2005-04-14
NON ! 欧州憲法物語
パリの町中をあるいていると、『Non!』という文字をいたるところで見かける。
3週間前に発売された雑誌の多くには、「Non」という文字が表紙に大書されていた。「Oui」と書かれた雑誌は一誌であった。いま、フランスで「Non」といえば、「欧州憲法」への「否」を意味する。欧州憲法批准の是非を問う国民投票の期日が近づくにつれ、極左から極右まで、欧州憲法に反対する運動が広がっていっている。町中には「Non!」と書かれたポスターが貼ってある。
欧州憲法に関するチラシを配ったり、街頭で呼びかけたりしている人々のほとんどが批准反対派である。シラク大統領やサルコジ前・財相、ラファラン首相が必死に批准の意義を唱えているが、国民レベルでは着実に反対の声が広がりつつある。
欧州連合の常に中心に居続けてきたフランスで、欧州憲法批准が否決されれば、欧州全体にその余波は広がる。その衝撃たるや、2002年の大統領選挙で国民戦線のルペン党首が決選投票に進んだときの比ではないだろう。