2007-09-21
仏大統領、年金改革と公務員削減を明言 労組は10月18日にゼネストへ
『オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
主題:仏大統領、年金改革と公務員削減を明言
副題:労組は10月18日にゼネストへ
【主題】
フランスのニコラ=サルコジ大統領は9月18日、公務員の年金優遇を廃止すると発表した。
サルコジ大統領は、公務員や国鉄、パリ交通公団、電力公社、ガス公社などの公的部門の職員が加入する「特別年金制度」を数か月以内に改革すると言明した。同制度は、定年前に早期退職したとしても民間企業の場合と比べてより多くの年金を保証し、公的部門の労働者を優遇している。
サルコジ大統領(9月19日、ロイター)
たとえば、同制度では勤続年数が37.5年(民間は40年)で年金受給資格が発生する。さらに、年金の支給額は勤務期間の平均給料ではなく退職時の給料をもとに決定されるなど民間にない優遇措置がある。
1995年の冬にはアラン=ジュペ首相(当時)が同制度を改革しようとしたが、大規模な抗議デモやゼネラル=ストライキが発生し、国鉄、地下鉄、バスなどの公共交通機関が3週間ストップするという事態にまで発展し、撤回を余儀なくされた。
さらに、サルコジ大統領は19日、西部ナントで学生向けに行った講演で、定年を迎えた公務員の補充を半数に抑えるとした大統領選挙の公約を履行すると言明した。サルコジ氏は「公共部門の規模を縮小することで、待遇や将来性を改善する」と述べ、公共部門の合理化や、公務員の定数削減、民営化といったサルコジ流構造改革を断行すると発表した。
サルコジ氏はすでに2008年に定年を迎える公務員2万2700人を補充しない方針を示している。仏公共部門の人員削減としては過去6年で最多となる。同国の公共部門で働く労働者は、国民の5人に1人にあたる520万人と多い。サルコジ氏は「官から民へ」という信念の下、“公務員大国”のフランスに長刀を振るい、小さな政府づくりを目指している。
フランス最大の組合・労働総同盟をはじめとする国鉄労組など官公労の主要5労組は改革に反発して、10月18日に仏全土でストライキを決行することで20日、合意した。サルコジ政権になってからは初めての大型ストライキで、労組とサルコジ氏の対立が激化しそうな勢いである。
また、下院議会では野党第一党の社会党がサルコジ改革に徹底抗戦していくかまえだ。
副題:労組は10月18日にゼネストへ
及川 健二(2007-09-21 16:00)
フランスのニコラ=サルコジ大統領は9月18日、公務員の年金優遇を廃止すると発表した。
サルコジ大統領は、公務員や国鉄、パリ交通公団、電力公社、ガス公社などの公的部門の職員が加入する「特別年金制度」を数か月以内に改革すると言明した。同制度は、定年前に早期退職したとしても民間企業の場合と比べてより多くの年金を保証し、公的部門の労働者を優遇している。
たとえば、同制度では勤続年数が37.5年(民間は40年)で年金受給資格が発生する。さらに、年金の支給額は勤務期間の平均給料ではなく退職時の給料をもとに決定されるなど民間にない優遇措置がある。
1995年の冬にはアラン=ジュペ首相(当時)が同制度を改革しようとしたが、大規模な抗議デモやゼネラル=ストライキが発生し、国鉄、地下鉄、バスなどの公共交通機関が3週間ストップするという事態にまで発展し、撤回を余儀なくされた。
さらに、サルコジ大統領は19日、西部ナントで学生向けに行った講演で、定年を迎えた公務員の補充を半数に抑えるとした大統領選挙の公約を履行すると言明した。サルコジ氏は「公共部門の規模を縮小することで、待遇や将来性を改善する」と述べ、公共部門の合理化や、公務員の定数削減、民営化といったサルコジ流構造改革を断行すると発表した。
サルコジ氏はすでに2008年に定年を迎える公務員2万2700人を補充しない方針を示している。仏公共部門の人員削減としては過去6年で最多となる。同国の公共部門で働く労働者は、国民の5人に1人にあたる520万人と多い。サルコジ氏は「官から民へ」という信念の下、“公務員大国”のフランスに長刀を振るい、小さな政府づくりを目指している。
フランス最大の組合・労働総同盟をはじめとする国鉄労組など官公労の主要5労組は改革に反発して、10月18日に仏全土でストライキを決行することで20日、合意した。サルコジ政権になってからは初めての大型ストライキで、労組とサルコジ氏の対立が激化しそうな勢いである。
また、下院議会では野党第一党の社会党がサルコジ改革に徹底抗戦していくかまえだ。