べているのでどうにもならないので、よーく考え直してみると、風邪気味だったのでビタミンCをとろうと、キウィを3個立続けに食べたんですね。
    聞けば、キウィは酸が強くてお腹を壊しやすいのだとか。ビタミンたっぷりそうでも、量には気をつけなければ行けませんね・・
    息子さん、お大事に!