2005-10-18
ナポリ 3
10月13日、ナポリは快晴。ポンペイも昨日見たし、今日はゆっくりしようと思いましたけれど、やはり早起きしてしまったので(笑)、8時にはホテルを出て、メルゲリーナ駅まで電車に乗り、そこからフニコラーレに乗ってSt.アントニオ駅まで行きました。実は、そこから眺める風景が、有名な「ナポリを見てから死ね!」という台詞の場所だと言われているのです。駅から歩いて5分ほどのところに、しっかりとした展望台がありました。あ〜〜素晴らしい! ナポリ湾が広がり、青く美しい海、そしてヴェスヴィオ山。ナポリの街も色彩豊かで、すっかりぼ〜っと眺めてしまいました。息子も、「これはきれいだね〜。しばらくここでゆっくり見てようね。」と言うほど。私達は、そこで本当に静かで穏やかなひとときを過ごしました。他に誰も見ている人がいなくて、私達が展望台を独り占めしている気分。随分贅沢な雰囲気でした。
その後、別のセントラル行きのフニコラーレで街に下りて、そこからバスに乗って、一箇所くらい美術館に行こうということになり、バスを待っていたのですが、来ない! でも、バス停で同じく待っていたイタリア人の50代くらいの男性が、親切に教えてくださいました。幸い彼も同じバスに乗るということで、やっと緑の丘の王宮美術館、カポティモンテ国立美術館にたどりつきました!信じられないことなのですが、停留所に書かれているバスの番号が間違っているのです!なので、書かれていない番号を待たなければなりませんでした。それって、相当難易度の高い観光ですよね・・・(汗)。親切なイタリア人の男性は、英語がとってもお上手で、いろいろ話してくださいました。息子が昨日すりにあったことを話したら、「ナポリの人間として恥ずかしい。代って謝罪いたします。あいつらは、バスの中で仕事(すり)をして、そしてしばらくすると家に戻ってのんびり過ごしているんだよ。全く最悪の人間だ!」と怒っていました。まぁ、どこでも同じなのですけれどもね・・・。けっこう露骨ですね、相当数のスリがいるのだと思います。
到着した美術館は、庭がそれこそ公園のように広く、実際公園なのか、人々が芝生でのんびりしていました。あまりに敷地が広いので、なかなか美術館にたどり着けず、やっと到着したらもう足が痛くて・・・。休憩しながらティツィアーノやカラヴァッジオ、ベリーニやナポリの画家達の作品をさっくりと見ました。(量が多すぎて、これも主だった所だけ見ることにしました。)再び休憩。息子は美術館のカフェで、また揚げ物を買って食べていました。子供って、お腹が空くんですねぇ。そうそう、ポンペイ遺跡の入場券は、私のドイツ政府発行のジャーナリストパスでは無料になりませんでしたけれど、この美術館では無料になりました!しかも、EUの14歳までの子供も無料らしいのですが(イタリア語なのでよくわからない)、昨日、ベルリンのギムナジウムの学生証が入ったお財布を盗まれたと説明し、パスポートも見せて、なんと息子も無料になりました。素晴らしい!
さて、再びセントラルにバスで戻ったのですが、途中で怪しいサングラスのお兄ちゃんがバスの中で私達に近づいて来ました。「この人、絶対にすりだよ。こんなに空いているのに、どうして俺達のところに擦り寄ってくるんだよ!」と、日本語で話す息子。私達だけの、秘密の言葉(笑)。私も実は直感で、彼は怪しい人物だなと思いました。私達は、2人の眼力を精一杯合わせて(笑)、そのおにいちゃんを追っ払いました! 私のバッグが盗まれたら大変ですもの!ベルリンに戻れなくなります。それにしても、なんとまぁあからさまなコソ泥君でありましょうか・・・。
そしてお昼。本日は、ダンテ広場からちょっと行った、ポルタルバという店。ピッツェリアというより、ちょっとした小ぶりのトラットリアという感じで、ここではサラダも前菜もいただくことができます。なので、しっかりウェイターがいますから、サービス料もとるのです。つまり、ただ安くて美味しいピザをいただくところではなく、スローフードを楽しみながら、いろんなイタリアの美味しい物を満喫する感じでした。なので、ピザ一枚が、今まで行った所の倍以上。支払った金額は3倍以上になりました。ここでは、フレッシュなモッツァレーラも生ハムと一緒にいただいたのでした。(いえ、息子が・・・。私は味見程度です。)美味しかったけれども、ピザはやっぱり下町の軽いノリで、安く早く美味しくいただく方がいいな、などと思ったり・・。
その後、安物屋がひしめくウンベルト通りへ行くために、再びバスに乗ったのですが、いたいた!! さきほどの怪しいイタリア人! サングラスのお兄ちゃん! やっぱり! 彼は絶対にスリですね。「そうだよ、だって変だよ。こんな、観光客が乗るような番号のバスに、昼間っからしかも2回も乗るなんて・・・。ありえないよ。あいつはスリだ!」と息子。私達は、再び眼力でバリアーを作り(笑)、なんとかお財布を守りました。ほ!
ウンベルト通りで、掘り出し物がないか物色。息子のお財布を買おうと思いましたけれど(笑)、「ないよ。もういいよ。ベルリンに戻ったら買うよ。ここで買ってまた盗まれたらいやだよ。」と、相当身に沁みたようでして、お金を持ちたくない様子。それに、街行く人々が妙に皆<マフィア>に見えてしまうようで(笑)、苦い経験は大きな学びになったようです。
その後、St.ドミニコ・マッジョーレ広場に行き、ドルチェが美味しいと評判の店で、プリンとアイスを注文。それを外の広場にあるテーブルでいただきました。美味しかった〜〜!! ああ、久しぶりの甘い物脱線・・・かな?汗・・・。時間をかけて休み、ショッピング街をひやかして、7時からオープンの、ブランディというお店に入ろうと、近くをうろうろしていました。そこは、なんとマルゲリータを最初に作ったところなのだそうで、とても有名なのです。場所も観光エリアにあるし、ツーリストがこぞってやって来る、ちょっと高級感が漂うレストラン。もうすぐ7時という時に、トイレに行きたくなった息子。でもカフェはあまりちゃんとしたものがなく、何か飲む気もないので、とにかくレストランに行ってみると、なんと先ほどは7時オープンと言っていたのに、7時半からとのこと。すっかり食べる気力をなくした息子は、「もういいよ、俺には下町のピザが似合っているよ。美味しいし優しいし好きだよ。ここ、美味しいかもしれないけれど、高そうだしさ、オープンが遅いし、もう別のところに行こうよ。」と、さっさと諦めて、下町のトリブナーリ通りのジーノルビッソに行きました。ここは、本当に狭い!でも、本物のピッツェリアという感じ!! このお話も、オーガニック・ライフのブログに書かせていただきますので、少々お待ちくださいませ。
さて、そんなこんなですっかり遅くなってしまい、ホテルにたどり着いたのは、なんと夜の10時半!私達にとっては遅い時間です。明日はもうベルリンに帰る日。まぁゆっくり寝ていてもいいかな、などと思っていたら・・・あら!私にファックスが届いているではありませんか! そうなんです、実は抱えている二つの仕事のことが気になって、念のために、何かあった時に連絡ができるように、ファックス番号だけ教えておいたのです。そうしたら、ひとつのプロジェクトの方から連絡がありました!あら〜!何だかバリキャリになった気分・・・。(そうでもないのですけれど・・汗)で、すぐに連絡欲しいということで、そこからホテルのインターネットを使って、ホットメールで日本とやりとり・・・。夜中の12時半まですったもんだしておりました。そして翌朝・・・。仕事が気になってあまり眠れず、朝6時に再びホテルのインターネットで仕事。チェックアウトの朝9時まで、何度もやりとりをしました。フリーランスはやはり、仕方がないですね・・・・。お休みを3日間しっかりとはとれないのです。でも、素晴らしいプロジェクトになるのであれば、頑張ります! それを隣で息子も見ているし、母親が懸命に働く姿を見せるのは、悪くありませんしね! なんでもポジティブに考えております。
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