2007-06-26
買い物狂騒曲
日曜日に、無事に息子は修学旅行でバイエルンに行きました。
でも、その前に準備があり、それはそれは大変でした!
今回は、土曜日に買い物に行った時のお話をさせていただきます。
・・・
私は、日常の食べ物以外の買い物をあまりしない方だと思います。
かなりシンプルに暮らしています。
でも、息子は何かと学校で必要だったり、思春期なので欲しい物もいろいろとあり、時々せがまれます。
とはいえ、はいそうですか、と言って何でも買ってあげられるほど裕福ではないし、息子のためにもそんなことはしてはいけないと思っています。
・・・
やっと9年生最後のテストも終えて、息子は修学旅行に行きました。
この旅行のために、土曜日は買い物デーにしたのです。普段あまり買い物に出ないので、土曜日に一気に済ませてしまおう、という作戦(?)です。それに、私は仕事でちょこっと街中でリサーチもありました。全てまとめてやってしまいたかったのです。
買い物自体も大変ですが、何が最もハードかと言いますと、ドイツ人の接客態度です。
全てのお店の店員さんがひどいとは言いません。良い人もいます。
でも、日本と同じレベルの「超丁寧で親切な店員さん」を期待していたら、何もうまくいきません。
土曜日は、家を出たのが午前10時半、そして帰宅したのは何と午後9時でした。
は~~!!!
・・・
先日も、少し息子とまわってみた靴屋さん。
息子は、どうしても決まったスニーカーが欲しいのですが、その色違いがなく、サイズもなく、かなり難儀していました。
そのショップはチェーン店なので、ベルリンのいろんな所にあります。
私は、なんでもかんでも息子のためにやってあげるのが良いことだと思っていませんので、このような場合はどうしたらいいのか、自分で考えなさい、と言いました。
いくつかまわった後、それでも見つからず、土曜日になったわけですが、
「君ね、こういう場合は、店員さんに、他のベルリンのショップに同じシューズがあるか、そして君のサイズがあるか、聞いてみるのよ。やってごらんなさい?」と言うと、
いつになくもじもじして、
「俺・・・そういうのできないよ。何て言ったらいいんだよ。」などと言うのでした。
私よりずっとドイツ語が上手なくせに、こういうことはなかなかできないようなのです。
何故???
そう、それは・・・日本と違って、店員さんの態度がかなりよろしくなく、時に理不尽な扱いを受けることがあるからです。
いつもとは言わないですが、そういう人が日本よりずっと多いのは確か。
私達がアジア人ということがわかりますから、場合によってはひどい扱いを受けることもなきにしもあらず・・・。
私達だけに態度が悪い訳でもないので、人種差別とまでは言わないですが、なんらかの偏見を持っている人も時にはいます。
息子は、ドイツが好きですし、それゆえにあまりそういうことに遭遇したくない、という気持ちが無意識にあるようで、なんとなく今回のような状況になると、あまり店員さんに話しかけないで何とか希望の品を手に入れたかったのですね。
でも、もうどうにもなりません。
すったもんだの末、私も一緒にレジに行って、店員さんに聞くことにしました。
・・・はい、今回の店員さんはハズレでした・・・汗。
非常に態度の悪い、感じの悪い若いドイツ人女性でした。
「え? サイズ42はこのシューズの表示の数字だといくつになるかって?
それは 9 ですよ!
え? どこにあるか? そんなの調べなくちゃいけないの?
ああ、わかりましたよ、調べるわよ。
・・・ふんふんふん・・・・えっと、GとJの駅近くのショップにあるけれども、どちらに行きたい?」と店員さん。
どちらって・・・ここ(中央駅ショップ)から、一体どちらの駅が近いのかわからず・・・
「どちらか近い方がいいんですけれども? これからすぐに行きますし。どちらが近いのでしょう?」と聞いたのですが、
「どちらでも! どちらか好きな方ですよ。」と訳のわからない返事。
というか、返事になっていない!
業を煮やした息子は、適当に
「じゃ、J!」と言ってしまったのが運の尽き・・・・
店員さんは、結局自分でもどちらが中央駅から近いのかわからなかったのですね。でも、わからない、知らないと言いたくない。それに、調べたくもない。
それで、J店に電話をしてお取り置きをしてもらい、その店を目指すことになりました。
・・・
う~~ん、私は何だか納得いきません。その時点では、J店が近いのかどうかもわからず・・・。
「お母さん、とにかく行ってみようよ。」と、息子はもうその店員さんと顔を合わせたくない様子。
でも、時間もないし他の買い物もあるというのに、もしも遠い方を選んでしまったのだったら、それは時間の無駄というものです。とても愚かなことだと思いました。
「君ね、やっぱりこれは良くないと思うわ。」と言って、私はおもむろに駅を調べました。
J店は、G店よりはるかに、はるか~~に遠いのでした!
「こういうことは、許されることではないわ。ちゃんと店員さんに言いましょう。そして、G店に変更してもらうようにしましょ。」
「え~~!!! 嫌だよそんなの! あの人にもう会いたくないし、どんな態度をとられるかわからないよ!」と息子。
「どうして? お母さんだって本当は嫌よ。でもね、こうやってどんどんアジア人はヨーロッパのある種の人に馬鹿にされてしまうのよ。こういうことをそのままにしておいてはいけないの。それに、本当に君、J店まで行くの? ここからどう考えてみても、1時間はかかるよ。でも、G店は10分以内で着くでしょ? よ~~く考えてみて!」
そう言って、私はもうショップに戻り始めていました。
驚く店員さん。
まさか、アジア人がそこまでするとは思っていなかったのでしょう。ちょっとマズイ、という顔をしていました。
「申し訳ないのですが、今私が調べたら、J店はG店よりはるかに遠いことがわかったんです。お手数をおかけしますけれども、G店に変更してくださいませんか?」と、一応丁寧にお願いしました。
すると・・・
「でも、J店を選んだのはあなたのお子さんですよ。私じゃない。」
・・・この受け答え、日本ではありえないと思います。
そこで、私はついにしっかりとした反撃に出ました。
「お言葉を返すようですけれども、私が息子より先にあなたに、<近くの店>をお願いしたんですよ。私達だって、どちらが近い店なのかわからないから伺っているのでしょう? どうしてアドバイスのひとつもしてくれないんですか?」
この質問の答えが凄かったです。
「あななたちがわからないってことを、どうして私がわかると言うんですか?」
・・・信じられない・・・。
つまり、私達は、どちらの店が中央駅から近いのかわからないのだから、店員さんにケアして欲しかったわけですが、私達が知らないってことを、自分がわかるはずない、という主張なのですね。
変です、あまりに変です。
だって、わからないからどちらが近いのですか?と丁寧に聞いていたのですから・・・。
目の前のお客さまに対して、できる限りのことをして、ちゃんと店の位置も調べて対応する・・・
そんなことは、マニュアルを見るまでもなく、売る側の役目として当然のことだと思います。
でも、それをしないのです。
それどころか、わからないのにJ店と言った息子が悪いと非難しているのです。
「とにかく私の方が最初にあなたに、近い店を教えて欲しいと言ったのですし、J店はものすごく遠いことがわかったのですから、変更してください。」
「あ、そう。」と面倒くさそうに対応し、どうにかなりました。
・・・
息子はかなり怒っていたのですが、もちろんその気持ちを店員さんにぶつけるのではなく、私にぶつぶつ言っています。
「君ね、こういうことは、自分のシューズを買うのだから、自分で言わないと。
これからはちゃんと自分だけで対応できるようにしなさいね。もうノウハウはわかったでしょ?」
「ああ、ひどい店員が沢山いるってことはわかってるよ。ああいうのと話すのは嫌だけれど、これからちゃんとするよ。」
・・・でも・・・
このひどい店員さんがきっぱり言っていた<42は9サイズ>というのは、なんと間違いだったのです!!!
G店に着いて優しそうな女性の店員さんにお取り置きのことを伝えたら、出てきたシューズはぶかぶかでした・・・。
怒り狂う息子!!
「こんなことってないよ! ひでぇ~~よ! わざわざここまで来たのに、何だよあの人!」
でも、幸運なことに(?)、今度の店員さんは優しい人でしたので、すぐに調べてくれて、H店にあることが判明。
そのH店は、靴を買いに行く前に寄ったH子さんの家の最寄駅だったのです。(H子さんお手製の、それはそれは美味しい抹茶ロールをいただいたのです! 脱線でしたが、せっかくですし、たまにはOKということで・・・。最高に美味しかったです~~。H子さん、お忙しいのに作ってくださって、本当にどうもありがとう!! お邪魔してしまってごめんなさいね。)
つまり、また元に戻らなければならなかったのですが・・・でも遠くはありません。
「申し訳ありません。私の同僚がミスをしてしまって・・・ごめんなさい。あまり怒らないでね!」と今度の店員さん。
・・・
激しく手間のかかる買い物ではありましたけれども、二度目の店員さんがいい感じだったので、私達は事を荒立てることはやめて、許すことにしました。
戻ってやっと購入できたのが7時半。それからもうひとつ買い物をして、お店が閉まる8時ぎりぎりまでショッピングをいたしました。
本当にギリギリでした!
その後、疲れたのでカフェで休みたかったのですが、翌日はもう修学旅行ですし、やることは山のようにあったので・・・疲れたまま休憩もせずに電車を乗り継いで帰宅しました。
買い物・・・・ドイツでは、すぐに商品が見つからないような場合は、かなり疲れますね。
息子がジーンズを選んでいたある店でも、私は待っている間いろいろ見ていて、安くて丁度良いものを見つけました。
とても良いなぁと思ったものの、マネキンが着ている1点しか残っていなくて、仕方がなくそれを欲しいと店員さんに言ったのですが、
「ああ、それは月曜日にならないと外してはいけないので、売れません。」とぴしゃり。
「え? でも、脱がせて別の服を着せてみれば良いのでは? 私は月曜日にはここに来る予定はないですし。」と言ったのに、がんとして
「きまりですからね、欲しかったら月曜日に来てください。」と言うのでした・・・。
そこまでして欲しい訳じゃないので、やめました。
そんなこともありました。
・・・
土曜日は、そんな訳で買い物に時間がかかってしまい、息子の夕飯は家で作りましたが、ものすごく遅くなってしまいました。
「お母さん、どうもありがとう! 俺、もうこのシューズは買えないかもって、諦めちゃっていたよ。お母さんがいろいろしてくれなかったら、きっと一番欲しかったこのシューズは手に入らなかった。本当にありがとう!!
俺、わかったよ、今回のことで・・・・・・。
これからは、ちゃんと対処できるよ! 」と息子が言いました。
きつかったですけれども、少しは学びになったようです・・汗。
おかげでその日は食べている時間もなく、結果少食になったし、私は全く口にしませんでしたので、身体には良かったのかも???
汗・・・
汗・・・・いや、神経には良くなかったですよね、やっぱり・・・。