2008-08-18
ピア
『ラブホテル進化論』金益見(文春新書)を、読みだした。
本書の帯には著者(20代前半の女性)の写真が。看板的には、OK、なのかな。
章の始めのページに添えられた著者によるマンガチックなイラストと、時折挟まれるウケ狙いな言い回しが、若干浮ついた印象を残す。
なんて思って読み進めたら、これが面白い。
ラブホテルの色んなことを真面目に教えてくれる。
取材先の相手の言葉を紹介するのにも、語る側の「それっぽさ」がしっかり出ていて、記録しようというのが伝わってくる。
俺がはじめて行ったラブホテルは、新宿は歌舞伎町の「ピア」というトコだった。
ハッキリ覚えているのは、部屋に入ると安全地帯『悲しみにさよなら』が流れてきたということ。ドアを開けると音楽が、てのにちょっとびびった。
その「ピア」も、もうなくなっている。
『悲しみにさよなら』は、いまでも時々、聴く。
そうそう、数年前に曽我部恵一が『悲しみにさよなら』をレゲエでカバーしていた。
雑誌の「relax」がラヴァーズとか騒いだり。レゲエが、それも「レゲエ祭」的なものではなく、カリプソ・スカ・初期レゲエ、もしくはイギリス産のが盛り上がっていたころ。
ま、俺も再発されたレコードを結構バシバシ買っていたんだけどね。
それはともかく曽我部恵一『悲しみにさよなら』は、あまりにも弱すぎた。下北沢辺りで居心地良さそうにしている連中にはちょうどいいのかもしれないが、玉置浩二の圧倒的なウタヂカラをリアルタイムで、それも「ザ・ベストテン」、「ザ・トップテン」2つの歌番組で毎週のように聴いていた俺には、どうにも喰い足りなかった。
『悲しみにさよなら』のカバーと聞いたときには、マジで「キターーーーッ」だったんだけどね。
好きな曲がレゲエでカバーされているのを発見すると心がうずいていしまうのは、今でも変わらない。
でも、最近よくあるJ-POPをラウンジっぽい演奏でカバーしてるのとか、あれは、ホント気持ち悪いよな。