2007-10-22
差別発言で有罪の仏下院議員が市長選挙へ出馬
『インターネット新聞・JANJAN』に【 差別発言で有罪の仏下院議員が市長選挙へ出馬】という記事を書きましたので転載します。
日刊紙「ルモンド」のインターネット版が近頃、報道したところによれば、過去に日刊紙のインタビューで「同性愛は人類の存続にとって脅威だ」と発言したことが人権侵害にあたるという理由で、1審、2審で有罪判決を受けたクリスチャン=ヴァネスト下院議員が、2008年3月に行われる統一地方選挙で、自らの下院の地盤である仏北端の北県にある人口9万2000人の街・トゥールクワン市長選挙に出馬すると発表した。
フランスでは国会議員と首長や地方議会議員との兼職が認められている。同性愛者の活動家は「ヴァネストを市長にしてはいけない」と一斉に反発を強めている。
ヴァネスト議員は現在、無所属だが、ニコラ=サルコジ大統領が出身の第1党で与党の「国民運動連合」と院内会派を組んでいる。今年6月の下院選では有罪の身であるために同党の公認は得られなかったものの、地元支部が全面的に支援するなど実質的には公認候補並みの扱いで、2万1,720票(58.56%)を獲得して、楽々と再選を果たした。
ヴァネスト議員は熱心なカトリック信者で党内の超保守派として知られている。同氏は地方紙「北の声」に2005年2月に登場し、「同性愛は人類の存続にとって脅威だ」「私は同性愛が危険だといっているわけではない。異性愛に比べて劣ると言っているのだ。もし、同性愛が奨励されるならば、人類にとって危険きわまりない」と発言した。2004年12月30日に施行された法律によって、同性愛に対する差別的な言動は人権侵害にあたると決められた。2005年9月に「アクト=アップ」など複数の人権団体がヴァネスト議員の発言は人権侵害にあたると提訴した。2006年1月24日、リール地方裁判所はヴァネスト議員の発言を差別的言動と認定し、3,000ユーロの罰金を命じた。2007年1月25日、ドゥーエ高等裁判所は地裁の判断を支持し、有罪判決を下した。
同じ北県出身の社会党のピエール=モロワ上院議員は「差別発言をして有罪判決を受けても、発言を撤回するどころか開き直って今も政治活動を続けているヴァネスト議員には共和国の市長になる資格はない。彼の政治姿勢は極右政党『国民戦線』とうり二つだ」と手厳しく批判した。モロワ氏はフランソワ=ミッテラン大統領の下で初代首相を1981年から1984年まで務めた社会党の重鎮で、北県では多大な影響力を持っている。「社会党は全力をあげてヴァネスト議員の当選阻止を目指す」というモロワ氏の声がはたして、有権者に届くのか。審判は来年3月に下される。
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