2007-06-22

アニータの話

火曜日の午後、デザイナーのアニータとクーダムで会いました。

彼女はオーストリア人で30代、ご主人とベルリンで暮らして7年ほど。
首周りやベルトのデザイナーなのです。

この度アニータと契約をすることになったのですけれども、彼女はほんの半年くらい前に自己のブランドを立ち上げたばかり。
まだほどんど知られていません。
でも、本当にすごく美しくてエレガントな作品を作っているのです。

アートディレクターの戸田さんの依頼で、私はベルリンで素敵なデザイナーを見出すために、いろんなところを見てまわりました。
ぺトラやH子さんからも多くの良い情報をもらって、とにかくできる限りいろんなデザイナーとコンタクトをとりました。

・・・

ある日、私は普段だったらあまり行かないあるデパートに足を運びました。そうですね・・・4ヶ月に1度くらいしか行かないデパートです。

いつも見る所は決まっているので、2階のそのコーナーに直行しました。

すると、今まで見たことのないショーケースがあったのです。上品で美しいスカーフやネックアクセサリーなど・・・・。

思わず、

これだ!!!

と、閃きました。これこそ、戸田さんが求めていたものだと思いました。

・・・

そんなふうに始まりました。

その後、戸田さんご夫妻がベルリンにいらっしゃって、アニータにも直接会い、作品を見て、そしてこうして契約に至っています。

火曜日、私達はランチをしながら細かい打ち合わせや情報交換をしました。
10月の戸田さんのお店のオープニングには、アニータも来日します。
いろんなことが新しいことばかりで、みんなで手探りをしながら進めていますが、本当にとてもワクワクします!

食事を終え、2時間が過ぎ、さてそろそろ出ましょうという時に、アニータが静かに言いました。

「ヨシコ、あのね、私はこの出会いは<運命>だと思うのよ。

ヨシコが見てくれたショーケースは、あの日最終日だった。その後は私の作品をあんなふうにきれいに、そして大量に展示する場所なんてなかった。

あの日、ヨシコが見てくれなかったら、こんなふうに発展的な話ができなかったし、そもそも会うこともなかったでしょう。

本当に、とっても嬉しいの!」

「私も嬉しいわ。 あの時何故だか何となく、行ってみよう、チェックしてみようって気分になって行ったのよね。
何かに導かれたような気がしてしまうわ。」

「そうなの・・・実はね・・・

ずっと昔、私が17歳の時にね、ある占い師に私の将来を占ってもらったことがあるのね。ヨシコはそういうの、信じる?」

「う~ん。信じる方だよ。占い師にもよるけれども。それと、良いことだったら積極的に受け入れて、悪いことだったら気をつけるようにする程度で、あまりそのことで動揺しないようにするかな。」

「まぁ私も、それほどシリアスにとらえるってほどではなかったんだけれどもね、

その占い師がこう言ったのよ。

<アニータ、あなたは今後、デザイナーとして組織に入って仕事をするけれども、最終的には独立した方がいい。

そして、ある転機がその後やって来るのだけれども、素晴らしい運命の出会いがあるはず。

その人は、日本人女性だろう。>

・・・ね、これってすごくない?

これって、たぶんヨシコのことでしょう?

私ね、もうこのことを思い出す度に、ほら、こんなに鳥肌が立つのよ!」と言って、鳥肌の腕を見せてくれました。

「え~~!!!!!」

すでに私の腕にも鳥肌が立っていました。

・・・

彼女は、とても日本に興味を持っています。
10月に初めて東京に1週間滞在するわけですが、良い印象を持ってくれればいいなぁと思います。

そして、その占い師さんが言ったことが本当になって、彼女が日本で大成功することを心から祈っています。