2006-01-12
ヴッパータール・ナイヨン宅
今日は、3泊した1泊目のお話です。
1月7日、友達のダンサー、ナイヨンの所に行きました。前にも書きましたように、ヴッパータールにある、ピナ・バウシュ率いるタンツテアターというカンパニーで彼女は踊っているのです。169センチ、すらっとした体に長い手足。美しい彼女の踊りに毎回惚れ惚れする私・・・。彼女はさりげなく私の耳を気遣って、携帯のSMSで連絡をくれました。15時にヴッパータール駅で待ち合わせ。ナイヨンは去年の暮れの休みを故郷の韓国で過ごし、ドイツに戻って来てまだ1週間。でもすでにカンパニーのレッスンは始まっており、毎日10時から14時までみっちりレッスンをしているのです。で、それを終えてから15時に駅まで車で迎えに来てくれたのでした。
「ナイヨ〜ン!」「ヨシ〜〜コ!」久しぶりの再会に、がっちりハグする私達。なんというか、まわりからは姉妹みたい、と言われたりしますが、自分より背の高い、手足の長い美しすぎる妹を持つ姉の心境・・。まぁ、自慢の妹、といったところでしょうか。(私の本当の妹は、私より7センチも背が低く、私より体重があるのですけれども・・・汗)ナイヨンは、私より8歳も若いのですが、本当に年齢の差を感じさせない優しさと柔軟な心の持ち主なのです。実際日本語だと、年齢の差がある場合、どうしても年上の相手に敬語を使うことが多いと思いますが、ドイツ語だと、しっかりとした敬語(Sie)か、タメ語である友達としての(du)しかないので、友達になれば、年齢が離れていようと(du)ですから、親近感が自然とできるのですね。彼女と知り合って、かれこれ8年以上になりますが、全く変わらない無償の友情を示してくれます。本当に素晴らしい友達です。「韓国はどうだった?楽しかった?お母さんやお兄さんは元気?」「元気よ〜。実家のプサンで過ごしたり、ソウルに行ったり、楽しかったわ!」などと話し、もうそのままナイヨンの引っ越した住まいに行って、果物などつつきながらずっとおしゃべり。尽きることなく延々としゃべりまくり、そのままナイヨンは手作りの韓国料理を、楽しく話しながら用意してくれました。魚介のチゲ、キムチ、野菜炒め、ワカメなど・・。カンゲキ!私のことを気遣って、肉料理ではなく、野菜と魚介でまとめてくれたのでした。「ヨシコが今、少食をしているのはわかっているけれども、あまりに痩せすぎよ。大丈夫なの?咳がずっと止まらないっていうのも、体力が消耗しすぎているからなんじゃないの?私が作った料理は軽い物ばかりだから、良かったら食べてよね。」
ありがとう、ナイヨン!! 愛情のこもった韓国料理を前に、幸せを感じる私・・・。新しいナイヨンの住まいは、それはそれは素適で、前よりも街中にあって便利だし、窓から見える景色も最高!その上、ナイヨンの上の階にはアンナ(ピナのカンパニーの同僚)も住んでいるので、では久しぶりにアンナにも会おう!ということになり、夕飯に彼女もご招待。3人でワイワイと楽しく食事をしました。
アンナは、去年ナイヨンと一緒に韓国に遊びに行ったほどの韓国好き。韓国語も、私よりずっと多く覚えていて(笑)、語学の才能もばっちりある、私より20歳も若い(!)ダンサー。夕飯を終えて、ナイヨンがデザートのパパイヤを剥いてくれた頃、アンナは自室に行って、ビール、ワインとグラッパを持って戻って来ました。すでに私がアルコールをたしなまないことを知っているアンナ。「ごめんねー、ヨシコ。これは最後にはどうしても外せないのよ〜〜。」などと言って、ナイヨンと2人でぐいぐい飲みだしました。私は韓国の、とうもろこしでできたお茶をいただきました。
私がひとりで翌日に行く、ノルデナウの水のことを話していたのですが、ドイツ人であるアンナも全く聞いたことがないとのこと。「へ〜。フランスのルルドは、奇跡の水ですごく有名だし、知っているけれども、ドイツにもそんな水があるの?知らなかったわ〜。」そう、ルルドに何度も行っている私の別の友人、アンゲリカも知らないと言っていました・・・。う〜ん、でも、かなり良い水であることは間違いないのですが・・・。「まぁね、とにかく行って来るわよ〜。」私は軽く答えていました。「飲料水に気を使うことは大切よ。やっぱり基本は水からだものね。」とナイヨン。彼女達は体が資本なので、本当に口に入れる物には気を配っています。
彼女達プロのダンサーは、野菜を多く摂取するように心がけ、普段はほとんど甘い物を口にしないそう。「甘い物が欲しくなったら、大体は果物で満足できるし。それにもともと、あまり甘い物が好きじゃないしね。」すごい!! 良いことです。ナイヨンが、ほとんどスィーツを口にしないことはわかっていましたが、それはやはり健康の秘訣でもあるんだなぁ、としみじみ。「それよりしっかりと食事をしないとくらくらしてしまうのよ。だから3食が大事になるの。」舞台の前はあまり食事をせず、終了してから夜中に食べることも多いダンサー達。でも、しっかりバランスを考えて自己管理しているのですね。
「ねぇ、ストレスがたまったら、どうしているの?」と何気なく聞いてみたら、何とナイヨン!「え〜?ストレスなんてないもの。」との返事!! え!!! ええ!!!!??? ストレスがない!!!
あまりにはっきりと断言したので、すごくびっくりして「どうして?どうしてストレスがないの?カンパニーにいると、人間関係が密だし、自然とストレスにならないようにコントロールしているのかしら?」と聞いたところ、「私達はヨシコのような仕事とは違って、体を動かすことが仕事でしょ。運動を激しくしていたら、ストレスなんて発散できてしまうのよ。だからね、ヨシコももう少し体力が出てきたら、フィットネスクラブとか通うなり、それができなかったら散歩に毎日行くなりして、少しでも体を動かした方がいいわよ。そうしたらストレスなんてなくなるから!」
なるほど・・・。ストレスは、現代人は皆あるものだとばかり思っていましたけれども、はっきりと「ない!」と言われて目が覚めるような思いでした。確かに、私はほとんど家にいて、運動もせず、PCの前で仕事をしています。息子のことでも感情を溜め込むことが多く、解決方法も言葉がほとんど。でも、運動をすれば、理屈じゃなく、肉体が心地よい疲れを伴って、心身共にリラックスできるのですね。改めて、運動をしよう!という気分になりました。もともと中学生くらいまでは相当なおてんばだった私。スポーツもよくできたのに、貧血になってからはずっと運動から離れてしまっていました。極度の貧血だったのですが、今思えば、甘い物を摂取しすぎていたからなのかもしれないなぁ、などと思います。食生活は、糖分以外は良い感じでしたので、お菓子の食べ過ぎが良くなかったような・・・。我が家はみんなで甘党でしたから。
自分への課題。甘い物を食べない。運動をする!! これ、とっても大事な気がします。甘い物は食べずに過ごせるようになったし、後は運動です!! でも今はすごく寒いので、なかなか散歩するにも勇気が必要ですけれども(笑・大げさな!)、まぁ少しずつ、ですね。
ヴッパータールの夜は、楽しく更けていきました。