2004-08-16

南仏編 7

戻って来ました。Bというアンゲリカの家のある街にいます。
いやはや、やっぱりというか、戻りも強行軍でした。彼女が運転するのですから、私達同乗者はさほど疲れないはずと思いますが、南仏の別荘を出たのが9時半、予定の8時は無理だったものの、少しは良い調子かな、と思ったのもつかの間、すぐに近くのカフェに入り優雅に朝食。そんなことしている場合じゃないって内心はらはらしている私でしたが、あまりにおっとりしているアンゲリカを見ていると、もうどうでもいいや、という気持ちになって、一緒にカフェクレームを飲みました。南仏最後のクロワッサンとブリオッシュもお腹の中へ。子供達は朝っぱらからキッシュとチョコレートのクロワッサンを食べていました。そして10時半、やっと出発!(←行きと同じ時間です……・不安)順調に戻れるのかな、と思ったら……・。予想外の「渋滞」に巻き込まれました!
ああ、そうです、戻りの日は土曜日。どうにもなりません。
じりじりと暑い日差しを車の中で浴びながら、渋滞から解放されたのが12時。ついに高速に入ったのですが、私以外の3人がお腹が空いたと言います。それからずっと、ドライブインに入っては休憩をして少しずつ進み、カンヌ、ニース、モナコ、ヴォルトゥリ、クレモナ、ブレンネロなどと通って、やっとオーストリア!インスブルックあたりになってから、残すところあと70キロというところまでになった頃は、もうみんなぼろぼろ状態になっていました。B街に到着したのが夜中の1時!! 荷物を家の中に運び、アリの被害を受けないように片付けてから、ベッドに入ったのが1時半でした。
アンゲリカが一番疲れたとは思いますが、ナビをしていた私もかなり疲労困憊状態でした。というのも、行きもそうだったのですが、アンゲリカが私のナビを時々信じないのです。大丈夫だと言っても、彼女の頭の中に別の道が浮かぶらしく、とんでもない方向のことを熱心に言い出し、結局その方向に行って、8月1日は相当なまわり道をしてしまったのですけれども、帰りも懲りずに主張を始めました。私はなんとしても彼女の間違いを阻止しようと一所懸命になり、私の言うことを聞いてもらってある道に入ったのですが、半信半疑の彼女は、運転をしながら
「淑子!やっぱりここは間違いよ!だって何も書かれていないじゃないの、ほら、もうヴェローナ近くまで来てしまったわよ、完全に違う道を走っているわ。戻らないと!」
とぎゃーぎゃーうるさくわめきだしました。私も内心はそれほど自信があるわけではないので、大きなことは言えない気分にもなり、う~~ん、本当に間違ったのかしらん……と少々ひるみましたが、やはり大丈夫なはず、と気を取り直し、
「アンゲリカ、大丈夫だから興奮しないで、もう少し走ってね。この方向で間違っていないはずだからね。」
と静かに説明し、2分ほど走ってから、ようやく正しいということがわかり、ほっとした様子。でも、彼女はドイツ人ですから、その後の反応は私達日本人とは少し違います。ただでさえ、車の中は子供の声、カセットの音楽、時速120キロくらいで飛ばしているための騒音などがあるのに、私はアンゲリカが眠らないように気を配り、さらにナビをするわけです。聞こえない耳で頑張っていろんな話をし、ナビをし、子供のケアやアンゲリカにコーヒーを出したり……。それはそれは体力も気力も消耗し、結局調子が良かった食事内容でしたが、最後になってドライブインで崩れ、甘い物を沢山口にしてしまいました。どうやら疲労によるストレスになってしまったようです。食べてしまったのは、アイス、クッキーなどですが、私にしてみれば多かったと思います。その他チップス、パンも食べてしまい、大反省。そこで、夕飯を抜き、ドライブインで買ったミューズリ入りのシリアルだけ食べることにしました。これはとてもお腹に良く、なんとかひどい脱線にならずに済んだと思います。

ということで、午前中に南仏を出て、ドイツのアンゲリカの家に到着したのが夜中の1時、結局休憩も入れて合計15時間半という、凄まじい時間を車で過ごしたのでした。

次回があるとしたら、ベルリンからニースまで飛行機で往復します。車から見る風景はそれはそれは素晴らしかったけれど、やっぱり私の今の体では、車で15時間以上の移動っていうのは厳しかったです……。考えてみれば、その時間があったら、日本に飛んで行かれるんですよね……。それくらいの長い時間をかけて他の国に車で行く……。勉強にはなりましたが、ヨーロッパの人は体力があるんだなぁ、という教訓を得て、私は心から脱帽したのでした……。
それにしても、パスポートを一度も見せずにどの国にも入れたのは、本当に驚きです。テロ対策など、どうなっているのでしょうね……???

明日から青汁と玄米+お豆腐の生活がまた始まります。でも、耳の調子も南仏の良い気候で少し良くなっているように思うので、このまま一気に良い方向に進められたらと思います。ひとつ気がついたことは、130キロくらいで飛ばしている車の中とか、高層のエレベーターなど、他の人が耳の調子がおかしくなる時に(耳がパッカーンとなったり、ふさがれたような状態になること)、私の耳は、特に右耳なのですが、突然聞こえが良くなるのです! 以前に、水圧と同等の状態にして耳に圧力をかけるというメソッドをしたことがあり、その時はほとんど効かなかったのですが、どうやら今はそれが有効のような気がします。
逆に、みんながそのような耳パッカーン状態になった時に、元に戻すためにごっくんと何かを飲み込んだり、あくびをしたりしますが、それをすると私の場合は、耳の聞こえが前のように悪くなるのです。どういうことなのか、先生にご相談したいのですが、でもこれは、良くなる可能性が高いことを示しているような気がします。よくわかりませんけれども、一歩前進だと思っています!!!