2006-02-18

同性愛について質問するため、フランス革命的共産主義者同盟の本部を訪れる。

2月17日(金)14:00、サンジェルマン通りに面しているパリ市内のカフェLes Deux Magotsで、ニコラ=サルコジ党首率いる政府与党・フランス国民運動(通称・UMP)系のゲイ・レズビアン団体『Gay Lib』代表のステファン=ダッセさんと待ち合わせをした。予定より15分ほど早く着いた私は混雑している店内で比較的落ち着いた席を探し陣取り、ダッセさんの到着を待った。取材協力者のKさんが二時ぴったしにつき、ダッセさんは予定時刻より10分ほど遅れて店内にやってきた。ストライプの上下スーツを身にまとい、ライトブルーのネクタイを締めているダッセさんは若手政治家のような出で立ちだ。ふだんUMPの政治家と会い、話し合い、交渉しているというから政治家風情になるのは当然なのかも知れない。

印象的だったのは、保守系列のゲイ・レズビアン団体ということもあり、旧来の家族制度を尊重しながらも、同性カップルにも結婚制度を開くべきだと主張していることだ。伝統的家族制度を守るといったことは社会党はとりたてて主張しないから、その点は異なるだろう。

三〇分ほどで取材を終えてからわたしはパリの東郊外にあるフランス極左政党・革命的共産主義者本部を訪れた。極左が同性愛について何を考えているか知りたかったので、同党に同性愛担当の委員会はあるか、党首格の若手論客オリビエ=ブザンスノ氏に取材するにはどうしたらいいか尋ねるために来た。町工場のようなさびれた本部の一階は印刷工場になっており、チラシや機関紙を印刷する輪転機が周り、労働者が働いている。受付というものはなく印刷作業にとりかかっている女性労働者がわたしを見つけるなり近寄り、用をきいた。日本人のジャーナリストであることを告げると、三階にいき幅60cmほどしかない狭苦しい廊下を通り、プレス担当の男性の部屋に通された。白髪を豊かに蓄えた男性は「これから何本かメールを書かなければならないのでまっていてくれ」といって隣の会議室のような部屋に通された。会議用のテーブルの上には極左政党・労働者の闘いの機関紙が置かれてあるのが目についた。男性は私の取材協力者のNさんが事務所に電話をかけたのを覚えていて(ゲイからのいたずら電話だと思ったのか、そのときまともに取り扱ってくれなかったようだ。しかし、直接赴いたためにきちんと応対されることになった)、「以前、電話かけてきましたね」という。

彼から同性愛担当の方の電話番号を教えられたのだけれど、南仏に住んでいるためパリにはなかなか出てこないという。それでは党首に取材するしかない。ブザンスノ党首の予定を聞くと、ふだんは郵便屋さんとして働いているから月、火しか時間は空いていないという。取材できるとしたら三月中旬になるかなあという。フランスで一ヶ月後といわれると二ヶ月後だったりするからわしの帰国前に取材できるか心配になった。どうせ放ったらかしにされるだろうとおもい、改めて催促しようとメールアドレスをきいた。

取材のテーマは何かと聞かれたので、イラク・イスラエルの情勢と答えた。いや、パレスチナ支援運動に熱心な同党が何を考えているか実際に興味があるのだ。そして、「同性愛の問題についても質問できますか」と聞くと、「もちろんだよ」という答えが返ってきた。極左のトロツキストがゲイ・レズビアンについて何を考えているのか興味がある。

取材できるといいなぁ。

このエントリへの反応

  1. そういえば…最近保坂事務所に出入りしている某左派政党(社共ではない)のM君は「某左派党の杉村太蔵」と噂されるイケメンです…。(あくまで「外見」ね。中身が似てたら困るよ)