2005-07-19
パリのゲイパレードで、けっこうおしゃれなダンス・チームを率いた、仏共産党、仏社会党、仏緑の党
ゲイパレードの先頭をパリ市長のドラノエさんともに歩いた一人は、齢34歳にして『フランス緑の党』の全国書記(日本でいえば党首にあたる)を務めるイケメン・エコロジスト、ヤン・ヴェーリング(Yann Wehrling)氏である(彼の名前の発音がこれであっているのか心許ないが)。仏緑の党では、女性委員会、平和委員会、農業委員会などと共に、性的少数者の問題を取り上げる「レズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダー委員会」(Lesbiennes-Gais-Bi-Trans)が党内に存在する。ヤン全国書記はドラノエ市長と歓談しながら行進を続けた。緑の党といえば、欧州では同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー(LGBT)の権利をもっとも尊重する政党である。赤色のダニーこと、欧州緑の党・党首のダニエル=コーン=ベンディットは同性婚を支持する発言をしていた。
緑の党はまた、全国書記とは別に、党としてもパレードの参加団体に名を連ねていた。でっかいトラックにステージをつくり、30人以上の男女がダンスミュージックに合わせて、踊り続けた。若い人が多かったし、それぞれオシャレな格好で来ていたから、「Les Verts」(緑の党)という文字さえなければ、とても政党の車両には見えなかった。
仏社会党も仏共産党もまた、車を出していた。仏共産党は小さなトラックの後ろに、5〜6人の人が立って踊っていた。レーニンの等身大のモノクロ写真を立てていたのが印象的だった。同党チームの先頭は、あでやかなドレスを羽織ったトランスジェンダーの女性が一人、ゆったりと歩いていった。
パリのゲイパレードはどのチームも、いろいろ工夫して行進する。政党も、演説をしながらビラを配る……というベタなやりかたもできるだろうが、しかし、それでは逆効果、堅物で場をわきまえないという悪いイメージがついてしまうのをわかっているから、おしゃれにポップにいっているのだろう。
警察発表でも50万人、主催者発表で70万人が参加したパリのゲイパレード(正式名称『Marche des FiertxJ遠 LGBT』)はフランス国内では革命記念日(14 juillet)に次ぐ大規模なイベントだ。
先日、カトリック・ロビーからも支援を受ける新右派政党『フランスのための運動』党首、フィリップ=ドヴィリエ氏にインタビューしたとき(発売中の『SAPIO』7月27日号に掲載)、同性愛について質問したら、同性カップルが血のつながらない子どもを養子として引き取ることには反対だが、同性愛の権利については反対ではない……旨、彼は明言した。カトリック的な価値観を重視する政治家ですら、同性愛者の権利をある程度は認めざるを得ない状況にフランスはなっている(とはいえ、当然、同性愛を敵視する発言を繰り返す政治家もいるのだが)。
東京では、ゲイパレードが三年ぶりに本年、行われる。パレードの歴史が、LGBTの権利獲得の歴史と平行していくことを、願ってやまない。フランスをはじめとした西欧・北欧諸国のように、である。
*写真はドラノエ市長。及川健二が6月25日、ゲイパレードにて撮影。写真はクリックすれば、拡大される。
ドラノエさん、6/25の写真ということは、
彼は10日後の悲劇を知る由もなかったんですね…
18日のフィナンシャル・タイムズでも怒り爆発してました。
Paris attacks British Olympic tactics
City’s mayor accuses Tony Blair, London team of ‘not respecting the rules’
http://msnbc.msn.com/id/8618478/