2006-06-15

【重要】目次、一挙公開

ただいま、『ゲイ@パリ 〜フランス同性愛事情』(ポット出版)を執筆中の及川健二です。

『ゲイ@パリ 〜フランス同性愛事情』(ポット出版)の第二部・インタビュー集が90%以上完成したので、目次をここで公開したい。

本書は二部構成にしようと考えている。

第一部では及川健二がフランスの同性愛事情について執筆し、
第二部では最新のゲイ理論家・活動家・政治家のインタビューを
掲載しようと思っている。

インタビューした相手は「論争の国」「現代思想の国」フランスの名だたる論客たちである。私がインタビューをすすめるときに、フランス人の何人からもこういわれた。

「フランス人ですらやっていない試みをあなたはやろうとしている」

第一部はいま執筆中ですので、いましばらくお待ちあれ。

インタビューをまとめ、熟読し、しばし深い感慨にふけった。
フランスの最新のLGBT理論はアメリカ発のゲイ・スタディーと
まるっきりちがう。おそらく、本書が上梓されれば、
日本のゲイ・シーンで少なからぬ反応を得られるのでは
ないかと思う。建設的に理論が前進されるのではないか、
と思っている。アメリカのゲイ・スタディー一辺倒だった
感がないともいえない日本であえてフランスの理論を
紹介したい。

では、以下、目次である。

第二部 最先端のゲイ人にインタビュー

◆ パトリック=ブローシュ(Patrick Bloche)国民議会議員&パリ市議(社会党)
   〜パクス(PACS)法をつくった超ゲイ・フレンドリーな政治家〜

・ 自由・平等・博愛を重視するから同性愛者のために働く
・ ミッテラン政権、ジョスパン内閣での前進
・ パクス(PACS)はこうして誕生した
・ 同性婚、同性カップルの親権・養子縁組、
     女性カップルの人工授精に私が賛成する理由
・ 「ホモ嫌い」、ベーグル市での同性婚、ヴァネスト議員の放言、
     HIV感染拡大を一刀両断
・ 与党・フランス国民運動連合は同性愛者に貢献しているか?
・ 同性愛者がスケープゴートにされないか心配

◆ アレクサンドル=カレル(Alexandre CARELLE)・『同性愛と社会主義』代表。
     〜社会主義は同性愛者の人権を守る〜

・ 『同性愛と社会主義』は一九八二年に設立された
・ シラク大統領は同性愛者を裏切った。
・ 社会党が同性愛者の権利向上に貢献した
・ 同性カップルの養子縁組・同性婚に賛成する理由
・ 地方では同性愛差別が根強い
・ 映画『ブロークバック・マウンテン』は感動的だった。

◆ ヤン・ヴェーリング(Yann Wehrling)フランス緑の党・全国書記(党首)
     〜緑の党は超ゲイ・フレンドリーな政党〜

・ 直線的経済から循環型経済へ転換すべし
・ 郊外暴動・原発・遺伝子組み換え作物
・ 緑の党がゲイ・パレードに参加する理由
・ フランス国民運動連合と社会党を採点する
・ 緑の党が与党になったら提案するゲイ政策

◆ リチャード=サンチェス(Richard Sanchez)
     フランス共産党『自由・民主・反差別委員会』責任者
    〜人類解放のために同性愛者の権利が守られるべきだ〜

・ 同性愛者は許し難い差別の犠牲者だ
・ 共産党がゲイ・パレードに参加する理由
・ 共産党は同性婚・同性カップルの養子縁組に賛成する
・ HIV拡大には予防の原則が必要
・ フランス国民運動連合・社会党・緑の党を採点する
・ 映画『ぼくを葬る』はすばらしい

◆    ステファン=ダセ(StxJ艶hane DassxJ羽・『ゲイ・リブ』代表。
     〜保守政治こそが同性愛者の権利を守る〜

・ ゲイ・リブはフランス国民連合と友好関係にある
・ フランス国民運動は大きな進歩を実現させた
・ 保守の立場から同性カップルの養子縁組・同性婚に賛成する
・ 社会党はゲイを被害者化している
・ 保守政治家が同性愛者から嫌われる理由
・ ゲイ・リブがゲイ・パレードをボイコットした理由
・ 幸せなゲイの話があってもいい

◆ クリストフ・ジラール(Christophe Girard)パリ市助役
     〜パリ市長のブレーンは日本通の同性愛者〜

・ 自分自身に嘘をつきたくないから、カミング・アウトした
・ 赤毛のダニー、ベーグル市の同性婚、嫌がらせの手紙
・ ホモ嫌い、パリ市長のカミング・アウト、ゲイ・プライド
・ 「結婚しない権利」を持ちたい、だから同性婚に賛成する
・ 緑の党は最もゲイ・フレンドリーな政党だ

◆    ダニエル=コーン=ベンディット(Daniel Cohn-Bendit)
     欧州議会議員・『欧州緑の党』代表
    『論座』六月号インタビューより転載