ポット出版

木曜日は、ある事件がありました。

息子が、冬用のコートをどうしても欲しいというので、とはいえ全額払う気のない私は、半額息子が自分で出すという条件で手を打ち、2時15分にヴィルマースドルフで待ち合わせをしました。

学校から直行だった息子は、ランチを食べたいと言いました。

私は前のブログにも書きましたように、木曜日はケーキとカフェ以外は脱線しませんでした（それはこの出来事の後ですけれども・・・）

一緒に息子と何か食べるつもりはなかったので、

「いいわよ、君の好きな物を食べなさい。お母さんは食べないけれども、一緒にお店に入るから。」と言うと、

すかさずファストフードがいいと言いました。

汗・・・・

こんなに悪い油を避け、玄米と野菜を中心に、まぁでもリクエストのお肉はちゃんと美味しく作って出してあげているというのに、子供ってファストフードが好きなんですよね・・・。

抵抗はあったものの、息子がファストフードで何か食べるのは稀なので、許すことにしました。
習慣にならなければ大丈夫！と心で自分に言い聞かせつつ・・・。はぁ

もちろん、私は一切いただいていません。

「お母さん、俺さ、実はかなりマズい話があるんだけれども・・・悪い話なんだよ・・・。」

食べ終わってからおもむろに言う息子。

ドキ！

汗汗汗

何？？？？　こ、怖い・・・。

「な、何？　また学校で何かやらかしたの？

17日の夜に父母会があるけれども、その前に呼び出されるとか？」ちょっと不安な母の顔した私。

「あ、いや、学校のことじゃないんだけれどもね・・・・。

実は

バスの中でどうやら携帯電話を落としたらしいんだよ。

見つからないの！」

が～～～ん

息子の携帯電話は、半年くらい前にテレコムを解約して、プリペイドカードに変えました。
丁度１５ユーロのカードを買ったばかり。

「お母さん、ごめんなさい。」とうなだれる息子。

息子には、私が中学校の時の苦い話を聞かせています。

初めて父から腕時計を買ってもらったあの日、私は体育館でみんなとボールで遊んでいて、ステージの脇に腕時計を外して置いたのですが、すっかり忘れて帰宅してしまいました。
家に戻ってから気づいた私は、すぐに学校に戻ったのですが、もうその新しい腕時計は消えていました・・・。

父は、謝る私のことを全く叱りつけることはありませんでしたが、それ以後、ただの一度も腕時計を買ってもらえませんでした・・・。

そういう悲しい経験のある私は、息子の携帯がなくなってしまった話を聞いても、しかりつけることはありませんでした。

「イヤホンで音楽聞きながらバスに乗っているから、携帯電話が床に落ちてもわからなかったのね。

テレコムだったら、すぐに止めてもらわないとならなかったけれども、プリペイドだったから良かったね、先ずは・・。

息子は、すぐに携帯を買ってもらえないことは十分承知していますので、それ以上のことは言えません。

「俺、今日家に戻ったらさ、ＢＶＧ（ベルリンの交通機関の略称）に電話して聞いてみるよ。バスで携帯の落し物があったかどうか。

もしも、ものすご～～くいい人に拾ってもらったら、ひょっとしたら戻って来るかもしれないものね。」

「うん、そういう可能性はないことはないよね。とにかく電話してみなさいね。」

・・・

その後、ショップでコートを見ましたが決まらず、購入せずに息子は帰宅し、私はＨ子さんとアニータに会いに行ったのでした。

・・・

翌朝の今日、金曜日。

いつものように、6時半に息子を起こしました。

「ほら、君起きなさい。

自分でちゃんと目覚まし時計だけで起きられなかったら、お母さんが日本に行っている間どうするの？
他の家にお世話になるにしたって、そんなんじゃダメでしょ？」

などと、朝っぱらからお小言を連発していたのですが、

「ふぁ～～い、おはようございまぁ～～す。

あのさ、お母さん、携帯電話見つかったんだよ！」と息子。

「え～！　本当？　すごいじゃないの、良かったね～～。

どこで？　やっぱりバスだったの？　ＢＶＧに電話したの？」

「いやそれがさ、家に戻ったらすぐにＢＶＧから電話があって、俺の携帯電話がバスに落ちていたので、預かっていますって。

なので、月曜日に受け取りに行くことになったんだ。

本当に良かったよ～～。俺、嬉しいよ！」と息子。

私に説明していたら、すっかり目が覚めたようです・笑。（いつもだったら、目が覚めるのにかなりの時間が必要です･･･汗）

まぁでも、返してもらうのに、７ユーロ（およそ１０００円）がかかるそうでして・・・
無料では戻って来ないようですね・・・汗。

そのお金は、来月のお小遣いから引くことになりました。

せっかく来月からお小遣いが値上がりしたというのに、元に戻ったといいましょうか・・・。
息子は、自分から申し出たので、そういう気持ちは大切にしたいと思います。

見つかって良かったです！