2003-11-19

健常者と玄米

ベルリンは、どんどん寒さが増してきています。秋から冬への移り変わりを、お散歩でもしながら優雅に観察しようかな、と思っていたのですけれども、ベルリン・ジャズ・フェスティバルの仕事があって、なんだかばたばたしてしまいました。他の仕事も重なり、いろいろなことをセーブしている私としては、また前のようにハード・ワークになったら大変! と思い、意識して身体を労わるように心がけました。これは、以前と全く違うことです。今までの悪い習慣をなくすことも、身体を健康にする大切な方法だと学びました。怠けるのではなく、意識して自分の心の具合、身体の具合をみる。自分の心身と向かい合って、語りかけて、無理のないように心がける。こうしたことを気づかせてくれた甲田療法に、私は心からの感謝の気持ちでいっぱいになります。健康でいることは、大きな宝なんですね。

さて、大きな脱線もなく、おかげさまで小食はそれなりに守っています。以前は、食べてはいけないという気持ちがかえって飢餓感を増す結果になり、どうしても何か食べたくて仕方がなくなってしまうという、情けない状態が続いたのですけれども、最近はそれもなくなり、落ち着いてきました。ゆったりとした日常を保つことがきれば、小食も楽しんでできるということがわかってきたようです。けれども、例えば仕事で切羽詰ったり、いろいろな用事が重なって忙しくなったりすると、とたんに気持ちに余裕がなくなり、何でもいいから口に入れたくなります。
そういう時は、無理に我慢しないで、自分に「大丈夫、食べてもいいんだから。」と言ってみます。黒パンやナチュラルハウスで売っているような軽い食べ物を少し食べると、もう気分が落ち着いて来て、何が何でも食べたい、ということにはならなくなりました。これは私にとって、大きな進歩です。外に出ていて、カフェでラテを飲んでも、1杯くらいだったら大丈夫。我慢するというネガティブな気持ちから離れたら、全てがそれほど難しいことではなくなってきました。まずはそういう気持ちになることが大事なのかもしれません。

でも、それでも息子の食事は別です。いくら小食が良い、動物性の食事は控えるとか、脂肪分の多い食事はしないようにする、というのが健康の秘訣とはいえ、12歳の息子に私と同じ食餌療法を強制することはできません。息子はとっても健康体。風邪も引かずに元気に毎日を過ごしています。今まで多かったお菓子も、私が作るお菓子を中心に食べているので、めっきり減りましたし、かなりあっさりとした食事になってきています。でも、それが続くとすごく嫌がります。「たまには僕の好きな物を食べさせてよ。」などと言い、ラーメンだのステーキだのをリクエストしてきます。
私は、日々しっかりと玄米を食べていれば、多少そうした胃腸に重い食事をしてもいいと思っています。あまり息子に強制しすぎると、反動が怖いようにも思うのです。というのも、最近玄米を食べたがらなくなってきたからです。「どうしてうちはいつも玄米なの?たまには白いご飯も食べたいよ。」もちろん、家でパーティなどをする時は、寿司飯を白米で作りますが、それ以外はカレーもチャーハンも全て玄米にしています。「玄米はとっても美味しいと思うよ。でも、毎日じゃいやだ。」と言います。困りました。

そこで、ちょっと目先の変わった玄米のメニューを作ることにしました。いろいろ凝ったりすると、私は作るだけで食べられないので、私自身がかなり厳しいのではないかな、と思っていたのですけれども、もうそういう状況からは脱したような気もするし、トライしてみました。

その第一弾が、写真のような玄米おにぎり3種です。これは、息子のランチ用に作ったものなのですが、とても好評でした。しっかりとランチを玄米で食べると、夕飯が小食になります。朝は食べずに学校に行くのですが、一応途中でお腹が空いた時用にパンを持たせています。黒パンにチーズとハムをはさむ程度の軽食ですが、最近はそれも食べずに持って帰ってくることが多くなりました。
そこでその黒パンをランチに食べさせ、さらにお腹が空いている時におにぎりを出してみたのです。

これは、約200g程度の玄米を3等分して、トッピングしてオーブンで焼いたもの。子供のおやつの本に出ていたものを参考にしました。
マヨネーズ+チーズ、マヨネーズ+ベーコン、みそ+はちみつの3種類。玄米のおにぎりに、小魚のふりかけを混ぜたり、ゴマを混ぜても美味しいと思います。

玄米をいやがっていた息子も、これだと大喜びで食べてくれました。
玄米の量が足りないくらい。「お母さん、もっと大きなおにぎりで作ってよ。」などと言うほど。でも、小食が基本ですからね。
トッピングの内容が、甲田療法ではあまり良いと言われていないものばかりですけれども、焼きおにぎり+しょうゆにのりなど、あっさりとしたものも徐々に加えていって、息子が自然と身体に良い食べ物を多く摂取できるように、少しずつ慣らしていきたいと思います。

玄米おにぎり
玄米おにぎり